- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591118849
作品紹介・あらすじ
「いやじゃ!おれは一生やつに口をきかぬと決心したのじゃ」-。極端に性格の違う二人の家老が引き起こす珍騒動。競い合いながら老年を迎えた男たちの人生に決着はつくのか?(海音寺潮五郎『善助と万助』)。職を求め、恋人を残して海を渡った男の運命の物語『五十年後』(コナン・ドイル)。才能に恵まれつつも僻みを捨てきれず堕落していく孤独な男の再起をえがいた『山椿』(山本周五郎)。いずれも膝を叩きたくなるラストシーン、人を信じる忍耐力と希望を伝える名篇。
感想・レビュー・書評
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漢字一文字をテーマに、古今東西の名短篇3篇を収めた百年文庫、読むのは2冊目。日本人作家と海外作家、どちらも入っているのがいいな…と思って選んだのが「絆」。
●海音寺潮五郎「善助と万助」
黒田家の家老2人の物語。大河ドラマの「黒田官兵衛」のキャストを思い出しながら読んだ。強情な万助に半分呆れかけたところでの、ほろっとする展開がよかった。
●コナン・ドイル「五十年後」
今回一番好き。ホームズ以外の作品も味があってよいですね。冒頭の喩え話がまわりくどいかなと一瞬思ってしまったが、その後語られる、離れ離れになった恋人達の波瀾万丈な歩みを思うと、なるほど…である。格調高い訳文も素敵。
●山本周五郎「山椿」
新妻のつれない態度に初めはイライラさせられるものの、その理由を知ってからの夫の主馬の行い…「男」です、惚れ惚れします!伏線は張られていたはずなのに、気付かず「やられたぁ!」と思ってしまった。
どの作品も、「絆」というより「忍耐」だなぁと。いや、耐えて耐えてこそ、絆は一層強まるということなのか。ベタではあるが、決して野暮ったい展開にならず、カタルシスを感じさせてくれるところが名作たる所以なのかなと。
活字も大きく、読み易い分量のこの百年文庫。名作短篇に触れるいい機会、これからも読んでいきたい。 -
海音寺潮五郎と山本周五郎が同じ本に入っているだけでも読む人は読むし、読まない人は絶対に読まないだろうという感じだが、果たして期待を裏切らない。
まぁしかし山本周五郎のはちょっと反則が入ってますよね。
32/100 -
時代小説、海外文学と、なかなか合わせて読むことのない作品を読めるのもこのシリーズの楽しさ。
いい。 -
めでたしめでたしの読後感が良くて面白かった。
日本海外問わず有名作家の作品が収められている
というところも面白い。 -
どの話も単純でシンプルなストーリーだったが、それなりに楽しめた。