ヘヴンリープレイス (ノベルズ・エクスプレス)

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著者 : 濱野京子
  • ポプラ社 (2010年7月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119570

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ヘヴンリープレイス (ノベルズ・エクスプレス)の感想・レビュー・書評

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  • 前の家とはほど近い(3キロほど)新興住宅に引っ越しした僕たち。リセットできるかも、とそんな期待があった。
    ぼく・桐本和希(小6)は自転車で新しい町をまわっていて、雑木林で英太と出会った。ぷくぷくしていて、低学年にも見える言動の英太だけど、本当は小4。天使のような笑顔につられて、セミをとったりと遊ぶうちに、雑木林の中のボロボロの廃屋に連れられて行った。そこにはローシと呼ばれるホームレスと、養護施設から抜け出してきた史生(ふみお・小6)が住み、登校拒否の少女・有佳(ゆか・中1)と英太の集う、汚いけれど、不思議に落ち着く場所だった。
    和希は親の希望する中学受験より、ピアノが好きだと気がつき、両親に自分の気持ちが言えるように成長してゆく。しかし、雑木林の家は取り壊される事が決まっていて、ローシもぬれぎぬで警察に捕まってしまう。
    少年の一夏の成長物語。

  • 夏休みにはいってすぐ、引っ越した町を探検していた6年生の和希は雑木林の廃屋で悩みをかかえる子どもたちと出会う。
    年齢のわりに幼い英太、施設を家出した史生、不登校の中学生有佳。
    和希は3人が信頼するローシ(老師)に惹かれ、交流を深めていく。

    「知っていることがえらいんじゃないんだよ。知りたくても知るチャンスがなかったのだから。
    わからないことは調べればいい。自分で調べるんだよ、史生」p.79

    しかし、ローシにつながることでできた子どもたちの世界も、おとなの論理によってつぶされてしまいそうになる。

    ぼくの親は、和希の自由にしなさいといいながら、必ず道を指ししめす。
    この道を進むといいと思うのだけれど、和希はどうしたい? 決めるのはきみだよ。
    そうして、親がしめした道を、自分が選んだと思ってこれまでやってきた。
    本当はどこかで自分をごまかしているってわかっていたはず。p.170

    子どもたちの“ヘヴン”がさわやかに描かれたひと夏の物語、小学生を主人公にした「ノベルズ・エクスプレス」のシリーズで。

  • ピアノが好きな和希(6年生):引っ越ししてきた同級生をいじめてしまったことが心にひっかかり続けている。本当は中学受験がいや。親の信頼を壊したくないと思っている。

    エイタ(4年生):発達が遅い。体が小さい。天使のような子。父親からの暴力を受け自分をバカだと思っている。大人の男性におびえる。

    フミオ(6年生):両親がおらず施設にいたがそこを飛び出し廃屋で寝泊まりする。エイタを弟のように思っている。

    ユカ(中一):絵を描くのが好きだが、姉のほうが優れていて自分はだめだと思っている。不登校である。

    老師(藤川さん):ホームレスの男性、子どもたちの保護者的立場にある

    ミホ:ピアノレッスンにきている子。和希が好きで心配している。

    親が子どもにする心配→今はとにかく頑張って勉強してほしい。理想的な友達づきあいをしてほしい。
    親の思いは子どもたちに伝わりプレッシャーになっている。

    子どもたち→両親の言動に対し思っていることは沢山あるが、期待を裏切らないでいたい。説明してもわかってもらえないだろうという思いから「良い子」の返事を続ける。

    両方の思いが歩み寄れずに距離を置き続ける様子が苦しい。
    それでも子どもたちは悩みを抱える子たちとの出会いで少しずつ変わってゆく。心的成長。

    和希は四人の悩める子たちと出会い、本当に自分がしたいことは何か、言葉に出して親に伝えることができるようになる。
    すべての登場人物がスッキリとした解決を迎えるわけではないのだけれど、
    それぞれがそれぞれの道を歩んで行ける光のようなものを感じた。
    老師の存在も大きい。
    「いい人かどうかということとね、お金持ちか貧乏かということは、まったく別なんだよ」
    行き場のない子どもたちは多いけど、何かひとりぼっちじゃないって思える本だと思う。
    話を聞いてくれる、わかってくれる人が周りにいない人も、こういう本に出会ってほしい。

  • 夏っぽくていいな、と思った。
    それぞれの色んな問題が解決するわけではないけれど、少しは変わったんじゃないか、と思う。

  • きょう読み始めて先ほど読了。濱野京子さんは二冊目。
    終わり方に、おおそうなのか、と思う。諦めるけど諦めない、はリアルな結論かもしれない、けれど、その次を描いてみせてほしかった気もする。帰って来てからのことは、また新しい物語、ということなのかな。それぞれの「これから」はわからないまま、ただ新たなはじまりの予感がする。その続きは、いまはまだみえないというのが誠実なのかも。
    微妙な気のする読後感。でも、反芻するのも悪くない、かしら。

  • 両親の期待に背かない
    「いい子」である主人公の少年。

    けれど、心の中はもやもやし、
    幼なじみを仲間はずれにする、裏の顔を持ち、
    その二面性を自分でも受け入れられない。

    そんな少年が、ある夏、
    小さな雑木林の中の廃屋に集まる
    子どもたちと、そこで老師と慕われる男と出会い・・・


    少年の両親が、もう、嫌で嫌で!

    少年に、がつんと歯向かってほしくて、
    しかたなかった!

    意外なラストで、
    彼は、言葉や態度ではなく行動でそれを示すのだけど、
    できれば、その前に、きちんとぶつかってほしかったなあ。

  •  新しい家に引っ越した和希は、林の中で虫取りをしていた小4の英太と仲良くなる。英太を通じ、雑木林の中の古い家に住む老師と呼ばれる男性や老師をしたう史生、由佳とも知り合う。英太たちは、それぞれ問題を抱えていた…。

  • 引っ越してきたまちで、和希は、暮らしに悩みをかかえた少年少女たちと出会う。彼らを救いたい―でも、助けられないのは、自分が子供だからなの?自分の生活、両親、そして社会に目を向けはじめる…。緑ふかい林の中の幸福な時間をえがく、ひと夏の物語(「BOOK」データベースより)

    森の奥の廃屋に棲まうのは、「ローシ」と呼ばれる男性と、彼を慕う子供たち。
    そこは、互いに過酷な過去を持つ彼らにとって、まさに天国のような場所だった。
    その廃屋に連れられてきたのは、最近引っ越したばかりの和希。
    親の望むとおりに生きる息苦しさにあえぐ彼にとっても、そこはひと時のオアシスとなったが・・・。

    というストーリーかな。

    人より歩く速度が遅くても目的地には着ける、という、ローシが英太に送った言葉が胸に残りました。
    なんだか私にまで優しくエールを送ってもらったような読後感。
    ラスト辺りがやや急ぎ足な気がしなくもないのですが、教えられた事が多くある一冊でした。
    猫野ぺすかさんの版画も温かみがあって素敵でしたよ♪

  • 「あなたが考えて決めなさい」とか言いつつ、親の都合に合わないことをしだすといろいろいちゃもんつけちゃうところなんか、かな〜り反省させられます(;-_-)何故勉強が大切なのか、真理を子どもに説ける親って少ないよ多分。子どもが読むより親が読んでよく考えろって本なのかも。

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