- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591126653
感想・レビュー・書評
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乙美母さんの人柄が、登場人物の述懐から浮き上がってきます。四十九日のための『あしあと帳』の模造紙が少しずつ埋まっていくように。幸せな人生と感謝して旅立って行ったのではないでしょうか。夫・良平と継娘・百合子を愛し、自分にできることをコツコツと積み上げた、豊かな生き方だったことを、エピローグでは二人とも実感して暮らしているようで、安心しました。
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心温まる優しい作品だった。
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心が暖まりました
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家族の死を受け止めるのは苦しい。
喪失感から抜け出せない夫の熱田、何もかにもがうまく行かず心がぐちゃぐちゃに崩壊しそうになる百合子。
母乙美が残した家事のレシピと彼女の教え子達の力をかりて、乙美の望み通りの四十九日を迎えたのち、みんながそれぞれの道に戻って行く。
大切な人を失った苦しさほ癒えることはないけれど、時々どうしようもなく寂しくなった時、こういう話の力を借りて涙を流し前に進むしかないことを実感する。
山田悠介の<その時までサヨウナラ>のように直接ファンタジーにしてくれるのもスッキリするが、あえて明確にしないのも読者の心の中で反芻し奥底に染み入るラスト。 -
・・・号泣(┯_┯)伊吹サン作品で泣かないモノはないわ~。継母、乙美の葬儀後2週間で実家に又、帰ることになった百合子。
妻が亡くなり腑抜けになった父、熱田。
妻の四十九日まで面倒見ます!と現れた不思議な娘、井本。
井本の紹介で現れる、これまた不思議な少年、ハルミ。
ネタバレするから人間関係が書けないけど、四十九日の準備をする中で知る、継母・妻の愛。井本てハルミが何者であったか気付いた時、号泣でした。 「思い出さなくていい。思い出してはいけない、飛ぶ前の世界のことなど」過去は振り返らなくていい。このセリフに泣けました。
何を書いてもネタバレになるから書けない -
エピローグ前の良平さんの振り返りがとても切なくて、残されるってのはこういうものなのだろうか、という気持ちがわき起こりました。残されるって、本当に寂しいことなんだね。
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家族とは、血の繋がりだけではないと、心から思えた作品でした。乙母さんが亡くなった後も、不器用な夫と娘の事を思う優しさが随所に感じられ、とても温かい気持ちになりました。イモちゃんとハルミ君、二人の存在にも救われました。「もしかして?」と思わせてくれた場面では、涙が止まりませんでした。乙母さんのような朗らかで優しい人に私もなりたいと思わせてくれた素敵な一冊です。
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めっちゃ泣ける…