ノーマジーン

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著者 : 初野晴
  • ポプラ社 (2011年10月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591126141

ノーマジーンの感想・レビュー・書評

  • 本を閉じて泣いた

    『いかないで』のあとに
    『世界が終わるまで一緒にいよう』
    とシズカの心の声が聞こえた気がした

    世界が終わるなら?

    僕は好きな人と一緒にいたいな

    一人より二人がいい

    世界が終わる記念をしたい

    ちょっとだけいつもより豪華なご飯を食べて

    お酒も飲んで

    こんなことがあったねって笑って

    少し泣いて

    そして早めに寝て

    世界が終わるなら好きな人とそうやって過ごしたい

    シズカとノーマジーンもそうやって過ごすんじゃないかな?


    子守歌のような
    眠る前に読む童話のような
    静かで暖かいお話だった
    後半は苦しい話しだったけど
    キラキラしてた
    罪を背負ってジャンプするノーマジーンは思い描いただけで綺麗だった


    初野晴いいな~
    朝井リョウと初野晴はいいな~

    好きだ~

    もっと初野晴メジャーにならないかな?

  • 終末感の漂う世界で、たった一人、車椅子で生活するシズカ。
    介護ロボットが届くはずだった家にやってきたのは人の言葉を話す一匹の赤毛の猿ノーマジーンだった。
    当人が死んだ後に評価された桐島の鞄を修復する仕事でなんとか暮らしていたシズカの生活を静かにそして確実に揺らしていくノーマジーン。
    「シズカの背中を押すためにぼくはきたんだ」

    一人で籠もった生活をしていたシズカと純真無垢な赤毛の猿ノーマジーンのやり取りが微笑ましく、そして苦しい。
    ノーマジーンとの暮らしで、少しずつ変わっていくシズカ。
    ノーマジーンが抱える謎を知ることになるのはクリスマスの夜……

    「退出ゲーム」「初恋ソムリエ」の“ハルチカ”シリーズで知った初野晴さんの作品。こんな物語を書くんだと感激してしまい、一気に読み終えました。
    "寓話ミステリー"と帯には記されていますが、ミステリというよりはSFという感じ。
    第2部の唐突な視点は賛否あるようで、ウチもあまり好きじゃないけど、物語の閉じ方はかなり好き。

  • ひっそりと暮らす革職人のシズカの元に現れたのは なんと言葉を話す赤毛のサル!
    ファンタジー?と思って読んでたら 近未来SF
    それも 哀しく切ない  2人のコミカルな会話や倹しいけど暖かい生活があるからなおのこと・・・ 

  • ミステリーではないかも知れない。だけど初野さんの作品らしい作品だと感じた。

    荒廃した世界に、知能のある赤毛のサル。ファンタジーのような設定だけれど、そのまま「ファンタジーだから」と否定してはいけない怖さがある。その世界は私たちのいまいる世界の延長線上にあるからだ。

    静とノーマジーンの暮らしは、慎ましいけれど暖かい。だからこそ第三者からの説明で明かされる事実が苦しかった。

    『水の時計』『漆黒の王子』で味わい、ハルチカシリーズではあまりなかった、打ちのめされるような感覚が戻ってきた一冊だと思う。

  • 終末論が囁かれる近未来が舞台。革製品の修理をするシズカの元に、猿のノーマジーンがやってきて、二人の奇妙な共同生活が始まる。

    ノーマジーンの正体を謎にしつつ二人の交流が描かれるが、どうももやもやが残る。
    問いを読者に投げているのかもしれないけれど、何かが欠けて物語に入り込めなかった。

  • ミステリーというかファンタジー。最初は独特の世界観に入り込めなかったけど、読んでるうちに段々馴染んできた。少しずつ、静の境遇やノーマジーンの謎が解けていき、ノーマジーンが無邪気に遊んでいたあのリンゴの樹があんなことに利用されてるなんて…。内容は装丁のファンタジックな感じとはちょっと違うかも。2012/187

  • すこし未来の、荒廃した世界でのお話。

    車椅子で生活をする鞄職人のシズカ。天涯孤独で、その生い立ちゆえに誰と交流することもなく、ネットなどの回線を切り、一人静かに暮らしている。
    身の回りの手助けをするロボットを注文した筈が、彼女のもとにやってきたのは しゃべる赤毛の猿・ノーマジーン。

    決して豊かではないシズカの暮らし。一日一杯のミルクを分け合い、リンゴの収穫を待ちわびる。最後の小麦粉でパンを焼き、ジャムを作る。

    孤独だった毎日が、小さな幸せに変わった時、偶然にも
    ノーマジーンの秘密が明かされる。

    滅び行く世界。孤独な毎日。世界からはみだした 一人と1匹の 悲しく優しい物語。

  • 終末論が囁かれる世界で生きる車椅子のシズカと赤毛のサル、ノーマジーン。ふたりのドタバタの生活と過去と謎があたたかい空気に包まれて描かれています。
    前半の分量の割には後半(ネタバレ以降)があっさりしすぎていて、唐突に終わってしまった印象。ちょっと物足りない。
    全体的に静かな物悲しい雰囲気ではあるけれど、シズカとノーマジーンのやりとり(というかノーマジーンに対するいじめ?)は面白い。寓話的ではあるんだけど、テーマは間違いなく社会派といわれるもの。あまり細かいところまで世界観が描かれていないためふわふわしているけれど、この作品に限っては逆にそれが良いのかも。

    何よりノーマジーンがかわいすぎる(笑)安心して読める優しい物語です。

  • 残酷で、希望もない近未来。
    それでも、人は生きていかないとならないの?

