- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124130
作品紹介・あらすじ
瑠香の発案により、商店街のイベント『キラキラ祭り』の「マジックショー」に参加することになった元たち5人。
さっそく、夢羽の家に集まって出し物を相談。みんなそれぞれが練習を重ねて、緊張の当日を迎える。
同じ日、イベント会場で中学生トランプ事件も急展開。果たして、マジックショーと事件の結末は!?
朝日小学生新聞で連載された大人気シリーズ最新作の〈下〉巻!
感想・レビュー・書評
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“「わ——、小林く——ん!!」
「きゃーきゃーきゃー!!」
女子たちの黄色い歓声である。
何事か?とふたりが振り向いて見たが、なんてことはない。タキシードを着こなした小林が、ただステージに登場しただけだった。
なんだよ、なんだよ、あれは。
ついさっきまで完璧無視だったのに!
むーっとしている元だったが、ステージ上の小林はたしかにすごくかっこよくて、まるで本物のマジシャンのようだった。”
小林くんは本当羨ましいなぁ。いい性格してるし。
桐山亨がさらりとイケメン。
“「中西とちゃんと話してみればいいのに」
瑠香がぽつりと言った。
みんなが黙っているので、
「だ、だって、ちょっとした誤解かもしれないじゃない?そんなに仲良しだったんなら。話してみて、わかり合えることかもしれないし」
と、付け加えた。
「たしかにそうかもしれないけど、なかなかね。むずかしいもんだと思うよ。言いたいことがうまく言えない人もいるし」
小林が言う。
元も同感だった。昔、仲が良かった友達ならなおさらかもしれない。言いたいことはいっぱいあるだろうけど、それをうまく伝えられない。そうやってくうちに、どんどん時間ばかりが過ぎていって、ますます話づらくなっていく。
そういうこともあるだろう。”