(047)群 (百年文庫)

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  • ポプラ社 (2010年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119297

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(047)群 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

  • 百年文庫、五冊目は「群」。
    群衆の持つ力、群衆の生活、群衆がいる光景。


    オーウェル『象を射つ』
    植民地時代のインドで、警官の職についていたイギリス人の男。
    象が暴れているとの知らせを受けて、護身用のライフルを手に現場へ向かうが……
    「土人」に過ぎないはずの群衆の力に押され、「主」であるはずの白人が、望まぬ行為を強いられる瞬間。

    武田麟太郎『日本三文オペラ』
    墓地の隣に立つ、3階建てのボロアパート。風呂トイレ共同、プライバシーは無いも同然。
    アパートの住民たちのそれぞれの生活と、その中での奇妙な関わり合いを、オムニバス映画のようなリズムで映す作品。

    モーム『マッキントッシュ』
    南の国の小さな島に、行政官の助手として駐在するマッキントッシュ。彼は自分の上司に内心辟易していた。
    彼の上司は島を暴君のように取り仕切っており、そのうえ酒浸りで横柄な男だった。
    ある時上司は島の住民たちに卑劣な方法で道路整備の仕事を押し付ける。
    そのあんまりなやり方と、日頃の恨みから、ついにマッキントッシュは大胆な行動に出る……


    「象を撃つ」は、群衆の力によって主従が逆転してしまう、印象的な場面を描く。
    社会からの圧力により、望まれた人格を演じなければならない様は、『1984』を思い出させますねぇ。
    「日本三文オペラ」は、とにかくきったねぇアパートでの暮らしが見どころ。
    職場の労働闘争の処理に追われる男とか、旅芸人の一座とか、あらゆるシーンに昭和を感じます。
    「マッキントッシュ」は群衆よりも、マッキントッシュ君と上司の2人に焦点を絞られる。
    マック君はいつも冷静で、黙々と仕事をこなすタイプの男。それに対して上司の彼は、とにかく自分勝手で下品なおっさん。マック君からすれば嫌悪の対象。
    そんな大ッ嫌いなオッサンなのに、いざ、ラストシーンに臨むと……。
    人というものを、海面に見えてる氷山の一角からしか判断しようとしないのも、「汝」ではない、「群」の作用の妙ですかね。

  • 群衆とは悲しいものなのか。人間は寄り集まるとこうも悲しくなるのか。

  • オーウェルの像を射つが気になったのでそれだけ読んだ。
    何も力を持たない黄色い人間の群衆が背中に迫りくる。笑われたくないという理由で像を射った。群衆の持つ力とそれに圧倒されてしまう自分の弱さ。
    自分は自分であるという確固とした意志が持てるようになるにはどれだけの強さが必要なのか。並大抵の人には無理だろう。

  • 期待と圧力、群集の中から目立った「個」はそれぞれの役割を押し付けられてくんだなーと

  • オーウェル『象を射つ』
    武田麟太郎『日本三文オペラ』
    モーム『マッキントッシュ』

  • 12/11/27 三人の作家の短編が1編ずつ。読ませるなあ。

  • オーウェルの「象を射つ」、モームの「マッキントッシュ」が面白かった。

    「マッキントッシュ」は南の海の島での白人植民地支配者の話なんですが、威張り屋で押しつけがましい、でも住民思いの行政官ウォーカーがなかなか魅力的。こういう人は当時の白人には少なかったのかもですが。

  • 百年文庫9冊目は「群」

    収録は
    オーウェル「象を射つ」
    武田麟太郎「日本三文オペラ」
    モーム「マッキントッシュ」

    いずれも初読だった。庶民のイメージを活写した「日本三文オペラ」と、「「官」と「民」のせめぎあい」が描かれるオーウェルとモームの短編。オーウェルとモームをこの枠で並べるとなんだかイギリスの古典小説っぽいなと思う。そういえばちょっと前に読んだコンラッドもそうで、イギリス国外が舞台だ。

    「マッキントッシュ」が特に面白かった。名短編「雨」を思い出させるような構成。『1Q84』も読んだところだし、オーウェルの『1984』もどこかで読みたい。

  • 象を撃つ/オーウェル
    日本三文オペラ/武田麟太郎
    マッキントッシュ/モーム


    第一作のオーウェルに釣られて手に取ったらモームの短篇が面白かったです。

    群=大衆の力ということだがそんなにブラックでもない(いやブラックユーモアだが笑)

  • 群衆、大衆がもつ不気味な力…。そんなテーマで集められたアンソロジー

    モームの「マッキントッシュ」が好み。…やはり鬱っぽい話が好きなんだな。人間の価値って「誰にとっての?」っていう問いかけありきの不安定なものなのかも
    まぁ現実的ん考えれば金銭的に換算することも可能ではありますが。


    「日本三文オペラ」は群像劇ってかんじ。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/47

  • 和図書 908/H99/47
    資料ID 2010200723

  • 象を射つ
    土民が持つイメージを裏切ってはいけないという意識によって、白人は自由ではないというのが印象的だった。帝国主義が嫌いだと言いながら、坊主を殺したかったり、苦力が死んでよかったと思ったりしている。誰しも一番かわいいのは自分なんだと思った。

    日本三文オペラ
    難しかった。

    マッキントッシュ
    マッキントッシュがなんで死んだのかわからない。

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(047)群 (百年文庫)の作品紹介

「市場で象が暴れています」と連絡を受けた警察官が護身用のライフルを手にすると…。群衆に取りかこまれた男の痛切な経験(オーウェル『象を射つ』)。隣接した墓地に向かって傾いている三階建てのアパート。ユニークな住人たちの暮らしを描いた武田麟太郎の『日本三文オペラ』。南の島に君臨する行政官と助手はことあるごとに対立していた。屈辱を感じつづけた助手は大胆な行動を決意するが…(モーム『マッキントッシュ』)。民衆の力がすべてを飲みこんでいく物語。

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