  • 「小さな同居人は、わたしに生きる楽しさと生きる苦労を一緒に運んできた」…終末思想のはびこる荒んだ世界のなかで、ひっそりと暮らす鞄職人と喋るサルの、悲しくも温かな物語。
    迫害と貧しさの中にあっても、豊かな好奇心と工夫で精一杯日々の楽しみを満喫する姿に心なごまされた。
    寓話ミステリーの言葉通り、最後で明かされる真相が残酷な因縁を突きつけ心掻き乱す。
    小さな子に対して抱く もどかしさ・苛立ち・優しさ・励まし・喜び が、ノーマジーンという“人でない存在”に集約されていた。
    心地良いものの裏に隠された罪もまた。

  •  車椅子生活で桐島のカバンの修復をするシズカと喋る赤い猿のノーマジーンの物語。
     2人のやりとりがとても素敵でした。シズカがノーマジーンを結構冷たく扱ったりしてもなんだかんだでいい関係。ノーマジーンは何だか憎めない。純真だからかな。とにかくほんわか癒されました。ただ、終末感と慎ましい生活は読んでいてちょっと暗くなりましたが。
     ノーマジーンの正体が気になっていたところで2部の唐突な種明かしがかなり残念でした。人が近寄らない家とはいえ、あの唐突さはちょっと。

  • とても素敵な寓話。少しミステリーの要素も。

    切なく、後に胸がじんわり暖かくなるようなそんなお話。

  • 車椅子生活の鞄職人:シズカと言葉を話す赤いサル:ノーマジーンの物語。

    途中まではただの寓話だったけれど、やはり初野晴。
    切なく苦い展開を描いてくる。

    ノーマジーンの正体とは、そして二人の関係とは。
    孤独な1人と1匹の共同生活は彼女らに何をもたらしたのか。

  • 週末論がささやかれている世界で出逢った、一人と一匹の静かで温かい物語。
    それぞれの不器用な優しさが胸に沁みる。

    だからこそ、2部で明かされた事実に愕然とした。
    ふたりの幸せが残酷な事実の上に成り立っていたなんて…。
    それまでの伏線にも驚いた。

    知ってしまったからには、知らなかった頃には戻れない。
    苦悩する静と、静の苦しみを感じとって明るく振る舞うノーマジーン。
    お互いに相手を思いやるが故の苦しみが切なくて哀しい。
    最後の静の言葉に涙。

    静もノーマジーンも自分が悪いわけじゃないのに、こんなに酷い目に遭うなんて…。
    人間って、残酷で醜いな。


    (似)
    「終末のフール」伊坂幸太郎

  • 素敵な素敵な一冊。車椅子のシズカと、赤毛で長い尾をもったおさる(?)ノーマジーンのおはなし。あまりに純粋で素直なノーマジーンの言動には心を揺さぶられ、涙がでそうになるほど。
    全体に流れる淡々として静謐な空気が、読む者の心まで穏やかにしてくれる。素敵なファンタジー。

  • 終末が近いと囁かれる近未来。そこで一緒に暮らす女性と喋る猿の物語。冷たいけど優しい語り口が良かった。

  • 例え、その存在がなにかを無くしてしまうきっかけになってしまったのだとしても、傷ついた心はその温もりを手放すことなんてできなかったのでしょう。

    初野さんのイビリの描写が好きですね(笑)

  • 初野晴の本ってよく車椅子に乗った登場人物が出てくるんだけど、周りに歩行困難な人がいるのかな? ――というのは置いておく。

    あらすじ:
    世界滅亡を声高に宣言する新興宗教。退廃した町。鞄の修理職人シズカは足が悪くて車椅子は欠かせない。介護ロボットだって届かない。いるのは数少ない食料を勝手に食べてしまう役立たず、ノーマジーン――人間の言葉を理解し会話できる赤毛のサルだ。しかも頼んでもないのに押しかけて居座ってしまった。
    ポツンとたった一つ佇む家での二人暮らしは、ノーマジーンのポカとシズカの怒声に満ちていて、鞄の修理の仕事もあるしなんだか忙しい。食料だって早く減ってしまうけれど、シズカはノーマジーンを追い出すことはしなかった。
    何故しゃべるサルがいるのか。そしてシズカが一人ぼっちの理由は。
    一つ一つが解かれていくとき、シズカとノーマジーンの関係に決定的な瞬間が訪れる。

