(002)絆 (百年文庫)

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  • ポプラ社 (2010年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118849

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(002)絆 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 漢字一文字をテーマに、古今東西の名短篇3篇を収めた百年文庫、読むのは2冊目。日本人作家と海外作家、どちらも入っているのがいいな…と思って選んだのが「絆」。
    ●海音寺潮五郎「善助と万助」
    黒田家の家老2人の物語。大河ドラマの「黒田官兵衛」のキャストを思い出しながら読んだ。強情な万助に半分呆れかけたところでの、ほろっとする展開がよかった。
    ●コナン・ドイル「五十年後」
    今回一番好き。ホームズ以外の作品も味があってよいですね。冒頭の喩え話がまわりくどいかなと一瞬思ってしまったが、その後語られる、離れ離れになった恋人達の波瀾万丈な歩みを思うと、なるほど…である。格調高い訳文も素敵。
    ●山本周五郎「山椿」
    新妻のつれない態度に初めはイライラさせられるものの、その理由を知ってからの夫の主馬の行い…「男」です、惚れ惚れします!伏線は張られていたはずなのに、気付かず「やられたぁ!」と思ってしまった。

    どの作品も、「絆」というより「忍耐」だなぁと。いや、耐えて耐えてこそ、絆は一層強まるということなのか。ベタではあるが、決して野暮ったい展開にならず、カタルシスを感じさせてくれるところが名作たる所以なのかなと。
    活字も大きく、読み易い分量のこの百年文庫。名作短篇に触れるいい機会、これからも読んでいきたい。

  • 人との繋がり、信じることが感動を生む、と言った話が三編。
    『山椿』がとても良かったです。

  • これはどれも読みやすかった!
    ドイルのは映画「心の旅路」チックで意外。
    山本周五郎は昔母が好きだと言ってて、うちにもどこかに何冊か埋まってる(段ボールに詰めてあるはず)と思うのですが、私も好きかもです。
    楽しみにもう少し取って置きます。

    装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『海音寺潮五郎 ちくま日本文学全集48』(筑摩書房)、『ドイル傑作集I ミステリー編』(新潮文庫)、『山本周五郎全集 第21巻 花匂う・上野介正信』(新潮社)

  • 海音寺潮五郎 善助と万助
    母里但馬元信 太兵衛 黒田節 万助
    無分別な乱暴者 導きようでは抜群のよい侍になる
    黒田家の一番の家老は栗山備後 善助
    年長で、分別ものだから、よく万助を導くように
    二番家老は井上周防
    三番家老は但馬

    但馬見ないな人いるな〜。笑 執念深いくせに、義理に弱い。

    コナン・ドイル
    ホームズもの、歴史小説、SF、その他短編
    「五十年後」は
    再開の場面で、分かっていても泣いちゃった。
    こんな奇特な女性いるかな。


    山本周五郎 「山椿」
    いい話。

  • 海音寺潮五郎『善助と万助』はキャラが濃い。黒田藩の話。 
    コナン・ドイル『五十年後』はド正統派のいい話。
    山本周五郎『山椿』はめでたしめでたしな結末でどんでん返し系の話。

  • 三者三様の絆、どれも読後感が清々しい。一冊目の「憧」より楽しく読めた。
    コナン・ドイルの短編が読めたのが収穫かな。

  • ≪県立図書館≫

    確かに、絆のお話ばかりだった。

    ただ、「善助と万助」の絆は、私には少し痛く悲しい思いもする。
    荒くれ者の但馬の気持が、悲しい。
    彼が備後を慕う気持ほどには、備後は彼のことを想ってはいない。
    備後にとって但馬は、やっかいである、という気持の方が強い気がする。
    その温度差が、痛く悲しい。

    但馬はいつまでたっても幼いかもしれない。
    それでも、それだからこそ、彼には魅力がある。
    確かに、近づきすぎると、しんどい人物だろうな。
    でも、少し離れてみていると、楽しい人だろう、と思う。


    「五十年後」は、美しい物語だ。
    汚れちまった私では、ありえないような、そんな物語だ。
    最後の数年間の幸せが、きらきら輝いて見えて
    悲しくも幸福な気持にさせられた。
    コナン・ドイルは、ホームズの印象しかなかったので、彼の著作も、もっと読んでみたい気持になった。

