怪 (百年文庫 90)

  • ポプラ社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121788

感想・レビュー・書評

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  • 『真夏の夜にゾワゾワするお話を3つほどいかが?』

    妖剣の奥義を習得し旅立つまでを描いた【喪神】
    不気味な古い兜の来歴を描いた【兜】
    木曽路の旅籠での不思議な体験を描いた【眉かくしの霊】
    ゾワっとしたい方におすすめ!

  • 岡本綺堂の文章は達意の文章だな。
    泉鏡花の幽霊はそんなに怖くない、むしろ愛嬌があるように思う。

  • 「喪神」
    幻雲斎の剣術のおそろしさ、神がかった様に圧倒される。
    本人の意思を越えたものを感じる。
    その根幹は、己の本能にあらがわないことだ、という。
    克己・犠牲の類こそ邪念だ。
    「人間」という枠を超えた、生物としての強い言葉だ。
    生の根源を否定するな。
    そこにこそ、真の強さがある。
    人の強さは、もうすでに、己の中に備わっている。
    そのような教えが内からにじみ出るように、哲太郎は我知らず秘儀を身につけたのだ。

    「兜」
    物になにかが宿っている、読むに従い、その気味の悪さがじわじわと広がっていく。
    第三者の語り口を通じているので、感情がきつく描写されているわけではないが、だからこそ、かえって、ひやりとした空気が強調される。
    面白かった。

    「眉かくしの霊」
    昔の話と現実、いくつもの対比が入り乱れる。
    妖艶で、つめたく美しく、おそろしい。
    流れる水のような文章から、何かが霧のように湧き上がってくる。
    しかし、その霧の中から、思わぬむき出しの爪が迫るかのような、迫力がある。
    泉鏡花らしい作品だ、と感じた。

  • 不気味な話ばかりですごく好みだった 
    個人的に好きなのは最初の話 
    夏になるとこういうの読みたくなるんですよねえ

    五味康祐『喪神』
    岡本綺堂『兜』
    泉 鏡花『眉かくしの霊』

  • 岡本綺堂「兜」兜の来歴の気味悪さといったら…とても面白かったです。

  • 五味康祐『喪神』
    岡本綺堂『兜』
    泉 鏡花『眉かくしの霊』

  • 実はどの作家も初めてv
    泉鏡花は昔読もうとして、借りるか借りるまいか悩んで最初のページ読むも、いまいち気分が乗らなかったのでやめた経緯あり。
    収録されてたのは「眉かくしの霊」なんですが、ラストの一行が青白く寒々しくて素敵でした。
    前半があんまり?いらないかな、という気もするけれど。
    読む物に困るときはやっぱりこの文庫を潰していくと、いい感じの長さのいい感じのものにあたりそうです。

    装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    初出 / 『新潮』1952年12月号、『週刊朝日』1928年、『苦楽』1924年。
    底本 / 『秘剣・柳生連也斎』(新潮文庫)、『日本幻想文学集成23 岡本綺堂』(国書刊行会)、『高野聖』(集英社文庫)

  • 『喪神』 五味康祐

    『兜』 岡本綺堂

    『眉かくしの霊』 泉鏡花

  • 読んだことのない類の怪談三編。
    五味康祐「喪神」、読み手の期待を裏切らない結末。
    岡本綺堂「兜」、回りまわって伝えられる兜の謎。
    泉鏡花「眉かくしの霊」、情景の想像をするのが難しく長い話だが、最後、一気におもしろくなる。

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