惚 (百年文庫 82)

  • ポプラ社
3.00
  • (0)
  • (2)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121702

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 斎藤緑雨「油地獄」(1891)。長野から上京し、方角を志す学生が、ふとしたきっかけで芸妓に入れ込んでいく様を描いている。「縁が不思議のものなら、ほれるは一層不思議だ」頭でっかちで、しかし、その方面はとんと弱い若者の心のうちを事細かに描写している。
    田村俊子「春の晩」(1914)。「幾重は繁雄の手を自分の方にひいて、男の方へ顔を振り仰向けた。」現代にはないつつましやかな描写が目立つ。その実、小説の内容は、思わぬ方面へ向かう。
    尾崎紅葉「恋山賤」(1889)。まるで英語を読んでいるような感覚。字面をおってはみたが、内容が頭に入ってこない文章だった。
    全3編を通して、日本語から失われつつある表現、仮名遣いが散見されて、このような言葉を発掘する楽しみを感じながら読めました。

斎藤緑雨の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×