花 (百年文庫)

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  • ポプラ社 (2011年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121559

花 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 百年文庫15冊目は「花」

    収録は
    森茉莉「薔薇くい姫」
    片山廣子「ばらの花五つ」
    城夏子「つらつら椿」

    「薔薇くい姫」が再読。あとは初めて読む作家さん。

    それにしても「薔薇くい姫」のあざやかなこと。熱を帯びたおしゃべり文体が素晴らしい。「怒りの薔薇くい姫」って現代アーティストみたいじゃないか。モリマリは当時どんな扱いだったのだろう。一歩間違うと「こりん星」とかになりそうな感じも孕んでいるが… 比べるものが変か。

    片山廣子の短い文章は「燈火節」という随筆集に入っているらしい。少し前のエッセイストさん(?)についての自身の情報が乏しいなあと思った。解説を読んでると、芥川の「或阿呆の一生」に廣子さんが出てくるのだとか? これも再読要だ。堀辰雄の作品で片山母娘がモデルになっているものもある、と書いてありますます興味が湧く。

    城夏子も散文も面白く読んだけど、解説で触れられる生涯も興味深い。少女小説の人なんだな。少女小説ってマーガレットコミックスみたいなもんなんだろうか。違うか。

  • 花をテーマにした三つの小説。どの作品も素晴らしい。森茉莉の「薔薇くい姫」がたまらなく好きだ。天衣無縫に生きる文豪の娘と世間の折り合いの悪さが、ユーモラスで耽美的な文体で描かれる。片山 廣子の「ばらの花五つ」は短いけれど深い余韻の残る作品。作者の凛とした生き方が伝わってきて、こちらの背筋を伸ばしたくなる。城夏子の「つらつら椿」は和歌を効果的に使った作品。不器用に生きた父に対する作者の哀惜の念に胸がいっぱいになる。作中でさり気なく描かれる椿が、鮮やかな映像となって脳裏に刻まれた。

  • 1/20 図書館
    森茉莉さんの作品を読んでみたくて借りてきました。
    「薔薇くい姫」
    微妙に改編された名前の作家さんたちに「これは…誰だ…!」と考える
    わりとすぐわかるひと(白愁=北原白秋、朔二郎=萩原朔太郎)、文脈からしてこの人だろうとわかるひと(母呂生貂生=室生犀星、中井紅風=永井荷風)、言われなきゃわからないひと(真嶋由之=三島由紀夫)
    文壇に詳しければ問題なくわかるのかしら…

    「ばらの花五つ」片山廣子
    6ページの短文。馬込を散歩中に、ばら園でばらを買った思い出を綴った随筆。

    「つらつら椿」城夏子
    おはなしとしてはこれがいちばん面白かった。

  • 森茉莉という女性は、あたりまえのことを、あたりまえに表現することができる稀有な作家かもしれません。

    学を衒うことなく、ただただ感じることを、ありのままに、素直に、読者に伝える。

    少女のように幼気な心を蝶々のようにアチラコチラと遊ばせている文章は、一見、支離滅裂ですが、一貫して描かれるストレートな感情表現は、例えそれが恐怖や怒りという負の感情であっても、終始「健気さ」をまとっているという不思議な作品です。


    だから、

    「これは…文章へたくそ…とか言っちゃいけないんだな、きっと…(白目)」

    となってしまった私は、少女の心を忘れた哀れな女なのでありましょう。かなしい。

    少女漫画も斯くやの森茉莉ワールドにあまりにエナジー吸い取られすぎたので、後半2作は読めず。百年文庫、出だしから怪しい雲行き…。

  • 森 茉莉『薔薇くい姫』
    片山廣子『ばらの花五つ』
    城 夏子『つらつら椿』

  • このシリーズの文庫揃えたい。短くて面白い小説をたくさん読みたい気分。
    森茉莉目当てだったけど、残り二人の作品の方が好きだった。

  • 薔薇くい姫は、魔利の卑屈な矜恃がみてとれるようです。
    というか、森茉莉自身のことについて語ってると思うのだけれど、
    自分で姫っていうあたり森茉莉らしいというか…
    怒れる薔薇くい姫なのだ、ってどこも卑下してないですし。

    周りに当てにされない、存在を気にかけられないっていうのは、身につまされます。
    自分もそうだった…

  • 森茉莉『薔薇くい姫』、忙しく草臥れた時の散歩の途上、新しく出来るばら園で大輪の薔薇5つと咲きかけの桃色の薔薇2つを買った思い出を綴った片山廣子『ばらの花五つ』、男盛りの頃に失明し親戚にお金を無心して相場に手を出す和歌山の父の元で暮らす「私」。父の初恋の相手が訪ねてきて昔父との出来事や送られた歌を語り、そんな父を愛おしく思える様になる城夏子『つらつら椿』の「花」がタイトルについた3編。『薔薇くい姫』は再々読なので詳細は割愛するが、怒れる薔薇くい姫の文章を読むとワタシは本当に森茉莉の文が好きなのだな、と思う。

  • 森茉莉の「薔薇くい姫」が一番好きです。
    文章の隅々まで美しい言葉で描写されていて、軽く読み飛ばすのではなく文章の美しさをゆっくりゆっくり味わいながら読む、という感じでした、

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花 (百年文庫)の作品紹介

いつも子どものように扱われ、心に怒りの種を秘めている魔利。日常の小さな理不尽を独特の感性で描く森茉莉の快作『薔薇くい姫』。大輪の花五つ、咲きかけた桃色のつぼみが二つ。「私」をやさしく見守る、丘の上のばら園の思い出(片山廣子『ばらの花五つ』)。相場に手を出し、親戚に無心して暮らす父のもとを初恋の相手が訪ねてきた。悲しみの記憶から静かな情愛がたちのぼる、城夏子『つらつら椿』。女性作家が描く、花をめぐる物語三篇。

花 (百年文庫)はこんな本です

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