小心者的幸福論

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著者 : 雨宮処凛
  • ポプラ社 (2011年3月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591123959

小心者的幸福論の感想・レビュー・書評

  • 極度の小心者を自負する雨宮処凛が自分が日常を穏やかに暮らすための色々な考え方のコツみたいなのを書いてるのだけど、書いてあることがけっこう適当で「おい、それはどうなんだw」とかツッコんでしまうようなとこがあった。 細かいポイントで批判を挙げていくとキリがないので、重要だと思われるところをいくつか述べたい。

    (この本の良かった点はレビューの下の方に書いてあるので、そちらが知りたい人はちょっと飛ばして読んでください)

    まずいちばん気になったのは、「泉ピン子(ドラマ内の)に焦点を合わせて生きる」という章。これは、「渡る世間は鬼ばかり」や「おしん」などのドラマで悲惨な目に遇っている泉ピン子を見ることで、自分の幸福度の基準が下がり「あー、自分はこんな風な目には遭ってないし、しあわせだなぁ」と思える、という話。

    いやいや、まぁ確かにドラマ内の他人を見て、自分の幸せを確認すること自体はいいけど、実はこれを実際の世界の「悲惨な他人」に向けてやってる人って沢山いるんじゃないのか。

    よくある話で言えば、「アフリカとか発展途上国の人たちは、戦争や飢餓で苦しんでいてかわいそう(だから先進国・日本で平和に暮らす私たちはしあわせ)」とか、「仕事が大変でつらいけど、それでもホームレスになるよりはマシ」とかいうライフハック。

    新自由主義は、貧困者に懲罰を与え、見せしめにすることで労働規範や社会の秩序を維持しているわけだし、こうした価値観を内面化することで、日々のつらさを正当化している人は、日本ではたくさんいる。これは、「より悲惨な人ばかりが問題として注目されるせいで、比較的度合いが大きくない問題が問題として認識されない」という「犠牲の累進性」と呼ばれる問題である。そんなことは、反貧困運動に大いにコミットしている雨宮に指摘するまでもないと思う。けど、ここで書いてあることって、結局それじゃないの。

    雨宮の方法は、その対象がドラマだからいいのだけど、もし「ホームレスになりたくないから、ブラック企業だろうがしがみつく。それでも幸せです」と大真面目で言う人に会ったら何といえばいいのか。雨宮処凛がその時「そういう思考、幸せのためには大切だよ☆」というとは思えない。

    というか、もっとハッキリ言うと、日々を穏やかに暮らすために幸福のレベルを下げるから、いつまで経っても日本人の人権意識は向上しないし、貧困を問題として捉える意識も共有されないのではないか(「おしん」なんて、それこそ清貧・勤労礼賛装置だし)。あれ、日本の若者は幸福度が高いとか抜かしてる、某若手社会学者の言葉が頭に浮かぶ…

    この章への批判は、その後の「「どうでもいい」を味方にする」という章への批判ともリンクしている。「そういうアパシー(無関心)が、日本社会に諦念を生んでるんじゃないの」って言いたい。これじゃ、「世の中に希望を持って、変えていこう」って言えないじゃん。「自分を無理やり正当化する」という章も、実はものすごいブラック企業で働きながら、「でも自分は仕事がすきだから」っていうような人の姿とオーバラップしてしまう。

    もちろん、バランスの問題だとも言えるから、僕も雨宮のやり方を全否定するわけではない。

    まぁ強く批判を書いたけど、でも僕はこの本は基本的には楽しんで読んだし、参考になったところも色々ある。特に、「雨宮処凛て社会運動とかやってるのに、けっこう書くことテキトーなんだな」って(いい意味で)思って、なんか安心した。

    個人的におもしろかったのは、「治外法権な存在として生きる」という章で、ロリータ・ファッションに身を包むことのメリットを書いていたところ。ゴスロリだと、第一印象が最悪になるので、その分当たり前のこと(あいさつするとか、幼稚園児レベルのこと)をしただけで... 続きを読む

  • 巷にあふれている「処世術」みたいな本は苦手だし、特にそれが「かつては負け組だった私が如何にして成功したか」みたいな話だと結局自慢話かよ・・と思ってしまう。そこら辺の話は斉藤 環さんの「心理学化する社会」でも取り上げられていたけど・・、トラウマ語りが流行するってのはやっぱり社会が病んでいるんでしょうかね。 雨宮さんの場合物書きとしては成功したけど、立ち位置としてはゴスロリファッションという鎧を着たプレカリアートの女王ということで、ある意味誰にでも推薦できる幸福論かというと微妙なところもある。
    結局のところ他人の承認がないと幸せになれないってところがやっぱりポイントかな、と思います。相互の存在を生きているだけでrespectできる社会ってのは無理なんでしょうかね。

  • 良い意味で違った視点で考えられて良かった。
    ゆるく自分を甘やかし、正当化することも時には必要ね。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】914.6||A【資料ID】91110444

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  • 極端だが、強烈なリアリティの溢れるエッセイ。

    (エッセイ、でいいのだろうか)

    時に爆笑し、時にだまりこくって読んだ。

    筆者、およびその周囲がいろいろな意味で究極的すぎるのである。
    良かれ悪しかれ、といったレベルを超えているため、内容に関しては「いいから読め」としか薦めようがない。

    本書は雨宮処凛の社会的関心は比較的なりを潜めており、もっぱら自らの半径5メートル以内のことについて書かれている。

    …いる、のだが。

  • 強烈。

    世の中には様々コンプレックスやら恨みやらマイナスの気を抱えてたり、自己肯定感が低かったり、いっろんなひとがいて。
    大人だからこうならなきゃいけないとか、こうあるべきとか、そんなのは思い込みで、信じられないような大人もいて、生きていて、それでいいんだっていう。

