(P[ん]1-16)寮の七日間 (ポプラ文庫ピュアフル)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591127223

作品紹介・あらすじ

「ぼく」が逃げ込んだ美術高校で起きた幽霊騒動、桃香る女子寮で繰り広げられる少女たちの密やかな駆け引き、名門男子校にやってきた季節外れの入寮生、個性派ファミリーの夏休みの行方-。舞台は「紅桃寮」、四〇四号室が「開かずの間」、事件発生から解決までが「七日間」。三つの共通設定のもと、四人の実力派作家が競作する新感覚の青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は「紅桃寮」、四〇四号室が「開かずの間」、事件の発生から解決までが「七日間」という設定のもと、4人の作家による青春ミステリー

    加藤実秋以外は、学生寮において「開かずの間」四〇四号室に幽霊が出るという内容。
    設定が固められているせいか、似たような作品ばかりになっている。

    ・谷原秋桜子「聖母の掌底突き」
    ミステリーとしては一番面白かった。

    ・野村美月「桃園のいばら姫」
    女子寮を舞台にとても美しい女性徒を巡る一種閉鎖された空間での耽美的な世界。
    ミステリーであることを忘れて読んでたら、突然の展開に驚かされた。

    ・緑川聖司「三月の新入生」
    オーソドックスな構成、爽やかな読後感。

    ・加藤実秋「マジカル・ファミリー・ツアー」
    舞台は箱根の保養所「紅桃寮」、家族旅行で宿泊した部屋が四〇四号室。
    ほぼギャグの世界。父・母・弟のキャラが面白かった。
    唯一異なった舞台で変化が楽しめた。

  • 紅桃寮の七日間を舞台にしたアンソロジー。
    緑川聖司さんの「三月の新入生」が1番のおきにいり。
    ハルくん、ナイスすぎる♪

    1人だけ学生寮が舞台でない加藤実秋さんの作品の、開かずの間の理由とか、ちょっと斜め上をいく感じも楽しかった。
    トレーニングフェチのママさんとかね(笑)

  • 「紅桃寮」、「開かずの間」、「七日間」をキーワードに4人の作家が競作した1冊。

    谷原秋桜子「聖母の掌底突き」
    タイトルの真相にびっくり。
    開かずの間にせざるを得ない。

    野村美月「桃園のいばら姫」
    途中までミステリー作品ということを忘れてしまうくらい女子寮の孤高の茨姫の話に引き込まれてしまった。

    緑川聖司「三月の新入生」
    誰が探偵役なのかなかなか分らずいまいち楽しめなかったかな。
    結末はあっさり。

    加藤実秋「マジカル・ファミリー・ツアー」
    開かずの間の設定からしてギャグ展開。
    家族の設定や結末も全体的に冗談みたい。

    現在の軸では人の死なないミステリー。
    キーワードに割にはあまりぱっとしなかったかなぁ…。

  • 紅桃寮での七日間で人生が変わる。

    舞台は紅桃寮、四〇四号室が開かずの間、事件の発生から解決までが七日間、という三つの条件で書かれた四つの物語。学校限定かと思いきや、加藤実秋は保養施設だった。名前は女子っぽいけど、谷原秋桜子も緑川聖司も男子寮だった。それぞれ死んでいたり冒険だったりと色々。競作って面白い。

    加藤実秋「マジカル・ファミリー・ツアー」が好き。家族のキャラが好き(笑) 野村美月「桃園のいばら姫」は、この人らしい、“痛い”話。

  • 共通設定
    ★舞台「紅桃寮」
    ★404号が「開かずの間」
    ★7日間限定!
    この3つの設定で書かれたオムニバス。
    聖母の掌底突き:谷原秋桜子、桃園のいばら姫:野村美月、三月の新入生:緑川聖司、マジカル・ファミリー・ツアー:加藤実秋の4編。

    そういう作家さんなのか?百合展開だったけど「桃園のいばら姫」は3つの設定がよく生かされていたと思う。
    読後感が良かったのは「三月の新入生」かな。

  • 共通のお題は「紅桃寮という寮・404号室が開かずの間・7日間限定」という短編集。
    寮といえば、学校を思い出す。4話中3話が学校の寮で起こる話だった。
    しかし、最後の話は健康保険組合の保養所での話だし、開かずの間の使い方かわ違ってた。
    確かに、お題は守ってるけど、これでいいの?的なかんじで、出てくる主人公一家のキャラが個性的で良かった。
    学校の寮での話であれば、1話目が好きだな。
    なんか下らないかんじで、でも主人公が目標を決めるかんじが良かった。


    2012.10.28 読了

  • 緑川聖司さんの著作は初めてでしたが、白い影騒ぎは不要のような...。ほか 3 編はそれぞれの持ち味がよく出てると思う。野村美月さんの「桃園のいばら姫」がミステリとして一番しっかりしてて面白い。

  • 3つの決まりごとのみが決まった、アンソロジー。

    前3つは、学生寮。
    最後の4つ目だけが、保養施設。
    なので、妙に印象があるのが4つ目です。
    いや…個性が豊かすぎる家族、というのも
    ありましたけど。

    あくどい最後の1話目。
    恐ろしいまでの家族愛な2つ目。
    もしや覗き趣味? と突っ込んではいけない3つ目。
    一応主人公は学生の、寮生活ではない4つ目。

