困ってるひと

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著者 : 大野更紗
  • ポプラ社 (2011年6月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591124765

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困ってるひとの感想・レビュー・書評

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  • 予約してから届くまでが長かった。。。

    更紗さん、まだ20代のうら若き乙女なのに、大変な闘病
    お疲れ様です、と言いたいです。

    そして私も大きな病気持ちなので、読んでいて共感&納得したし
    笑ったし、泣きそうになったし
    とにかく「あきらめない」「絶望しない」という姿勢は
    見習わねば!と何度も思いました。

    日本の医療のシステムや官僚や厚生労働省の作った
    「弱者・貧困者・障害者は死ね」と言わんばかりの、この縛り。
    本当に何とかならないかな・・・と何度思った事か!

    難病や障害者支援の定規ではかって、見えない線で切られる人の
    哀しみとか苦しみとか、なんで(一応)先進国なのに
    こんなにもマニュアルで雁字搦めなのか・・・とか
    這ってでも本人が申請しないといけないとか
    切羽詰っているのに臨機応変に対応してくれないとか・・・
    とても・・・せつなかった。

    入院中、退院できる状態じゃないのに
    入院期間が過ぎたから、退院させられた人々を
    何度も見たし、私だって本当に病院の「赤字の元」だったけど
    ギリギリまで入院を許してくれた先生、スタッフの皆さんに
    心の底から何度も感謝しました。
    国と患者の間で、一番苦悩しているのは医師や看護師たちだと
    私は現場を見て思った。


    そして更紗さんの
    在宅で病気や日本のシステムと闘う姿に勇気をもらいました。


    だけどジェネレーションギャップかな、私はパパ先生の言うことも
    (「更紗ちゃん、それは甘えだ!」と度々思った。)
    一理あると思ってしまう、100%更紗ちゃんの
    応援団にはなれなかった(。・人・`。))ゴメンネ
    (ここまで書くと、書かれた方の医師との信頼関係がなくなりそう・・・)
    (書かずにはいられない、作家の悲しい性だよね。。。)

    20代で難病で長期入院強いられたら、やはり更紗ちゃんのように
    私もなっていたと、そこも理解できる。

    入院中「私はモノだ」「モルモットだ」って思わないと
    やってられない状況は何度もあったし、それが20代の乙女なら
    本当にいくら傷ついたんだろう・・・と思わずにいられなかった。

    私も生きている限り、あきらめずに頑張ろうと思った
    自分であきらめてしまうと、もうそれでおしまいだ。

    「さらさらさん」も読んでみたいな♪と思う。

  • 日本で前例のない難病にかかってしまった女性の本当に本当に困ってる毎日。
    その内容はまさに壮絶。

    その日いちにちを生きる為にステロイドや30錠前後の内服薬、何十種類の外用薬を必要とし、それでも症状は抑えきれてない。
    そんな絶不調の彼女の前には医療、行政の問題 不満、不安が山積み・・
    困難に次ぐ困難。
    なのに冗談を交えながらの軽快で読みやすい文章。
    なんだかこれ以上なく大変な彼女に 読んでるこちらが叱咤激励されてる気分。
    そう 彼女は今も戦っている、「絶望はしない」と

  • 闘病記だけど、ただの闘病記ではない。
    ただものではない病人の体験記。
    ホントにもの凄く大変そうだけど…
    励まされます。

    福島県ののんびりした所で育った女の子が、フランスに憧れて上智大学へ。
    それがアジア難民に興味を持つことになり、ミャンマーの人のために奔走する生活に。タイやビルマにも何度も足を運ぶ。
    大学院に入ったばかりの2008年の夏、突然、身体に異変が!

    自分が難民ならぬ~苦難にあう人になってしまったのだ。
    病院へ行くことも大変な体調。
    検査すること自体、また大変という。
    病名がわかるまでに、病院を点々とする1年。

    (…こんなものすごい症状ではないけれど、病院へ行くことも出来ない体調というのは経験あります。
    待たされて具合悪くなったり、結局治す手だてもはっきりしなかったりね。やはり自己免疫疾患で難病の端くれだったうちの母にも付き添いました。)

    著者の病名は、筋膜炎脂肪織炎症候群。プラス皮膚筋炎。
    難病専門の病院に入院して9ヶ月、本格的な治療がまた大変。
    麻酔をかけると組織が変わってしまうので、麻酔なしの検査…げげっ。
    最初は、他の入院患者の様子にもショックを受けた著者。
    難病を抱えて生きてきた先輩を尊敬するようになるのでした。
    活気のある文章でテンポ良く描かれるので、ただ暗いということはありませんよ。