    うわあ、SFか、と思ってちょっと引いてしまったけれど、童話的というかメルヘンチックでほんわかした雰囲気と、初野晴のストーリーテリングの力量が、ふわふわした世界を浮遊させてくれた。
    初野晴っていえばミステリの人。でも、もう本当にミステリ臭さを感じさせない作品に仕上がってる。ミステリ嫌いの人が読んでも全然気にならないで最後までいけちゃうんじゃないかな? 初野晴のミステリが好きな人は、ちょっと肩透かしを喰らった気になるかもしれないけれど、初野晴らしさは十分ある。
    なんていうか、この人の「実は社会派」っていうのが、こういう雰囲気の話だとコントラストなのか、響く。こういう話に現実感がないだとか「あの人は結局なんだったの」「なにがあったの?」みたいなツッコミをいれるのは野暮ですよねそうですよね。わかってる。気になるけれど。
    シズカの突っ張り方って自分に跳ね返ってくるよなあ。悲しくない、寂しくない、一人で大丈夫って唱えてても、孤独を認めたくない、子供っぽくなんで私ばっかり、と泣き叫びたくないし、自分をこんな風にした世界に負けたくない。肩に力を入れて生きてきたシズカ。
    要領が悪いノーマジーンにイライラしながらも、ここまでご主人様になつく犬のように好かれれば、色々諦めて許してしまう。一緒に蝶の羽化を待ち遠しにして、リンゴを育てて、なんてしていれば、絆が生まれるのは当たり前だ。そこに落とされた爆弾は衝撃的で、シズカが受けただろうショックの一部が感じ取れる。
    常に影が付きまとっていた作品だけれど、その中でも二人(一人と一匹)の絆が強まった時だからこそ、効果は絶大だった。
    なんとなくこうなるのかな、と予想するようなサクセスストーリーとは違う、読んでからわかる王道ともいえるような展開だ。

  • 無邪気さにいらっとする。真相を語らせるのが唐突すぎ。

  • 3.11の後に書かれたのかと思った。
    前だったとは。
    優しい童話。

  • 今回、ポプラ社!
    児童書屋さんに初野晴!しかし、内容はやんわり重め
    爽やかハルチカシリーズよりも、重めの初野晴の方が私は好き
    でも、元が連載でなければ、もっとじっくり良かったのかなぁと思う

    ノーマジーン
    『お熱いのがお好き』が観たくなった

    人は、誰か一緒にいることで弱くもなり強くもなる
    望んでいた変化ではなくても、変わることはいいことだと思う

  • ひょんなことから始まった二人の生活は。読み進めていくうちに必然だったと気づかされていく。

    まわりまわってラストがこうくるか…。後味のいいような悪いような。いろんな意味で裏切られた作品です。
    この作品、2度読むことをお勧めします。

  • たとえ世界がどんな状態であったって、人はひとりでは生きていけない。それに気づいてしまうのが、あたたかくも切なくて哀しい。

    ある日唐突に現れた言葉を話す赤毛のサル、ノーマジーンと、車椅子の孤独な革職人シズカのささやかな日常。ノーマジーンが「何者か」なのか判明することで、壊れてしまうもろくて小さな幸せな世界。

    それまでの日常が丁寧に細やかに書かれている分、真相がわかってからがあっけない感じがします。その後の彼らに思いをめぐらせると、バッドエンドではないけれど、決してハッピーエンドともいえない結末に、ちょっと複雑な気持ちになります。本当に「世界の終わり」が来てしまう方が幸せなんじゃないか・・・なんて。



    内容(「BOOK」データベースより)
    終末論が囁かれる荒廃した世界で孤独な女性のもとに現れたのは、言葉を話す不思議な赤毛のサルだった―ひとつ屋根の下、奇妙で幸せな一人と一匹の“ふたり暮らし”がはじまる。壊れかけた世界で見える、本当に大切なものとは―不条理で切ない絆を描き出す寓話ミステリー。

  • 世界観が独特。明確にどんな事件が起こってこうなった、と描かれているわけではないけれど、終末観の漂う荒廃した近未来。

    そんな世界を一歩遠くから孤独に見つめるシズカと、彼女のもとにきた赤毛のサルのような、ノーマジーン。

    二人の不器用な関係に、読んでいてもどかしさを感じることもあったけれど、真実が分かるころには、二人の信頼関係を愛おしく、せつなく感じる。

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ノーマジーンの作品紹介

終末論が囁かれる荒廃した世界で孤独な女性のもとに現れたのは、言葉を話す不思議な赤毛のサルだった-ひとつ屋根の下、奇妙で幸せな一人と一匹の"ふたり暮らし"がはじまる。壊れかけた世界で見える、本当に大切なものとは-不条理で切ない絆を描き出す寓話ミステリー。

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