(017)異 (百年文庫)

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  • ポプラ社 (2010年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118993

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(017)異 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 乱歩しかり、ポーしかり、一人称の告白はなんとぞくぞくするのだろう。
    聞いてはいけないことを聞いてしまったような後ろめたさが、余計に怖さを煽ります。

    夫しかいないはずの土蔵から聞こえる愛の睦言、ベッドの下の暗がりに光る2つの目、姿かたちがそっくりで名前も同じ謎の男···。
    なにか怖いことが待ち受けていることは百も承知なのだけど、結末を見届けずにはいられない。
    「異」の文字にふさわしい3編に、ひやりとした涼をわけていただきました。

    なお、ポーの『ウィリアム·ウィルスン』は江戸川乱歩の訳。
    少し古めかしさのある分、ムードたっぷりの語り口が臨場感を高めてくれます。

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    ◆収録作品◆
    江戸川 乱歩 『人でなしの恋』
    ビアス 『人間と蛇』
    ポー 『ウィリアム·ウィルスン』
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  • 百年文庫17 図書館のこわい本特集で見かけて借りた。乱歩とポー。しかもポーの作品の訳は乱歩という贅沢な一冊♪

    江戸川乱歩 「人でなしの恋」 ☆5
    そこはかとなくエロスな雰囲気。…耽美だなぁ。昔、夢中になって色々読んだけど、やっぱり好きだ。内容も文章も美しい。土蔵の中にある夫の秘密。想像は出来るエンディングなのだけど、細かい個所まで書き込まれていて、白黒活劇を見ているかのようでゆらゆらした…所々ぞわっと鳥肌が立った。


    ビアス 「人間と蛇」 ☆4
    難しいのだけれども「お互いに相手を呑み込んでいまうという蛇」…というか、人間、同業者、ライバル同士の話なのかな…と思いながら読む。「オフィオファガスといのは、仲間の蛇を食う蛇のことさ」=75ページ=
    だけど呪いのような幻のような蛇。=偉大とは力であり、力は脅威である=69ページ 蛇と見えない圧力のような描写にハラハラした。どんどん蛇に自分から近づいていく罠。ほんと肝が冷えた。


    ポー 「ウィリアム・ウィルスン」(江戸川乱歩・訳) ☆3.5
    読んでいて…なぜか太宰治がぼわ~~~っと浮かんできた(笑)堕落してゆく落ちぶれていく自分。さらに、いつでもどこでも追いかけてくる、同姓同名、同じ服装、誕生日、背格好も一緒のウィリアム・ウィルスン。
    自分VS自分。幼い頃、テレビかなんかで見て怖かった記憶が…。(アラン・ドロンがウィリアム・ウィルスンを演じたらしい)
    =人間というものは大むね年と共に徐々に堕落して行くものである=(81ページ)に、少しホッとしたりして。
    話そのものはこわい。自分そっくりの人物が耳元で「ウィリアム・ウィルスン」と囁く。うぁー、考えただけで気が狂いそうになる。というか、かなり病的な内容で暗~いので、少し苦手分野。

    それにしてもこの文庫シリーズ。シンプルで贅沢な作りにうっとり。おもしろい。
     

  • 江戸川乱歩ならではの、耽美さと異様さが混じった艶めかしさ。
    青白い美青年である自分の夫が、毎夜ひとり、蔵の2階で誰かと
    ひそひそ語らっている。果たしてその正体とは……。

    現代だったら、わりとありそうな嗜癖を持つ夫。
    昔はおぞましいと読者に恐れられたのだろうが、今の自分が読むと
    「あー、あるある」と思ってしまうあたり、現代の感覚は恐ろしいなあと
    苦笑してしまった。

  • 悪魔の辞典しか知らなかったので、ビアスの世界観はこれで初めて知った。ポーの話に乱歩のパノラマ島奇談を思い出した。着想だったりして。同じ本に収録されて、乱歩は喜んでいるだろうか。

  • 新婚の夫が夜な夜な土蔵へ向かい後を追った妻は扉を隔てて睦言を聞く。夫の愛した女性は人形だった、江戸川乱歩の作品中ワタシが一番偏愛する『人でなしの恋』、部屋のベッドの下に光る緑の瞳。その瞳に神経をかき乱され発作を起こして死ぬもその蛇は剥製の蛇だった、ビアス『人間と蛇』、放蕩の限りを尽くす「私」と同姓同名、誕生日も一緒、顔立ち背格好服装まで何から何まで一緒のかつての同級生が、私の行く先々に表れ邪魔をする。この男は何物なのか、葬り去ってしまったのは私の良心なのか、ポーの『ウィリアム・ウィルソン』の3篇を収録。

  • この三人の組み合わせがよい!

  • 古典ってやっぱり難しいなぁ、と思った。でもこのくらいの短編で、読みやすい本になっているので、スラスラとは読み進められなかったけど、面白い!と感じることができた。「人でなしの恋」が一番わかりやすく、楽しく読めた。
    シリーズの他の本もチャレンジしたい。

  • 江戸川乱歩いい!!人でなしの恋いい!!

  • 江戸川乱歩の人でなしの恋がとても良かった。
    結末まで、描写が美しい。
    読んでいてどんな展開が起きるのかドキドキした。
    結末に驚かされる。しかし、結末は決して後味の悪いものではないと思った。それは、その結末にも美しさが見てとれるからだ。当時としてはどこか歪んでいるのかもしれないけれど、ある種の純愛を感じさせる作品だと思う。

  • さすが乱歩は面白い。
    ビアスのは、正体見たり枯れ尾花な話だけどそれであれはちょっとなーと思った。
    ポーのは乱歩訳な所が( ̄ー ̄)ニヤリですが、短編な割にだらだら長い気がしましたね。

    装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『江戸川乱歩全集 第二巻』(講談社)、『いのちの半ばに』(岩波文庫)、『世界大衆文学全集 第三十巻 ポー、ホフマン集』(改造社)

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並はずれた美男子と結婚した「私」は、夫が夜ふけになると床をぬけ土蔵に行くことを怪しみはじめる。闇の中、手探りで梯子段をのぼっていくと-。隠さねばならなかったこの世ならぬ歓楽と哀しみ(江戸川乱歩『人でなしの恋』)。自信に満ちた裕福な学者が、ベッドの下に光る二つの目に神経をかき乱されてゆく(ビアス『人間と蛇』)。放蕩の限りをつくす名門一族の「私」が、同姓同名の同級生に追われる恐怖を描いたポーの『ウィリアム・ウィルスン』。背筋のさむくなる三篇。

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