快晴フライング

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 327
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591124178

作品紹介・あらすじ

主将を交通事故で亡くし、勢いを失った弓が丘第一中学水泳部。やる気のない顧問の教師から廃部を詰め寄られた代表選手の龍一は、「水泳部を再建して、メドレーリレーで大会優勝してみせる」とタンカを切ってしまう。けれど残っていたのは、飛び込みも息継ぎもできないような、ダメダメ部員ばかり。メンバー集めに奔走する中、人魚のように泳ぐ謎の美少女が彼らに希望をもたらすが…。大人と子供、ジェンダーの壁にぶつかりながら、痛みとともに成長していく新たな青春小説の傑作。第5回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • マカン・マランのシャールさんの強烈な個性と素敵なお話に心を鷲掴みにされたので、初登場であるこちらを読みました〜♪
    古内さんのデビュー作ということで、「銀色のマーメイド」としても発刊された作品です。

    主将・タケルを交通事故で亡くした中学校水泳部。
    彼の実力と統率力、人望で創部、存続ができていた水泳部は彼の死によって廃部の危機に!

    実力はあるが自己中な幼馴染の龍一とタケルの死を乗り越えることのできない敦子は次々と辞めていく部員に頭を悩ませます。

    わずかに残った部員はアニヲタ、芸人かぶれのお調子者、泳げないデブ…
    メンバーのキャラも個性的で素敵‹‹\(´ω` )/››

    そしてなんといっても孤高の美少女で龍一のクラスメートの「エリカ様」
    市民プールで人魚のように泳ぐエリカを水泳部の救世主だと勧誘するも断られるのですが…

    揺れ動く中学生達の色々な悩み、友人の死、トランスジェンダーと言う難しい問題に個性的な部員達やシャールさんという存在が悲しいだけじゃない暖かな素晴らしい作品にしていたと思います♪
    まわりとの関係、親子の問題などちょっと理解が寛容すぎて現実はそんなに甘くないとは思うけど、これはこれで青春小説と考えます。

    この夏オススメの一冊ですよ〜\(//∇//)


    • 1Q84O1さん
      土瓶師匠、ほんとは乙女の本棚シリーズ興味あるんですよ!
      あるんですが…、さすがにあれをリクエストする勇気は私もないです(;・∀・)
      土瓶師匠、ほんとは乙女の本棚シリーズ興味あるんですよ!
      あるんですが…、さすがにあれをリクエストする勇気は私もないです(;・∀・)
      2023/08/15
    • みんみんさん
      絵本だと思って\(//∇//)\
      絵本だと思って\(//∇//)\
      2023/08/16
    • 1Q84O1さん
      (ヾノ・∀・`)ムリムリ
      (ヾノ・∀・`)ムリムリ
      2023/08/16
  • 良い本に出会えた。

  • わーい、シャールさん初登場作品、やっと図書館で会えました! しかも、長編! 
    シャールさん目当てで借りたのは否定しませんが、水泳部のみんなの曲者ぶりと頑張って泳ぐ姿が素晴らしいストーリーです。柳田センセとジャダさんにも会えてますます嬉しいな! 

  • フォロワーさんに教えてもらった、快晴フライング。
    大好きなマカンマラン、シュールさんに再会したくて手に取ってみた。
    銀色のマーメイドを探して図書館に行ったが、置いてなく取り寄せを依頼した。
    後日連絡が入り、改題し加筆修正を加えたのが快晴フライングであると知った。

    水泳部が題材の物語。
    私はカナヅチなので泳げない人の感情に共感できた。
    何と言ってもシャールさんが優しく包み込んでくれる感じがたまらない!

    シャールさんに会いたい方は、是非読んでみて下さい。

  • 青春ものかと思って読み進めていたら

    マカンマランのはじまりの物語でした(^^)



    全然泳げない子たちが
    みるみる力を付けるような話をイメージしてましたが
    (そういう場面もあるけど)
    どちらかというと
    ジェンダーを難なく受け入れる
    変わり者に見える素敵な子どもたちの話


    正直マカンマランとリンクしてなかったら
    星3つかも…笑

    でも久々にシャールさんに会えて嬉しいです(^^)



    あーあの柳田がこの柳田って
    気づかなかった自分!!!
    不覚すぎ!!