    わたしは狭い世界である意味幸せに生きているんだなあ、としみじみ感じた。
    もっと視野を広く、楽に、生きていっていいんだ、て思った。

  • 作者様は自由人に見えてなかなかどうして苦労人。

  • さすが雨宮さんってことですかね。「死にたい」と思いながら30数年生きた来た証がここにあると思います。人それぞれ、幸福論はあると思うんですよ。生きているんだし、幸せを感じようと感じまいと「幸せ」について考えた事はあるのですから。十代の頃に読んだらまた感想は違うんでしょうが今の自分は納得というか共感の一冊でしたね。「こんな大人もいますよ」的な感じで悩める若者にも読んでもらいたいですね。たぶん、一般的な大人はダメな内容でしょうが(笑
    只今リアルに衆議院選挙開票が続き、日本の今後がメディアで訴えられてますが、そんなことには関係なくゆる~い感じで読んで「幸せ」に近づけたら良いではないのでしょうかね!(あっ、投票には行かんといけんよ!)
    たぶん幸せにはなれなくても「楽」にはなれると思いますよぉ~

  • いじめ、リスカ、右翼、左翼、北朝鮮、イラクと過激な経歴を歩む筆者の小心者心得。
    イラストやタイトルからもっとおちゃらけた内容かと思ったが、案外まっとうに語ってるのも多く、はっちゃけた内容を期待した私にはちと物足りなかった。

    【図書館・初読・3/21読了】

  • 12/01/25読了

    読みやすくて面白かった。特に泉ピン子の項。

    「ヒマ?」って聞かれたら「ヒマじゃない」って答えます。YouTube見たり、ラジオ聞いたり何かしらやる事はある。

  • 「意識の高い」生き方に違和感を覚える人、素直にしか生きれない人、表現に悩んでる人にオススメの本。雨宮さんの講演に行きたい。

  • 猫の話と山崎百郎とか変な親戚の話とか
    面白いと思いましたけど
    アンチの話聞くと凹んでしまう。
    しらけてしまう。
    当たり前か。
    バンギャという親近感だけなんかな?
    いい感じと思うんですけど

  • なかなか面白かった。
    なんと言ってもこの方の生き方は参考にならない。
    こう書くと語弊があるけれど、こうやって生きやすい方法を見付ければいいのかと思った。
    特に、張り合っても意味のないような人を友達にするっていうのにはなるほどと思った。
    確かに、同じような境遇の人だとどうしても比較してしまう。
    比較しようのない人だったら理解することが不可能だから比較して悲観的になることなんかないのだと思った。
    生き難くしているのは、結局自分自身なのだ。
    ぜひ小心者さんには読んでもらいたい1冊である。

  • 彼女の説く「幸福論」はある種独特で、誰もが誰も彼女のように生きられるわけではないんですが、参考にできるところは少なくないのではと思っています。

    僕がよく『ストライクゾーンが広い』といわれるのは『生産性第一』と声高にいって、バリバリと仕事をしている女性のことを記事に書いておいて、彼女の本も同じ俎上に挙げて書いている、というのがその理由のひとつではないでしょうか、なんて勝手に考えています。僕も彼女と同じく『生産性』と『コミニュケーション能力』という言葉が嫌いです。もちろん、それが必要なことはわかっていますし、そのために現在自分のすべてをなげうって血道をあげているのですから。

    でも、自分の中にあんまり生産性生産性というものなぁ…。と考えているのもまた事実でございまして。この本では彼女自身の体験を通して、「だめ」でも「役ただず」でもどうにかこうにか開き直り、できるだけ「楽」に、幸せに生きていくノウハウや誰もが今すぐ実践できる、一生モノの幸福論がこの本の中に書かれております。その中でも「ゆるく生きている人に学ぶ」や「キャラを変え、むりやり行動的になる」など、個性的極まりない人生体験から導き出された彼女なりの「答え」がすごく滅茶苦茶なんですけれど、それがたとえようもなくいいんですね。

    彼女が書いている文章に「共鳴」できるということは、やっぱり自分の中にも彼女と同じようなものがあって、それが社会生活を営む上で激しくマイナスに響くこともあるんですけれど、人間バランスが大事で、こういう感性も持ちつつ、生きて働いて、遊ぶ、というのが、一番いいのではないかと思う昨今でございます。

  • この本を手に取った時点で、「自分はやっぱり小心者なんだ。」と再認識させられましたね~。

    面白おかしく描かれているのですが、内容は至ってシビア。
    「どうしたら生きやすくなるか」をこんこんと綴った1冊。
    かなり「うん、うん。」と納得させられました。
    疲れた心の特効薬…になるかな~??

  • 小心者ってなんでしょう (*_*)?

  • 「生きづらさ」と戦い続け強烈な体験を持つ30代女子のエッセイ。世の中にはこんなムチャクチャな人がいてそれなりに生きているのだと思うと、もっと世の中に生きていける、というメッセージ。

  • これまで気持ちが弱ったときに自己啓発的なものから心の処方箋的なもの等色々読んできましたが、本書を読み終えた時が一番心が軽くなっていました。図書館で借りて読んだので手元から離れていくのが惜しい。購入しようかな。ただ、橋田すが子のドラマだけはまだ見る気になりませんが。

  • うーん。うらやましい。

    この一言に尽きる。

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