([し]4-2)COW HOUSE カウハウス (ポプラ文庫 し 4-2)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591125458

感想・レビュー・書評

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  • 安定・安心の作者買い♪

    後半がちょっぴり駆け足過ぎた気がするのが、やや残念かな・・・
    (美咲ちゃんの事情の解決やら)
    (じいさんの事情の解決やら)
    (カウハウスプロジェクトの立ち上げやら)
    (主人公の過去の"オイタ"の説明やら)

    それが大きな瑕疵とはならない位に、素敵なプロットで描かれたハートフルストーリー。

    ★4つ、7ポイント半。
    2020.11.22.古。

    ※小路さんのお話は、相変わらず食卓の描写がいい感じ過ぎて、自分もそこに加わって朝食を食べたくなってしまう。

    ※↑で書いた部分を補いつつ、あと120ページ分ぐらい厚く書かれていたなら、評価は「★4つ9ポイント半」に上がっていたはず。

  • ある事情から左遷同然に鎌倉へやってきた
    主人公の仕事は、今日からお屋敷の管理人。

    会社所有の大豪邸で、家賃水道光熱費無料にて
    可愛くて気の利く恋人と2人での新生活が始まる。

    しかし、あれよあれよという間に屋敷に集っていく
    人、人、人。

    予定外ばかりなのに、それでも気が付けば楽しく
    過ぎていく日常。
    その中で、主人公が立てた計画とは?


    希望を描いて何が悪い!と言わんばかりの
    楽しく前向きなお話。


    登場するそれぞれの人物に、それぞれの事情が
    あり、それぞれがどうしようも難しい問題ばかり。

    問題を抱えていても、みんな自分なりに楽しく
    生きようとしているのがまた素敵なんだよなぁ。

    なによりもそれを、正義感やら偽善だったりじゃなく
    なんとかしようとしてしまう主人公が好き。


    それにしても、作中を通してなーんもしていないと
    言っても過言ではない部長の存在感は不思議だ。
    何故こんなに何もしていないのに格好良いんだろう。
    謎だ。頭も薄くなりかかっているっていうのに。謎だ。


    いつ読んでも、ほんわかと幸せになる本。
    こんなお屋敷でこんな面々に囲まれて暮らしたいなぁ。
    部長ズルすぎ。

  • ありえないと言うよりかは現実的には想像しにくいけど
    こんな社会人の生活、人と人との繋がりは夢がたくさん詰まっていていいなと思いました。

  • 小路さんのパターンと言えばパターン。過去に傷やつらい事件を体験した人が周囲を大切に生きていく話。いずれもオールハッピーエンドを体験した目指すから、安心して読める。
    パターンではあるが、疲れているときに癒される。

  • 一緒にいたいと思えるようなやわらかーい人たちの話。
    小路さんの作品はそんな人たちがたくさん出てくる。

    周りからそんな風に思われる、物腰柔らかい人になりたい。
    って、いつも思ってはいるんだけどね。

  • いつもながら小路さんの描く物語は優しくあたたかい。
    「家族」をテーマに、不器用な生き方しかできない善良な人たちが共に過ごすひとときが、軽いタッチで丁寧に描かれている。
    「僕」は中学生のときから心にある決心をし、それを守って生きてきた。
    何かというと困っている人に救いの手を差し延べてしまうのも、他者を冷たくあしらうことができないのも、すべては中学生のときのある経験に基づいている。
    ある意味「僕」の生き方を決定したもとを、多くの人が苦難を強いられたあの災害に設定したことが良かったのかはわからない。
    当事者でなければわからない哀しみや辛さが、いまも深く胸に刻まれている人も多いと思うからだ。
    もしかしたら、こんなふうに物語に取り上げられることを良しとしない人もいるかもしれない。
    「COW HOUSE」はどこか歪んだ物語だ。
    悪い人はどこにも登場せずに、善人だけが住む世界で構成されている。
    善人ゆえの悩みも哀しみも後悔も、人との関わりの中で浄化され新たな道が示される。
    どこを探しても悪意のない世界。
    それが「COW HOUSE」を取り巻く世界だ。

    現実社会は嫌になるほど悪意が垂れ流されている。
    テレビをつければ正義を振りかざすメディアが有名人のスキャンダルを糾弾している。
    群がる標的を毎日変えながら、それでも厭きることなく正義漢を気取り続ける。
    だが、この物語は悪意など存在しないかのようだ。
    善意に思い切り偏った世界。
    それは、歪んではいてもきっと果てしなく優しい世界なのだろう。
    小路さんの物語は、その優しい世界を味わわせてくれる。
    たとえリアル感はないとしても、たとえ虚構の世界ではあっても、やはり優しくあたたかな物語はいい。

  • 久々の東京バンドワゴン以外の小路さん。
    予想通りのハッピーエンドで満足。
    うまいなぁ。

  • 東京バンドワゴン同様、登場人物みんなに好意を持って読めた。
    優しい気持ちになれる本でした。

  • 少しショッキングなところもあるけど、まるで夢のような、あるいはお伽噺のようなストーリー。

  • 【あらすじ】
    飛ばされて会社所有の大豪邸の住み込み管理人となった25歳の「僕」は、無人のはずの屋敷に次々と現れるワケありの人々に戸惑いつつも任務をまっとうしようと奮闘する。仕事とは、誰かを大切にすることとは―まっすぐな想いが心にしみるハートフル・ストーリー。

    【感想】

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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