(098)雲 (百年文庫)

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制作 : Thomas Mann  Jens Peter Jacobsen  Georges Rodenbach  野田 倬  高橋 洋一  山室 静 
  • ポプラ社 (2011年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121863

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(098)雲 (百年文庫)の感想・レビュー・書評

  • トーマス・マン『幸福への意志』
    ローデンバック『肖像の一生』
    ヤコブセン『フェーンス夫人』

  • 漢字1文字にちなんだ古今東西の名短編を集めたシリーズ。読みやすくて、手軽にいろんな作家を楽しめます。「森」「響」「娘」「雲」「都」がオススメ。百冊読破が目標です…

  • 時代背景や風景がすっとイメージとして入ってこない海外の短編は
    意外と難渋する。

  • 百年文庫3冊目は「雲」

    収録は
    トーマス・マン「幸福への意志」
    ローデンバック「肖像の一生」
    ヤコブセン「フェーンス夫人」

    昔、本を読み出した頃のマイガイドの一つに桑原武夫「文学入門」があった。今となっては、そこに書かれている内容はとても時代には合わないようなことが書かれていたのではなかったか、と懐かしく思いだす本であるが、その本の末尾にある世界文学50選は、私にとってこれを制覇したい、というリストとなっていたのは確かである。私がとりわけ印象深かったのは、そこにスカンジナビア文学とカテゴリ分けがされ、ヤコブセン「ニイルス・リイネ」とビョルンソン「アルネ」の2点が取り上げられていたことである。

    学生時代は岩波文庫のような外国文学を最も読んだ時期だったと思うのだけれど、このヤコブセンやらビョルンソンといった作家はなかなか重版などにもかかってなかった記憶がある(そもそも岩波に収録されていたのかも未確認だが)そのせいで逆に、これらはどういう作家なのだろうという思いを少し残すことになった。

    今回ヤコブセンを初めて読んでみて「こういう感じか」と思ったと同時に、桑原武夫の「文学入門」に書かれてあった50選以外の内容も思い出されてきたのである。確か「文学入門」の論調は海外文学(世界文学全集に入るような作品と言い換えてもいいかもしれない)に偏っていたので、そのことが言外に日本の文学は、世界文学と比べればとても狭くて深さもない(そんなことは書いてなかったとは思うが)とまるで言っているかのように読んでいて受け取った自分がいたのだった。

    今回の3編は桑原武夫が称賛するのではないかと思えるような「文学」が集められている、と感じた。人生とか愛といったものに真摯に向き合い、崇高な判断や行動を選びとっていく登場人物たち。私が世界文学に抱いていた原初のイメージを彷彿とさせるような小説群である。

    かつては、このような文学を読んで人生について語り合う、というような場が形成されていたのだろうか。

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