(025)雪 (百年文庫)

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  • ポプラ社 (2010年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119075

(025)雪 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

  • 百年文庫25 今年は雪が多くて雪かきが大変です。季節に合わせて借りて、読むのもなかなかオツなもんだと積もる雪を見ながら読了。どの作家さんもみな初読み。

    加能作次郎 『母』 星3
    生後7~8カ月で実の母を亡くし、継母から育てられた恭。母と子、互いに素直になれずののしり合ったり、そこから夫婦仲がぎくしゃくしたりしてちゃぶ台をひっくり返す夫婦喧嘩が起こったり、気の毒な反面、冬の夜に布団の中でぬくぬくと、子らに昔話を話す継母の愛情あふれるあたたかさに、里心がついたような感じになってしまった。(素直になれないだけで立派に親子してるじゃん!)

    27ページの「昔あったとい。」と母が話せば、子らが合いの手のように「聴いたわね。」と返す。(この当時の昔話はこういう形式だったのかな?)ほのぼの~としていて、もうそれは継母とか関係なく、しっかりと親子なんだよね…としみじみ思った。



    耕治人(こうはると) 『東北の女』 星4
    秋田の能代から義姉が娘の幸子(姪にあたる)を連れて上京する。30代後半にもなって妹夫婦には子供がいないし、子供を持つ生活にも心にもゆとりがない日々。そこで幸子をこの妹夫婦の養子にして…という話が、義姉、妹夫婦の間でぎくしゃくと行ったり来たり押し問答のようになる。(結局幸子を養子にもらうことになる)。ある正月に「能代の吹雪を見に行くと思って能代に行きなさいよ」と妻に言われ、幸子と共に能代に行くことになってしまう。
    幸子って名前自体、ジンクスのように幸薄そうだし、展開があやしくてこの後どうなるんだろう…と気になってしまった。幸子に官能的なものを感じてしまった主人公の男。脳裏にチラつく妻の丸い白い体か…それとも幸子か…、もうその心は吹雪そのものなんじゃないかな…と。(こんな風に読んで…いやらしいな私…)



    由起しげ子 『女中ッ子』 星4
    これは山形から上京した初が加治木家に女中として雇ってもらうところから話が始まる。とあることから口約束して、それを信じて加治木家へ押しかけるようにして初は、やって来てしまったのだ…。けど初のすごいところは家事掃除洗濯などを、我流だけどパーフェクトにやりのけてしまうところ。
    まるで“おしん”のよう。加治木家の問題児、次男の勝見(かつみ)のために、奔走する初が力強く健気で可愛らしい。勝見の問題行動もおさまり加治木家は少し落ち着き始める。
    そんな中、勝見をかばって行動したことから、奥さまに誤解され、加治木家を追い出されてしまう初の最後がなんとも言えなかった。加治木家に初のような子は勿体ないと思った。スーパー女中ッ子な初。知らないうちに初が解雇されてしまったら…犬のチビの時のように、勝見が初を探し回って迎えに来たりしたら…。ちょっともえるよね。


    解説の「人と作品」の内容があっさりしていたので残念な感じ。

  • 乳房の間の汗の匂い、干し魚の焼ける匂い、犬の寝床になっていたウールのオーヴァーの獣臭い匂い。 でも、雪のように清潔な小説たち。東北の雪景色にしばし想いを馳せる。 冬の夜、外には雪が音もなくしんしんと降り積もっている。 「昔、あったとい。」繰り返される母の昔話し。 「聴いたわね。」と応答する子どもたち。 雪に閉じ込められた今日の日に読むことができた幸せ。

  • あったとい きいたわね

    おれきっとおめご台所を片付けっぺと思ってたて

    学校に来るなよ、女中ッ子ってみんな僕のこと云うから

  • 雪の降る日に一章づつ読んで、三年越しで読了。
    カバーをとった表紙のイラストも良かった。

    母 は、雪が降る中、一つの火が灯っている感じ。
    東北の女 は、一言で言うと、味わい深い。その言葉が適切かどうかはわからないけど、読了後にそう思った。
    女中ッ子 は、雪の場面が印象的に使われていた。読後感は良い。

  • 『母』加能作次郎
    継母継子の間のやるせなさ。『あったとい。聴いたわね。』のリズムが余韻を残す。

    『東北の女』耕治人
    子を持つこと。貧窮からくる苛立ちや情けなさを感じつつ、心に温かさを覚える。ハタハタのすし漬、ごはんの描写は読んでて楽しい。

    『女中ッ子』由起しげ子
    働き者で強く優しい初。気持ちよく読める。

  • 雪が降ったので読んでみることにしました。
    いつのまにか読み終わってて、読後感が非常によかったです。
    女中ッ子は映画化もされたということで、読んでいてひきこまれていきました。東北の女も、母も、古い時代のよき日本を思い出させてくれてよかった。
    心温まる作品達。いい文庫です。

  • 加能作次郎『母』
    耕治人『東北の女』
    由起しげ子『女中ッ子』

  • 方言と雪はよく似合う。それも冬の間は溶けることのない雪が似合う。人よりも自然の容量が大きく、人々はよく自然のことがわかっている。
    三つの話の中で自然が描かれることは少なく、どちらかというと、いじらしく生きる人々が書かれている。そううまくいかない生活。けれどもどうしてか生活を続ける。大きななにかの中で、冬の間溶けることない雪の中で、みんな生活をしている。

  • 昔は日本人みんな貧しかったのだなと思うが、ちょっと共感が難しかった。

  • 2012.10.6読了。

    読みやすいシリーズ、百年文庫。由起しげ子がいい。

  • ポプラ社 百年文庫の第25巻。
    「雪」が暗喩するかの如く、北の国的なるものを思わせる三作品。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/25

  • 和図書 908/H99/25
    資料ID 2010200701

  • 「女中ッ子」がなにやらほほえましく、せつなく…。

  • 由起しげ子『女中ッ子』だなw初っちゃんw

  • 初ちゃんが可愛いです。

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(025)雪 (百年文庫)の作品紹介

雪の夜、「昔あったとい」と昔話をしてくれたあの人。実子ではない「私」をいつも温かく抱きしめてくれた亡き母の思い出(加能作次郎『母』)。親戚の娘をいきなり預けられた貧しい夫婦。強引なやり方に反発しながらも、いつしかその娘が愛しくなっていく(耕治人『東北の女』)。ハガキ一枚を頼りに上京してきた娘「初」は押しかけた家で雇ってもらうが、その家の男の子はひどく意地悪で…。孤独な少年を守ろうとする娘の潔い愛が胸を打つ、由起しげ子の『女中ッ子』。雪のように清らかで、温かい物語。

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