(062)嘘 (百年文庫 62)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121504

感想・レビュー・書評

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  • これとは全く別の魯迅の本にエロシェンコのことが書いてあり、エロシェンコに少し興味を持った。
    そんな頃、「ある孤独な魂」に出会った。いやはや面白い。子供たちの素朴な疑問が痛快だった。まともに太刀打ちできず「愚問だから」と体罰を与えることしかできない教師が、むしろ滑稽である。偏見のバカバカしさがよく伝わった。

  • 好みのお話ばかりでとても満足できました。
    どれも詩的で美しくて、少し淋しい余韻がただようお話です。

    今までエロシェンコという作家を知らずに来たことを残念に思いました。
    『せまい檻』は盲目の作家から紡ぎ出される、色彩溢れるインドの情景に圧倒されました。
    また一つ一つの童話の醸し出す温かくも淋しい余韻にため息がもれました。
    秋田雨雀はエロシェンコの童話を「美しい悪夢のよう」と評したとのこと。
    そのとおりだと感じます。
    しかし恐怖にふるえる夢ではなく、孤独で淋しくて泣き出したくなるような夢。

    作家の純真な眼差しを通して描かれた物語、さてそこに綴られるのは嘘か真か…

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    ◆収録作品◆ 
    宮沢 賢治 『革トランク』『ガドルフの百合』
    与謝野 晶子 『嘘』『狐の子供』
    エロシェンコ 『ある孤独な魂』ほか3編
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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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