  • マカン マランシリーズが大好きだったので読んでみました。
    主将を事故で失いごく少数になってしまった水泳部、それを立て直すために頑張る主人公。水泳部のメンバーがとにかく個性的で面白かったです。

  • 友人の死、水泳部の存続、性同一性障害と中学生にとって、かなりハード事が続々と…(>_<)そんな時、頼れる大人がいると心強い!(^^)「マカン・マラン」シリーズは図書館に入っていなくて躊躇していたけれど、これを読んで噂のシャールさんがステキ過ぎて、お取り寄せしてでも読む!と決意(*^^*)

  • 「マカン マラン」シリーズのいっつも苦虫を噛み潰したような顔ばっかな柳田先生とシャールさんとの再会の話が入っている、というので読んでみた。
    シリーズラストで突然出てきた美青年の中学時代。
    性同一性障害に苦しむ彼と、突然の幼なじみの死による喪失に怒りと悲しみを抱えつつ、水泳部存続に動き出した龍一たちが泳ぐことの喜びや競い合うことに楽しさを見出し、仲間となっていく過程がそれぞれの成長と合わせて読めて、
    気持ち良くなる一冊。
    デビュー作、になるのかな、まだちょっと小説として慣れない感じもあったけど、読み進むうちにそれぞれの必死さが胸を打ち、がんばれーーがんばれーーっと思いながら読んだ。

  • 廃部寸前の水泳部。キャプテンとして復活させた親友の突然の死で、水泳部はまたも廃部の危機に。

    今まで自分さえ良ければと泳いでいた龍一が、水泳部の存続をかけて勢いで言い出してしまい、素人メンバーと共に地区優勝を目指すが、、、

    いろんな困難があって、このペースで、この本が終わるまでにすべて乗り切れるんだろうかと不安になったけど。。。

    母子家庭、父子家庭、トランス・ジェンダー、いろいろ悩みを抱えたり、恋心をもったりで、必死に生きる中学生たち。そして、あんなにバラバラだったメンバーが1つの目標に向かってまとまっていく。

    あぁぁ
    後半、ぐっと惹き込まれて泣き通しでしたわ。
    とても良いお話。


    そして、
    シャールさん、ジャダさん、
    彼ら(彼女ら?)にまた会えたのも嬉しかった( ఠ͜ఠ )

  • マカンマランから飛んで来ました。
    シャールさん、ジャダさん、
    柳田先生、お久しぶり。
    最初、読みづらいかな?と思ったけど、
    終盤、一気でした。

  • 順番としては逆だけど、マカンマランシリーズに関係あるということで読んだ。けっこうシャールさんたちがっつり出てきて、ちょっと嬉しかった。
    こういう青春スポーツものってわりと好きだけど、トランスジェンダー問題についても興味深かった。子どもだと好き勝手にできないから、親の理解を得られないと本当に生きづらいんだろうな。

  • 大好きな「マカンマラン」シリーズ読了後、レスにおちいっていたところ、本書に遭遇!

    ネタバレになるといけないから詳しい事は書けないけど、
    「おしまい」と本書が繋がっていた!

    「おしまい」をもう一度読み直してみたくなった。

    シャールさんにまた会えて嬉しかった〜〜♪

  • マカンマランシリーズの作者さん。この作品は中学校の水泳部が舞台。主将だったタケルが亡くなって、水泳部は部員も減り存続の危機となる。残った部員も、新たに入部した新入生も変わった面々。デブで泳げない少年。ケニアから来た泳げない少年。アニオタの少女など。そこにクラスで孤高を保つ襟香の泳ぎを見たメンバーは彼女をスカウトするのだが・・。

  • 『銀色のマーメイド』からタイトル変わったとは知らずに借りてしまった。
    つい最近読んだのに、また泣きながら読む!!ほんっまめちゃくちゃ好きなお話。
    シャールさん、一中水泳部の面々、先生、三中の人たち、もちろんジャダ。
    素敵な人しか出てこない!!
    本読みながら一緒に泳いでる感じがするくらい水を感じたり、みんなの熱量感じたり。
    感激しながら読めた。
    この世界に生きる人が空気ばっかり読まずに、他の人の心の深い部分を少しでも読めたら…きっともうちょい楽に呼吸ができる人が増えるはず。
    そして、やっぱり何度も思う。シャールさんが大好き。

  • 2019/9/18
    シャールさんに会える。
    シャールさんへの信頼度半端ない。
    もう大丈夫だって思うもの。
    シャールさんいたらなぁってまた他力本願で助けてもらおうとして、ダメだねぇ。
    頑張るから救いの手が差しのべられるんだからな。わかってる。
    でも小説の中に出てきて頑張ってる誰かを助けてくれるだけで私も救われるから。
    また会いたいです。
    マカン・マランの最後に出てきた子はこの子だったんだな。
    またマカン・マラン読みたくなっちゃう。

  • 図書館になくて、探した探した。
    文庫を見つけて読了。
    マカンマランのシャールさんが出ると聞いたので
    読んでみた。
    シャールさんはシャールさんだったぁ。
    廃部寸前の水泳部で、
    中学生が自分の中の様々な思いに気付きながら
    成長していく。

    抱えるものはそれぞれだけど、
    大人になる前の彼らの
    成長は気持ちがいい。

    頑張れと応援したくなる。

  • シャールさん脇役なのに主役食っちゃってる(´⊙ω⊙`)

  • 青春ど真ん中。龍一はあまり好きじゃないキャラだなぁ…と思った中盤まで。こんなメンバーで大会とか無理だし、そもそも水泳部としても成り立たない、と思うのにそこは何とかなるお話の中♪シャール登場で一気にテンションあがって、物語も面白くなるわけで。マカンマラン読まれてからをお勧めしたい☆苛める子って…親は、家庭はどんなんなんだろう。と素朴な疑問。親友の死を乗り越えて、どうしようもなかった柳田先生も龍一も、個性豊かな水泳部のそれぞれも。みんなみんながハッピーな終わりに大満足です。

  • 『マカン・マラン』のレビューで紹介されていたので出会えた一冊。sateさんありがとう!

