統ばる島

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 293
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591123928

作品紹介・あらすじ

祭の島、竹富島では、女は踊り男は狂言を舞う。最南端の波照間島では、さらに南にあるという、伝説の楽園を目指す娘がいた。八重山諸島の八つの島々にはそれぞれ異なる色、唄、物語がある。そしてすべてはひとつに織り上げられていく。

感想・レビュー・書評

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  • トロイメライの続きが読みたいなー。と思って、本屋に行くと本書を発見。何も考えずに購入しました(笑)

    最近、池上作品は琉球王朝時代が続いていたのですが今回は一気に現代へ。八重山諸島の島々伝わる話を、現代版に置き換えファンタジックであり、八重山のリアルでもあるような。日常にあるファンタジーというような作品です。

    沖縄の人なら知っている元ネタがたくさんあり、読んでいて楽しかったです。
    もちろん、そういう事を知らずに読んでも楽しい作品。

    各島々がタイトルになったオムニバス形式の小説。

    気に入った小説は何度も読み返す方なので、一度目は一気に。二度目は寝る前に、一つ一つ読んでいました。
    三回目に読み終える事には、石垣島への旅行を考えていました(笑)

    特に好きなのが与那国島編。池上さんのレビューを合わせて読むと、またこの物語の面白さが深まるかも。
    『ナツコ 沖縄密貿易の女王』http://www.bunshun.co.jp/yonda/onnakaizoku/onnakaizoku.htm

    それにしても、自分の地元をこんな風に書き上げる池上さんに感謝。

    • tetsu555さん
      こんにちはhikaru0326さん、花丸ありがとうございます。池上永一氏の本って島への愛情たっぷりでとても心地い楽しさがありますよね♪私も大...
      こんにちはhikaru0326さん、花丸ありがとうございます。池上永一氏の本って島への愛情たっぷりでとても心地い楽しさがありますよね♪私も大好きです。
      2011/07/01
    • hikaru0326さん
      tetsu555さん、コメントありがとうございます。池上作品は、癖はありますが読んでいて景色が浮かんでくる作品が多くて、好きなんです。最近は...
      tetsu555さん、コメントありがとうございます。池上作品は、癖はありますが読んでいて景色が浮かんでくる作品が多くて、好きなんです。最近は、ますますまとまりが上手くなってきて、これからも楽しみな作家さんですね
      2011/07/22
  • 八重山諸島の各島を題材とした短編を、最後の短編で関連付けた連作もの。最初から結びつけることを想定していなかったためだろうか、時代が違うものや、作者としてはホラー色と性描写色の強い異色作が混じっているが、その他は、総じて現在も島という孤立した社会で、自然を神とする、決して物質的には豊かではないが、心が豊かな人々の暮らしを描いている。現代ということで、いつもの様なハチャメチャな人物造形の女性(もしくはオカマ)は出てこないのが、若干、さびしいが、東大出の女教師や女海賊のオバア等に通じるものがある。相変わらず、破天荒な彼女達の活躍は痛快である。読んでて楽しい連作であるので、お勧めしたい。

  • 八重山諸島は石垣島の分影・・・石垣島(イシャナギゥ)を親島に紡がれていく八重山諸島八島のお話です。池上永一氏の手にかかると八重山の神々はお茶目で人間臭い、そして八重山の風土と魅力がワハハと綴られている、それぞれの子島のお話は八重山人の土地柄や性格が素朴に書かれていて読む側にも八重山方言の ”だからよ~” と言う感覚がよくわかります。竹富島(タキドゥン)波照間島(パティローマ)小浜島(クモー)新城島(パナリ)西表島(イリウムティ)黒島(フスマ)与那国島(ドゥナン)、島々の神と信仰には八重山のシャーマン文化そしてシャーマニズムが島歌の歌詞と相まって、なんともいえない南島の独自の雰囲気を楽しむことができました。中身はタイトルの ”統ばる島” そのものでした 。

    読後感=ムムッ・・本作には謎の人物 ”北崎倫子”が出てない・・”ダカラヨ~” ・・・・

  • 八重山列島で巻き起こる出来事を描いた物語。

    それぞれの島で、様々な出来事があたかもそれぞれ独立して起きているように見えますが、最後に「あ!」という事になりますw

    今の出来事、昔の出来事、いつの出来事かわからない出来事、いろいろ置きますが、最後にはまとまるんですね。

  • 現代沖縄の離島を舞台とした短編集。(一話だけ、過去の沖縄の話がありますが)一番よかったのは小浜島の話。育てた子供は高校生になれば巣立ち、四人も産んでも全員がもういない。もう全員が一緒に暮らすことはないのだろう。家族に区切りをつけるため、ある行事をすることを決意する主婦。「きれいにすること」が好きな主婦がパートをしていて、いろいろなものをきれいにしていき、そして……という流れがきれいで、かなしくて、面白かった。今までの話と違い、かなり「ふつうのひと」が主人公なことが多いのが特徴かも。「与那国島」の離島を繋ぐ役割、というのも面白かった。

  • 八重山諸島の島々を舞台にした連作短編集。昔の話から現代の話まで、いずれも島の神の神威や人魚などの異族との交流が日常生活とシームレスのように描かれます。島での祭事の描写もふんだんにあり、神様との距離感が本当に近い。軽いタッチですが、八重山諸島のただならない聖域感が伝わります。本土では味わえない雰囲気がこの小説の魅力です。

  • これで、何冊めかの池上ワールドです
    大体設定は理解できるのでとても楽しく読めました

    短編集は、物足りない感じがするんですが
    今回は、その世界にすぐ入っていけたし
    読み応えもあってよかったです

    沖縄の人々が皆こんな感じかというと?
    フィクションということを覚えておかなきゃ(^_^);

    ザンのことは、少し怖い感じだったけど
    オバァのお供えに喜んでいるのを想像すると微笑ましいですよね(^_^)

  • 図書館で。
    八重山諸島それぞれのお話。ちょっと不思議な、でも懐かしい感じがおとぎ話に似てもいるけれどもその雰囲気がいまだに存在しそう。石垣島と竹富島には行ったことがありますが海が綺麗だったな。

    最初の芝居が人生、というのも中々衝撃的でしたが最後の人と人を繋ぐ石垣のユタの話が面白かったです。知らない所で繋がっているのは人の世界も、霊的な世界も一緒なのかもしれない。骨を洗う、というのは壮絶なものを想像しますがこんな風に穏やかなのかなぁ。そういえば台湾の方も洗骨の風習があると聞きましたが確かにあちらにしてみたら日本列島よりも台湾や大陸の方が近いのかもしれないですね。

    ジュゴンの話は寂しい話でしたが中々面白いお話揃いでした。やっぱり沖縄が舞台のお話は際立っていますね。今度またエッセイを借りてこようかな~

  • 八重山の島の話なので、思い出せて面白かった。
    現代ものなので、こんな感じかぁ。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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