- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591127230
作品紹介・あらすじ
シリーズ累計20万部突破!
『コンビニたそがれ堂』の著者による幻の名作が、
いま待望の文庫化。
行方知れずの父親をさがして人間の街に下りてきたやまんばの娘・由布。
自称ワルの小学生・千鶴を助けたことがきっかけで、
彼女の祖母が営む下宿「海馬亭」にやっかいになることに――
海からの風が吹きわたる風早の街。
古い洋館「海馬亭」で繰り広げられる、由布と愉快な住人たちとの心温まる交流譚。
文庫版には書き下ろし中編を特別収録。
『コンビニたそがれ堂』著者の初期傑作が、新たな物語として生まれ変わりました!
感想・レビュー・書評
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みんながみんな心優しくて、ホッと安心できる。一見、のほほんとした雰囲気なのもまた好い。
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「ごめんねのくまさん」
勘違いされたまま。
本当のことを話しても信じてもらえないだろうが、それならば真実に近いシナリオを作っておくべきだったろう。
「とりあえず記念写真」
ひねくれ者を探し。
自ら選択したのであれば納得し頑張ろうと思うだろうが、勝手に決められ一人になったら帰りたいと願うだろう。
「虹色タイルと宇宙船」
諦めようとした夢。
時間をかけて作り上げてきた世界が完成する目前に、全てを失ってしまったら誰だって自暴自棄になるだろうな。
「大みそかはこたつみかん」
街中が死に向かい。
長く生きることが出来ないと分かっていたのであれば、早い段階から準備をすることは不可能だったのだろうか。
「眠れる街のオルゴール (前編)」
誰の為に歩くのか。
色んな病院に行っても答えは同じであるのなら、疑うべきは心に抱えている枷となる想いだと気付くべきだろう。 -
山の神(やまんば)の娘、由布は、行方知れずの父親を捜して、風早の街へ降りて来た。 たまたま出会った小学生、千鶴に導かれ、元はホテルだったという「海馬亭」に住むことに。 一癖も二癖もある住人はそれぞれの悩みを抱えつつも、由布を暖かく迎え入れる。 山に残る姉への手紙という形で綴られた4篇のエピソード。
後半は、それから17年後の出来事。 家族のために頑張りすぎて歩けなくなってしまった少年、景を巡る物語の前編。 医師の千鶴先生の勧めで、今は住む人もない海馬亭で過ごすことになった景は、不思議な人に出会う。
いつの間にか欲しい本リストに入っていたのだけど、買ったきっかけは表紙絵が片山若子さんなのに気づいたから。 米澤穂信さんの小市民シリーズの表紙で知った、鮮やかで優しいタッチの絵が似合う世界観なら、きっと良いに違いないと。 こんな物語に小学生の頃に出会えたなら、とても幸せなことに違いない。 -
面白かった!
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「やまんば娘、山を下りる」の文庫版。
山の女神の娘、由布が風早の町におり、父親を探す物語。どこか「竜宮ホテル」に通じるものを感じる。 -
やまんばの娘である由布が、昔出て行ってしまった人間である父を探すために人間の世界におりてきて、泊まることになった海馬亭での話。海馬亭いいなー。最後の、景くんが拾ってきた豆太とねこまたの話も好きです。あたたかい話ばかり。
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風早の街シリーズです。
この"風早"なのですが、本書で造船の話が出てきたことから、やっぱり"諫早"がモデルだと確信しました。
物語の内容ですが、『さて!少年の運命や如何に!!』的な終わり方をしてます。
早速続編を読みます。 -
「やまんばの娘」と書かれると、髪振り乱し包丁をかかげて追いかけてくるあの姿しか思い浮かばないので、読む前にためらいがあったけれども、山の神の娘、と書かれれば問題なく。
泣いたりはしなかったけれども、心あたたまる、人々のすれ違いと交流。
海馬亭に住まう面々ではリリーさんがお気に入りでした。