- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124062
作品紹介・あらすじ
いいなあ、おとなは、なんでも見ることができて…。でもね、こどもにしか、見えないものもあるんだよ。それはね…。
感想・レビュー・書評
-
まだ「子ども」である女の子は身長が低くて高い位置にあるものが見えない。けれどある日の夜、家族で家に帰る途中で大人たちには「見えない」ものを見てしまう。
中盤くらいまでは女の子が行列とかお店で料理している様子を見たいのに見れないという歯痒さを感じている絵が描かれる。どのページも人でゴミゴミしている様子があり、しかしそういう「誰でもない人たち」を丁寧に描いているところには好感を持った。だからこれは、子どもたちに対して「大人になると色んなことが見えてきて楽しいよ」というメッセージなのかと思いながら読んでいたのだけど、きつね火に遭遇してからは話が一変する。
家族で出かけたどこかからの帰り道。きつねの嫁入りとすれ違う場面。間違いなくこの絵本で描きたかったのはこの場面だろう。きつねたちの生き生きした姿が魅力的で、女の子が彼らに釘付けとなるのもよくわかる。対してお父さんとお母さんはきつねたちの姿が見えていないようで、子どもたちを見て微笑んでるだけ。うん、良いシーンだ。
大人になることの魅力、ではなく、「子どもである今しか見えないものがあり、いまの感性を大事にしてほしい」というメッセージに感じられた。
ただ、女の子が魅入られすぎて若干の危うさも感じたな。きつねたちは危険なものではないのかもしれないけど、弟めちゃくちゃ怖がってたし、ちょっと女の子の行く末が心配にもなる。
なんて、きつねをアイコンにしてるような奴には言われたくないかもしれませんが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はやく大きくなりたい。だって小さいと、めいっぱい背伸びしても見えないものがたくさんあるから。でも、子どもだから見えるものも、たくさんある。
夜の川岸で歩いていると、向こうから見えてきたのは狐火。そこから狐の大行列が続きます。柔らかな線と色使いで描かれた狐たちは表情豊かで子どもたちと読者を惹きつけます。それはまるで白昼夢を見ているような気分。不思議な世界に浸りたい時に。 -
伊藤遊 作
岡本順 絵
ポプラ社 (2011/4)(ポプラ社の絵本)
そうだね、見えなくなっているものいっぱいあるね
絵がやわらかくてなつかしい世界へ連れて行ってくれました
橋のきつねがいいですね
≪ 見えていた? それも忘れて 歳をとり ≫ -
3分06秒。「目線」を巧みに描く。あぁ、私にもきっと見えないものが増えてしまったんだろうな。子どもの感性をうらやましく思う。
「狐の嫁入り」お天気雨の時に思い出せそう。 -
NHKの『怖い絵本』で紹介されていました
-
大人にしか見えない景色。
いいな、いいな。と思っていたけど、子供にしか見えない、不思議な世界もあるんだよ
七五三の季節から始まり、狐が登場したのは、
夏のよる。
夏の怖い話に読んでもいいかな〜 -
大人には見えないものが、子どもには見える時がある。
というか、子どもにしか見えないものがある。
そういう絵本。
絵がものすごく好み!
きつねが、素晴らしく素敵だ。 -
視点の移動が見事で、映像をみているみたい。
こんなこと、あるかも、あったらいいなあと自然に思わせてくれる、少し不思議な余韻の残る絵本です。 -
デザイン/宮本久美子
-
早く大きくなりたい女の子が、子どもだからこそ見えるきつねの世界に出会う・・・・きつねのお祭り、嫁入りが美しい。