    故郷はムーミン谷のような山間ののどかな田舎で、原発の避難区域ギリギリという。
    一番近いコンビニに行くにも15分。
    ムーミンパパママのようだという両親に、ほっこり。
    でも故郷から病院へ行ったり、一時退院したりするのは何と大変な事か。
    お医者さんは素晴らしい人たちなのだが、やや浮世離れもしているので、そういう具体的な大変さは理解の他という面もあった。

    難病の男性と思いがけなく、ほのかな恋が芽生える。
    重病人同士では諦めなければならない、思い出を一つ作るだけにしようと、ただ庭で桜の花を見上げたひととき。
    ところが、恋のパワー恐るべし。

    病気とは、長く付き合わなければならないと覚悟する。
    しかるべく援助を受けるために、ややこしい書類の山と格闘。
    自立をめざして、ずっとほったらかしだった遠い小平の自分のアパートから、病院に近い所に部屋を探す。
    引っ越し手続きを出来るだけ速やかに終わらせるための、決死の準備。
    そして、友達を総動員しての引っ越しの日が来る。
    彼の人は実はDIYが得意で、いろいろ手配も手伝ってくれた。

    やったね!
    それでもまだまだ大変そうだけど…
    どうしていらっしゃるでしょうか。
    少しは楽でしょうか。

    著者は1984生まれ。
    2010年にこの本の執筆を始める。
    ウェブマガジン「ポプラビーチ」に連載されていたそう。
    こんなに大変でも大丈夫だよ!と伝えたいそうです。

  •  わずか20代で、杖にすがらなければ動くこともできず、おしりの肉は液状化して流れ出し、ステロイドの副作用で白内障。実に想像を絶する「難病女子」ライフを、かえって痛々しいほどに軽く明るい口調で語るこの本を読みながら、「いわゆる難病もの」はもう歓迎されない時代なのだなあ、と思う。
     かつては人々の同情と涙をさそう存在であった難病患者も、「自己責任」という脅迫と「こんなにがんばってるのに」という怨嗟の声が充満する今の社会では、眼をそむけられるどころか、「はたらかずに生活保護もらいやがって」と八つ当たりさえぶつけられかねない。この軽い筆致と絶妙なタイトルや装丁なしでは、本書がここまで広く読まれることはなかっただろう。
     しかし、難病患者がことさらに同情の対象とならないのは、悪いことばかりでもない。著者が書いているように、「自分はけして同情される側にはならない」という思い込みは、いともたやすく突き崩されるのが現実だからだ。彼女は「困っている人」であって、「かわいそうな人」でも、「怠けている人」でもない。そして「困っている」のはかならずしも病気のせいばかりともいえず、膨大なペーパーワークをはじめとする、社会制度の側にかなりの原因があることも見えてくる。
     そうした制度を代表する諸個人のなかには、当然ながら医師たちも含まれる。「パパ先生」「クマ先生」と親しみをこめたニックネームをつけた主治医らとの壮絶な、文字どおり命をかけた格闘の記述は、あいかわらず軽いノリを装っているとはいえ、本書で最もおどろかされ、胸を衝かれる部分だ。
     難病患者は、数少ない医師を信頼し依存しなければならない。そうしなければ生きていけないのだから。しかし同時に、その支配に対して必死に闘わなければ、やはり生きていけない。この真実を、これからも関係を依存せねばならない医師たちに向けてはっきりと伝えている本書を、私は、著者の遺言だと思って読んだ。それは、他の支援者として現れてくるワーカーや友人知人たちに対しても同じだろう。彼女が文字通り命をけずって書いたこの本は、たしかに「いわゆる難病もの」として消費されてはならない。

  • 今現在施行されている法律には、時代錯誤なものや、現状に則していないいわば机上の空論なものが多いよな、とは常日頃から感じていること。

    これを読んだところで、大野さんが日々感じている痛みや苦労を本当に理解することはできないのだけれど、
    それでも想像を絶する痛みとの終わりなき闘いと、
    自分の生きる道を開拓し続けるその精神力の強さに脱帽するほかない。
    自分だったら、その痛みに耐えられるのだろうか。。。

    おこがましくて、これ以上のレビューは、とても書けない。

  • 難病の闘病記なのに、暗くならない。
    好きな人とのデートが、一人暮らしをするパワーになったり
    両親の生活を思ったり、将来に不安を感じていたり、人間関係に、思慮したり
    それでも前を向いて進んでいく
    当たり前だけど、難病と戦いながら
    とっても人間らしくて。
    なんて強いんだろうって
    人って心持ちでこんなに行動が出来るものなんだって。
    恋って凄いなぁ~ってのが
    この本読んで一番の感想だった。
    すごいね、この本!