    読んだ後、表紙を見ると、どれがどれだか分かりますw

  • 盛り上がり一切無しの短編集。
    1人だけ主旨の解釈を間違えたんじゃないか?と思うほど。

  • 01YA
    ちょっと変わった短編。舞台は一緒でも書き手が違うから、様々なことが交差する。試してみませんか

  • 舞台は「紅桃寮」、404号室が「開かずの間」、事件発生から解決までが「七日間」という共通設定で四人の作家(野村美月、緑川聖司、谷原秋桜孑、加藤実秋)により描かれたミステリー。

  • 「舞台は『紅桃寮』」
    「404号室が開かずの間」
    「事件発生から解決まで7日間」
    という共通テーマを下に、加藤実秋、谷原秋桜子、野村美月、緑川聖治の4人のそれぞれ書き上げた短編小説。

    こういった企画って当たり外れとか関係なく色々な見方・感じ方ができるのでいいですね!
    テーマの使い方も捉え方もバラバラなのが見どころです。
    まぁ、これテーマに沿ってるの?ってのもあったけど(笑)

    聖母の掌底突き(谷原秋桜子)……★★★★★
    桃園のいばら姫(野村美月)……★★★☆☆
    三月の新入生(緑川聖治)……★★★★☆
    マジカルファミリーツアー(加藤実秋)……★★☆☆☆

  • 「404号室の開かずの間」「舞台の名前は「紅桃寮」」「事件が始まって終わるまでが7日間」が共通テーマのアンソロジー。

    4人とも初めて読んだけれど、どの話も特別面白いと感じなかった。
    ただ、野村美月が「女の友情」と思わせて、「ガチ百合」だったのにちょっと引いたので、逆に印象に残ったかな(笑)。
    『文学少女』シリーズや『ヒカル』シリーズを読んでみたいと思っていたが、ちょっと手を引っ込めてしまいそう。

  • 404号室をテーマにしたアンソロジー。

    学生寮&不思議系が多かったけど、加藤さんの意表をついた寮話が良かったかな♪

  • 登場人物みんな癖があって好き。

  • 三つの共通の設定を用いた珠玉の四編が詰まっています。
    404号室の開かずの間、舞台の名前は「紅桃寮」、そして事件が始まって終わるまでが7日間。
    たったこれだけのキーワードから紡がれたのは、全て全然違ったテイストのミステリでした。

    一つ一つも短いし、後味の悪い作品はありません。また、どのストーリーもキャラクターが生き生きとそれぞれの人生を歩んでいて、ここで切り取られた7日間以外の生活まで見えてくるような描かれ方だったのが印象的でした。

  • 「7days wonder紅桃寮の七日間」を改題.加筆・訂正
    (収録作品)聖母の掌底突き(谷原秋桜子)/桃園のいばら姫(野村美月)/ 三月の新入生(緑川聖司)/マジカル・ファミリー・ツアー(加藤実秋)

  • ナツの読書その4。
    共通設定があって面白そうと前から気になっていた1冊。
    どの作家さんも初でしたが、サクサクと読みやすく、面白かったです。
    個人的には寮の名前もミステリにしっかり絡めてあるものが1篇でもあったらよかったなと思いました。せっかく設定に入ってるので。

  • 私は寮生活をしているので気になってついつい買ってしまいました。
    読みやすい本で1日で読みきりましたが面白かったか?と問われると普通です。

    でも寮生活をしてたものでなんとなく共感を持てることも多くて楽しく読めました。

    最後の話が一番好きでした。

    2つ目はレズぽくてうーんと思いました。

  • アンソロジーの宿命か、作家さんによって波があります。

  • 舞台は「紅桃寮」、404号室が開かずの間、そして発生か解決まで7日間。という3つの縛りで、4人の作家がそれぞれに短編を書いている短編集。
    しかけとしてはおもしろいけど、作品はもう一歩な感じ。書いている作家に興味があるならお試しにはいいかも。

  • 3つの共通設定から紡がれた、4人の作家さんのお話が収録された1冊。

    それぞれ独立した物語で、面白かったです。

  • 加藤実秋さんを目当てに買ったのだが、思いがけず谷原秋桜子さんが面白かった。
    とりあえず美大の付属校に来た「ぼく」がエアブラシの面白さに開眼してやりたいことを見つけるという再生の物語も内包されてて、まあ、「開かずの間」の理由はちょっとどうだろうとは思ったけれども、読後感は爽やか。
    緑川聖司さんは至極まっとうな感じで、これもまた爽やか。
    野村美月さんは、文学少女系の物語で、ドロドロの女子の話だったのでちょっと苦手だったかな。中学生くらいのときのある種の女の子ってなんであんなに大げさになってしまうんだろう。方向性は違うけど、初めて赤毛のアンに会ったときのマリラの気持ちになった。
    加藤実秋さんは、服装でキャラを描写する人なんだなということを改めて思った。たぶんそこが苦手なところなんだ。ポップなんだけど、たまにそのテンポについていけなくなる。メタボ幼児の颯太は食事指導が必要なんじゃないか?

    そういえばこれってミステリーだったんだよな。大前提を忘れそうになる。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。同作は書籍化され大人気シリーズとなり、ドラマ化、舞台化、コミック化された。他著に「モップガール」シリーズ、「アー・ユー・テディ?」シリーズ、『チャンネルファンタズモ』『ご依頼は真昼のバーへBarホロウの事件帳』『風が吹けば』『桜田門のさくらちゃん』『学スクール園王キングダム国』『ゴールデンコンビ 婚活刑事& シンママ警察通訳人』「メゾン・ド・ポリス」シリーズ、『警視庁レッドリスト』などがある。

「2023年 『警視庁アウトサイダー The second act 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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