- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124192
感想・レビュー・書評
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帯には大人の恋の物語と書いてあるけれど、読んでみてとても閉鎖的な二人だけの世界に生きる人達の物語だと感じた。
小川糸さんは食にまつわるお話を多く書かれているのは存じ上げていて今回がはじめて読んだ作品だったけれど、食を愉しみ慈しむ姿勢が文章からとても伝わってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
着物に昭和に、道ならぬ恋。ちょっと憧れる。春一郎さんは、鈴木亮平のイメージでした。
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久しぶりの読書。
読む時は邪魔されずに一気に読みたいんだよな。
小川糸さんの作品は、ツバキ文具店もそうだったけど、日本の古い文化を使ってくれていて、すごく勉強になるし、ほんわかする。季節の移ろいとそれに伴った行事や縁起物の小物たち。些細なことだけど、昔の人たちはそれを季節の変わり目とともに楽しんでたんだろうな。一つ一つに意味があって、私も日々の生活で昔の人たちが大切にしてた文化を取り入れたいなって思った。最近は色々めんどくさがってしまうけど。
内容は大人のちょっと切ない恋物語だけど、私は文化の面と主人公の住んでる街が谷中なのも惹かれたポイント。昔祖父が住んでた千駄木付近は、よくお散歩にも連れて行ってもらってて、日暮里とか根津、上野近辺の描写はあー!ここわかる!あーそんなのもあったのか。また行ってみたいな。と思わせた。懐かしいから、うちの家族にも読んでもらいたいなぁ。あの谷中の独特な街の人たちや、街の様子が目に浮かぶから。
#読了記録
#小川糸
#喋々喃々 -
文庫にて再読。
大人になると、いろんな「さよなら」のかたちがあることを知る。たった一言に、祈りを託す。
またね、だったり、二度と会わない、だったり。愛し合ったはずのひとが、知人に戻ったり。
知らなかった頃には、戻れないのにね。
行き止まりの恋、気持ちが離れてゆく瞬間、半身をもがれるような痛み、それでもあすも生きていかねばならないこと。
いろんなことを考えて、嵐のようにぐちゃぐちゃの感情が渦巻いて、そんなこと全然したくないのに、でもそうしなくちゃって、手を振り払おうとする気持ちが痛いほどわかって、声を上げて泣いた。
10年前にはわからなかったこと。
それを知ることができたわたしの人生を愛してあげたい。
10年前、ハードカバーを読んだ時には、不遜にも二度目のイッセイさんとのデートの必要性に疑義を呈していたけれど、今回はその場面のじんわりとした温もりにも触れられ、読書というのはほんとに素敵な行為だ。人生を通じて気づきを与えてくれる。 -
谷中でアンティーク着物店を営む栞を巡る四季折々の移ろいと感情の動き。
ていねいに暮らすこと、日々の己れの感情の動きを受け止めること、
周囲の人をいつくしむこと。自分の気持ちに素直であること。
栞のゆるやかな日々は春一郎さんとであったことで大きな変化を迎える。
いつくるかわからない春一郎さんからの連絡を待ち、不在が少しずつ
栞の中いっぱいに侵食していく。
春一郎さんとの道ならぬ恋愛よりも、まどかさんやいっせいさん、
魅力的なご近所さんとの日々がもう少し読みたかった。 -
913-O
文庫 -
着付けを習ったことがあるのと、『日日是好日』を読んだことがあるので、出てくることごとに親近感。お話自体は、どうだろう。。愛する気持ちはなかなか止められないけど、不倫はやっぱりいただけないかと。
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東京の下町の風景が物語をより粋な感じにさせていて、純愛っぽい不倫。
登場人物それぞれのストーリーも作品になりそうなくらい興味深い。 -
静かで丁寧な語りなのだが、栞と春一郎さんの関係性に最後まで共感することができず、もやもやとした読後感。