花言葉をさがして The language of flow

  • ポプラ社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591127001

感想・レビュー・書評

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  • 立ち読み:2012/11/18

    いいな、と思う装丁は、鈴木成一デザイン室であることが多い。

  • 重いテーマだけど、救いの物語でもある。
    花がたくさん出てくるので、映像化されたらきれいだと思う。

  • 孤児の少女の再生物語。花言葉で人を救う、という設定が面白く、読み応えがあった。素直で優しいお話だと思う。

  • ストーリー自体はあまりひねりはありませんが、花言葉で感情を表現するなんて素敵ですね。
    ヴィクトリアがエリザベスに贈った花束の花言葉が小説の中では記載されておらず、読者に巻末の辞典で意味を調べてもらうという演出(?)も心憎いです。
    個人的には、エリザベスとの再会の場面をもっと掘り下げてほしかったなあと思います。

  • ヴィクトリア・ジョーンズは火事の夢ばかり見る。夢の中ではいつも10歳の少女のままだ。生まれてすぐに母親に捨てられたヴィクトリアは無愛想で怒りっぽく、何人もの里親のもとを転々としてきた。心を閉ざした彼女が唯一信じたのは、9歳の時の里親エリザベスが教えてくれた「花言葉」。18歳の誕生日の朝、養護施設を卒業したもののお金も仕事もないヴィクトリアは、公園の茂みで眠るしかない。そんなある日、街の小さな花屋『ブルーム』を見つけて「花のことなら何かできるかもしれない」と直感し、ブーケを作って自分を売り込み、店で働き始める。お客が何を求めているかを察し、美しい花束を作って人々をしあわせにしてゆくヴィクトリア。その腕はたちまち評判になり、希望に満ちた生活を手にするかに思えたのだが…(「BOOK」データベースより)

    グループホームと里親の元を転々とし、愛を知らずに生きてきたヴィクトリア。
    彼女が18歳になり、独り立ちした時から始まった、愛と許しの物語。
    言葉を持たぬ草花も、雄弁に感情や物事を伝えるのだということを教えてくれる一冊です。
    グラントとヘイゼルと共におずおずと始めた暮らしも、いつかしっかりと美しい花を咲かせることになるでしょう。
    温かな未来を予感させるラストも素敵でした。
    巻末の「ヴィクトリアの花言葉事典」も圧巻。
    物語を読み進めるために必ず必要になるのですが、ヴィクトリアとグラントのやり取りが思い起こされて、思わずふふふと微笑んでしまいました。
    これがデビュー作とは驚きです。
    次の作品にも期待できますね。

  • 装丁借り。ああ、なんか、丁寧な構成の、いい本だったなあ。1章最後でグラントと出会い、何かしらの秘密がある、とわかるところまでが長かったけれど、そこからはその秘密が気になって一気に読みました。慣れてくると文章表現もすてきだな、と思えました。最後、なぜヴィクトリアが急にやり直そうと思ったのかが唐突にも思えましたが、もしかするとそれまでの出来事の積み重ねで、氷が解けるようにゆっくりゆっくり変わっていった結果なのかもしれないですね。

  • 花言葉を交えながら、傷ついた心を再生する。続編を読みたい

  • 花ことばに夢中になって、そうっと好きな人に渡す花束に入れておく。なんて乙女なことをしていた頃を思いだしてしまう。でも、それが届かなくて届かなかったことも忘れてしまったことを思い出させられてしまう。決して甘くない物語。
    でも2012年の1冊目としてはなかなかのチョイスだったのじゃないかと。

    私の一番好きな花は出てこなかったなぁ…なんて思っていたら巻末にサプライズつき。お楽しみ。きっとまた読み返す本になると思う。

  • まず装幀に目をひかれる。うつくしい。
    「花言葉をさがして」というタイトルが少々オトメチック、メルヘンチックで、どうかな?とためらうけれど、それに打ち勝って手に取らされる装幀。

    生まれてすぐ捨てられ、施設や里親の元を転々としてきたヴィクトリアが、花屋の仕事を見つけて、花束を作って人を幸せにしていく……と書くと、小さな成功物語のようであり癒し系・再生系もののようでもあるが、あらすじのその続きには「しかし」がつく。

    そこからしばらく、「だめだよ!置いて逃げちゃ!」という展開が続く。どうなっちゃうんだろ、とハラハラし、読みながら苦しい。
    あ〜あれはそうだったのか、と思うところもある。

    顔も知らない母親とヴィクトリア。エリザベスとヴィクトリア、メレディスとヴィクトリア、レナータとヴィクトリア。
    そしてヴィクトリアと…。
    母(母なるもの)と娘の関係が、形を変えていくつも提示される。形を変えて問い直される。

    花にそれぞれの意味があるように、人にもそれぞれに意味がある。どんなに傷ついた人生であったとしても。
    花言葉をさがしながら、人の、人生の意味を探していく物語だったのだな、と、読み終えて気付く。
    オトメチックなタイトル、意匠に、負けてはいけない。

  • 児童養育施設(グループ・ホーム)で育った孤児の若い主人公、ヴィクトリアの幼少期から20代前半までの話。実親に自らの出生を歓迎されなかった子どもの痛みがひしひしと伝わってくる本だった。どの子も親を選んで産まれてこれない。個々の痛み、傷を乗り越えていくためのきっかけに出会れば何とか子どもは大丈夫でやっていけるのではないかという希望のメッセージが込められている。

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