    水泳部の部長で、部員たちの精神的支柱だったタケルが、交通事故で亡くなった。
    タケルの幼馴染で共に水泳部員の龍一と敦子には、退部していく後輩たちを留めることが出来ず、水泳部は廃部の危機に。
    徹底して個人主義だった龍一。そして、タケルを喪って以来、常に喪章をつけていた敦子。そして残った、ろくに泳げない後輩たち。
    水泳部存続のために奔走するうちに、謎のスイマーと出会う。その正体は、龍一のクラスで孤立している美少女・襟香だったのだが…


    ありのままでいたい、ありのままの自分を受け入れてもらいたいという、人としての欲求と、思春期…とひとくくりにしたくはないけどそうとしか言いようがない…のエネルギーが、綺麗で、眩しい。

    『マカン・マラン』より、少し前のシャール、ジャダ、柳田が登場。
    完璧に見えるシャールも、やっぱり子供だった時もあったということが、しみじみ嬉しい。

  • 同じ登場人物が活躍する『マカン・マラン』を先に読んでいたので
    もう一度会いたいなと思っていた人たちの再登場に心躍らせながら読みました。
    少しでも異質なモノは、容赦なく弾き飛ばす今の世の中で
    救いとなる人や場所を求めている人はたくさんいるのだろう。
    そんな人たちに向けられる作者の暖かい眼差し。。。
    なるほど、マカン・マランのあの癒しの源流は
    ここにあったのか。
    思慮深さよりも熱い思いが先走ってしまうがための、
    青春のフライング。
    前のめりに生きることなど、もうほとんどなくなってしまった私には
    懐かしくて少しうらやましい物語でした。

  • 自分のことしか考えられなかった主人公が、なりゆきで、超個性的で、能力もバラバラな部員をまとめるはめに。そのうちに、他の部員のことも考えられるようになり、部員も成長していく…
    ありがちな筋なのですが、久々にすっきりとしたお話に出会いました。キーパーソンの性同一性障害の少女だけでなく、周りの部員達もそれぞれ抱えているものがあり、それがきちんと最後には納得できるかたちで語られる。
    うまく話が進みすぎやろ!と思う人もいるかもですが、YAには、人を信じられる話を私は求めているので、大好きな本になりました。

  • マカンマランのエピソード0といった感じかな。
    シャールさん達が出ていると聞き読んだのだけど、主に中学生の話だからあまり期待していなかった。
    でも、凄くいい話だった。マカンマランが好きな人にはお勧めです。

  • ちょっと粗っぽく感じるところもあれど、なるほどデビュー作なんだなとポジティブに感じられるのは、全編にわたって前向きな空気が流れてるからかな。

  • 弓が丘第一中学水泳部の龍一は顧問柳田から呼び出され昨年末以来活動休業の水泳部を愛好会に降格させる、残った部員への説得を頼まれた。水泳部存続をかけ都大会より弓が丘杯を狙って成績を残すことに。幼なじみだった水泳部元主将月島タケルは昨年末交通事故で亡くなってバラバラな水泳部はー

    ◆自分が泳ぐことだけ、だった龍一が、イザ降格となったらやる気出してもそりゃついてこないよなー、でも上手くいっちゃうんだろうねぇと思いながらも、お調子者、重量級、トロそうな女子、留学生、美少女それぞれの背景と一生懸命さが熱くなる。

    「銀色のマーメイド」新刊チェックしたらこちらの改題と知ったので。シャールさんはやっぱりかっけぇわ。

  • マカンマランシリーズを読んで、登場人物がこの本に出ると聞いたので読んでみました。長編のマカンマランのようで、とても面白かったです。

  • この手のものではもう心が揺さぶられない自分...

  • 自己中心的な主人公が自分が大会に出場したさで、大半が泳げない少数の部員の水泳部の主将となり、個性的な部員たちと接しながら成長してしく青春ストーリー。そこに、「友人の死」「アフリカからの留学生」「性同一性障害」「ドラァグクイーン」などの深いエピソードを絡めつつ、読み応えのある青春モノとなっています。中学生が自分自身と戦い、苦悩しながらともに水泳に打ち込み、喜びを見出す姿はとても清々しかったです。この少年少女達の支えとなるドラァグクイーンのシャールを主人公にした作品もあるということなので、こちらもぜひ読んでみたいです。

  • 読んで良かった。とっても読んで良かった。泣きすぎて喉が渇く。

  • 夏にぴったり。久しぶりに泳ぎたくなった。

  • トランス・ジェンダーが身近に感じられる作品
    青春!青春!!仲間っていいね
    泳ぎたくなった

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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