誰もが書かなかった日本の戦争

著者 :
  • ポプラ社
3.69
  • (9)
  • (18)
  • (19)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 155
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591125182

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 終戦記念日前後に第2次世界大戦について本を読むことは、民族の過去の過ちを知り、過ちを繰り返さないために必要な行為ではないかと思う。
    この本は、ポプラ社から出版されている。ポプラ社は昔、子供向けの本でお世話になったが最近は読んだことがなかった。この本の後に読んだ「困っている人」もポプラ社だったが・・
     この本の趣旨としては、若い世代にも読んでほしいという意図があり、現代国語の教科書風の編集になっている。人物や事件の注も多く理解しやすい。
     さて、内容についてであるが、NHKスペシャルの「日本人は何故戦争に向かったのか」という番組とはまた別の切り口で戦争をとらえていて非常に興味深い。当時の指導者のリーダーシップがしかっりしていれば、望まなかった戦争は回避できたのか、どうか・・・NHKは回避できたというスタンスで、この本を読むと回避できなかったように思える。リーダーシップよりも国際情勢を分析する能力がより根本的な問題だったのかもしれない。
     どちらの本を読んでも、マスコミの責任は非常に重い。このことは深く記憶に焼き付けておくべきだ。
     

  • 【レビュー】
    装丁は素晴らしい。可読性が極めて高い。内容も5分の1ページくらいで興味深い情報が列挙されており、一読の価値あり。
    【意見】
    著者は、大東亜戦争は侵略戦争ではなかったと主張しているが、その根拠が薄弱。侵略戦争の定義をしっかり提示してから論を進めてほしかった。
    また、興味深い情報といってもトリビア的なもので、「だれもが書かなかった」ということはできないと思う。キャッチ―さを狙ったか。しかし総じて信頼に値する立論だった。
    【特記事項】
    ・陸奥宗光は西南戦争で反政府の側に立ち逮捕されていたが、伊藤の見る目が高かったゆえ、外相として起用された。
    ・東学党の乱→日清戦争→三国干渉→義和団事件→北清事変→日露戦争
    ・盧溝橋は東方見聞録でも紹介されているくらい美しく、欧米ではマルコ・ポーロ橋と呼ばれている。
    ・シベリア鉄道によるロシアの軍隊輸送の貨車は木造で、極東に着いたらそのまま貨車を壊して燃料にし、車輪だけを分解してまとめて送り返す。だから、シベリア鉄道は単線だったが、貨車往復に時間をかける必要がなかった。
    ・日露戦争で、日本側は途中で弾丸がなくなり、石やがれきを投げて戦った部隊も少なくなかった。
    ・イギリスは第一次世界大戦のとき、日英同盟ゆえに日本の参加を要請したが、それは極東海域限定で、青島や山東半島までではなかった。
    ・秦郁彦『昭和史の謎を追う』を注目。
    ・敗戦まで日本軍人には選挙権はなかった。
    ・五・一五事件は、当時革命を起こすような問題はなく、首謀者たちは革命に酔っていた。
    ・石原莞爾は対ソ戦備えのために、日中戦争には不拡大方針。
    ・ヒトラーは日中戦争の仲介に立ったことがある。
    ・日中戦争では、総理自身何のために戦っているのか分からなった。
    ・東条は、天皇絶対で、戦争反対のときもあった。

全23件中 21 - 23件を表示

著者プロフィール

ジャーナリスト/1934年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社、64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年からフリー。テレビ朝日系「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、放送批評懇談会35周年記念城戸又一賞を受賞。現在も「激論!クロスファイア」(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ、ラジオの出演多数。著書に『日本の戦争』(小学館)、『創価学会』(毎日文庫)、『さらば総理』(朝日新聞出版)など多数。

「2023年 『会社が変わる!日本が変わる!! 日本再生「最終提言」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田原総一朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
池井戸 潤
ウォルター・アイ...
古賀 茂明
高野 和明
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×