    「山椿」、好き。
    皆がよい状態に、幸せになっていく感じがいい。
    お話の終わり方も、好き。
    この後の主馬の言葉と、みちの表情とを、つい想像してしまう。
    そして、つい、微笑んでしまう。
    そんな終わり方で、いい。

  • vol.1は挫折。今回はなんとか・・・。このシリーズのレイアウトって読みやすそうで実は読みにくいのかも。

  • ・海音寺潮五郎「善助と万助」○
    筑前黒田家の家臣、善助と万助。万助は怒ると手がつけられず乱暴もの、頑固もの。善助は分別があるからといって、このふたりを抱き合わせた。
    そうして月日がたちふたりともお偉いさんになって、しかし万助は相変わらず自分の意見を曲げようとせず主人の意向にも首を縦に振らない。これにはさすがの善助も憤り拳をふりかざす。
    万助の言葉にほろり。大団円。

    ・コナン・ドイル「五十年後」○
    じきに手紙を出すと言いイギリスに婚約者を残し、カナダの工場へと向かったジョン。しかしカナダで記憶喪失となり、それから時を隔てて五十年後。あらすじだとなんてことないのだが、やはりちょっとぐっとくる。

    ・山本周五郎「山椿」△
    結婚即初夜というむかしの習慣ていうのは、なんかけっこうおっそろしーのでは。と思った。
    もらった妻には実は契りを交わした男がいて、その男はほんとうに甲斐性無だから、妻には死んでもらったことにして二年後、いっちょうまえになった男とのご対面。

  • 海音寺潮五郎 『善助と万助』
    コナン・ドイル 『五十年後』
    山本周五郎 『山椿』

    どれも絆というタイトルにふさわしい、思わず目頭が熱くなってしまうような結末を
    迎える話ばかりです。

    『善助と万助』 じっくりと登場人物の人となりを読者の頭に想像させる文章がラスト手前まで続きます。主と部下の関係、同じ老中同士の関係、仲の悪い者同士の関係……。
    それまで特に起伏のある展開があるわけでもないので、ラストまでなんとな~くな流れで
    読んで把握していく人間関係の繋がりですが、ラストで急に「ああ、そうだったんだ」と
    しみじみ心に訴え掛ける動きを見せます。
    登場人物は血を持ち、肉体を持って、しっかりと芯の通った考えを持って生きてきた
    ひとりの人間なのだと思わされます。
    実在した人物を描いた歴史小説。きっとそれがこういうことなのだと感じました。


    『五十年後』 最後は王道な終わり方なのに、王道がゆえに涙しました。
    百年文庫はやはりいい。
    この文庫を手に取らなければ、私はおそらくコナン・ドイルを、多くの人がそうで
    あるように(と、私は自分の瑣末な自尊心のために信じたいが)、
    コナン・ドイル=ホームズの作者としてしか知らないまま、この一生を
    勿体無く終えていたに違いない。
    大げさかもしれないが、多分実際そうなっていたのだから仕方がない。
    とにかく、こんなものも書いてたんだ!という驚きを与えてくれたことで高評価。

    『山椿』 一番内容が光っています。
    結末はやはり予想がつくけど、ラストの人物たちの書き表し方が絶妙に胸にくる。
    映像として完全に頭の中で物語が流れます。
    爽快感?とでも言ったらいいのでしょうか。何一つ取りこぼしもなく、登場人物たちの上に
    あまねく幸せを予感させてくれる結末でした。
    どれだけ時間が経った昔の話でも、よいものは良い。それがこの物語。

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(002)絆 (百年文庫)の作品紹介

「いやじゃ!おれは一生やつに口をきかぬと決心したのじゃ」-。極端に性格の違う二人の家老が引き起こす珍騒動。競い合いながら老年を迎えた男たちの人生に決着はつくのか?(海音寺潮五郎『善助と万助』)。職を求め、恋人を残して海を渡った男の運命の物語『五十年後』(コナン・ドイル)。才能に恵まれつつも僻みを捨てきれず堕落していく孤独な男の再起をえがいた『山椿』(山本周五郎)。いずれも膝を叩きたくなるラストシーン、人を信じる忍耐力と希望を伝える名篇。

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