  • こういう言い方が正しいのか分からないけれど、すごく面白かった。
    そして興味深かった。
    そして自分のことを考えさせられた本だった。

    大学院でビルマのことを研究していたら、突如難病に侵されてしまった大学院生。
    その闘病記…ではなく身の回りのエッセイ。

    すごく文章を書くのが上手なのでサクサク読める。
    そしてサクサク読めるし軽いタッチで書かれているが、彼女の置かれている状況はとても厳しい。
    でも、めげてない。いや、めげてるんだけどめげないように頑張っていると書くべきだろうか。
    とにかく読んでいて、難病とかにありがちな暗い気分にならない。
    タッチ的には五体不満足に似ているのかもしれない。

    それでも、しっかりと難病と共に生きている人にとって何が大変なのかきちんと書かれている。
    医者は聖人君子ではなく人間で、日本の制度は病人にとって辛いものである。
    いや、きっとどこの国の制度も難病を抱える人にとっては大変だろう。

    いろいろ考えさせられた本。
    いろんな人に読んでほしいと思う。

  • つらくしんどいことを、うらみつらみをこめて書くのは簡単で。それを一歩ひいた視点で「面白く」書いてることがすごい。

    もちろん、渦中ではしんどさ1000%だったと思う。友人に頼り過ぎて決別してしまったりなどのエピソードもあるけれど、それはあって当然だし。

    彼女のすごいところは、いつまでも自分の境遇に酔ってたゆたっていないところ。状況を変えようとする行動力。
    デートしたい!っていう自分の欲望をかなえてあげる素直さ。

    刺激を受けた。

    そんな彼女だからこそ、すてきな「あの人」との出会いも引き寄せたんだろう。出会いのエピソードや、引っ越しで発揮される彼の得意分野にシアワセな気持ちになった。そこだけ二度読みしちゃったし。

    世界を広げてくれる一冊です。

  • すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保証するのが国家の役目なんではなかったのか。なぜ自治体によって受けることのできる福祉の内容が変わってしまうのか。なぜ障害者手帳の等級はひじやひざの曲がる角度で決められてしまうのか。
    難病を患いながら生きることは病気と闘うことと同時に、彼女いわくモンスターの日本の不条理な制度との戦いでもある。彼女の戦いがいつの日か実を結ぶことを祈る。あらゆる人に読んでほしい本。

  • ビルマの難民支援に奔走していた大学院生が、難病に冒される。「困ってる人」を助ける側にいた彼女は、一転、自ら「困ってる人」となる。行く手に立ちはだかるは、難病の山・制度の谷。生き抜こうとする「難病女子」は幾多の「モンスター」たちとの闘いを余儀なくされる。

    軽い筆致だが内容は重い。闘病記ではない、と著者は書くが、立派な闘病記である、と思う。ただ、著者の病気がなかなか診断の付かなかった難病であることもあり、治療法や入院先といった点で多くの人の参考になるような本ではないだろう。
    だがもっと普遍的に、「理不尽で困難な状況に陥ったとき、人はどうすればよいのか」を考えるとき、「このように戦っている人がいる」という不思議な希望を抱かせる本である。

    例えば自らを「難病女子」と呼び、病院を出て一人暮らしを試みようとする計画を「N・M・I(難病・ミッション・インポッシブル)」と名付ける。こうした本書の文体は、受け付ける人と受け付けない人がいるような気はする。しかし、この文体でなければ、著者はおそらく本書を書き通せなかったのではないか。そしてこの文体で書き通すことが、著者の心の杖となっている、そんな気がする。

    病気には限らないが、社会の弱者となったとき、どのような状態になりうるのか。そしてそこを切り抜けることは果たして可能なのか。「秘境」はジャングルにばかりあるのではない。望んで踏み込むのではなく、気がついたら否応なく抜け出せなくなっている街の「秘境」もまたあるのだ。制度の隙間に落ち込み、肉親や友人も疲弊してしまったら、脱出する術はあるのだろうか。

    「難病女子」を先導に、ニッポンの中の「秘境」をさまよう冒険は、おもしろくも恐ろしく、目を開かされる。


    *難病ということに加えて、ゼロ年代の著者の現実は、明らかに20年前の20代より厳しい。若い人が希望を持てるようにしていかなくてはいけないよなぁ・・・。

    *でもこの発想の柔軟さはこの世代ならではのものかもなぁとも思う。

    *独り立ちを決心するきっかけともなるクマ先生の一言、その前後の著者の気持ちというのが、すごくよくわかる。うんうん、そういうことってある。

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ある日、原因不明の難病を発症した、大学院生女子の、冒険、恋、闘い-。知性とユーモアがほとばしる、命がけエッセイ。

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