- Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591129562
作品紹介・あらすじ
夏休み、家族とはなれて、海べの町ですごすことになった、香菜。ともだちもいなくて、毎日、つまらない。でもある日、香菜の前に、ふしぎな女の子があらわれ…。日本児童文学者協会、ポプラ社「新・童話の海」第3回公募入選作。
感想・レビュー・書評
-
4年生の香菜には、まだ小さく体の弱い弟ジュンがいる。そのため、夏休み、祖父母の住む海辺の町ですごすことになる。お祭りで赤いガラス玉についたゆびわをもらう。そのゆびわをつけて岩場で一人で遊んでいると、香菜よりちょっと小さい女の子があらわれ、いっしょに遊んだ。帰り際、女の子と香菜は、明日交換するという約束でおたがいのゆびわをかしあう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
香菜には体の弱い弟がいて、お母さんはいつも弟のジュンばかり心配するから
香菜はおもしろくなくて、ついプンプンしちゃう。
ジュンのせいで、夏休みなのにどこにも遊びに連れて行ってもらえないと
なげいていたら、お父さんが、岬のおじいちゃんちにとまりに行ったらどうか
と言ってくれた。
ひとりでバスに乗って行くことになった香菜は、強がっていたものの、
やっぱり心細くて泣けてしまった。
漁師のおじいちゃんについて行った浜で、香菜は一人の少女に出会った。
少女はカニや魚を捕まえるのがとても上手だった。
香菜がお祭りで買ったおもちゃの指輪がとても気に入ったようなので、
一日だけ貸してあげることにしたら、少女も貝殻でできた指輪を持ってきて、
貸してくれると言った。
その指輪をつけて海に手を入れてみたら、海水が虹いろに輝き、
カニや魚をかんたんに捕まえることができた。
なんてすてきな指輪!
翌日、少女にお互いの指輪を交換しようと言ったら、激しく断られた。
少女に貸していた香菜の指輪は、赤く錆びてしまっていたので、
香菜は、ついいじわるを言って、強引に貝の指輪を持って帰ってきてしまった。
「香菜は悪くないもん」
おじいちゃんにわがままを言って叱られたり、お母さんからは電話が
来なかったりでおもしろくなくなった香菜は、「うちに帰る!」と
おじいちゃんに言い放った。
その後、天気が急に悪くなり、漁に出たおじいちゃんがなかなか帰ってこなかった。
香菜は自分がいじわるをしたせいで、海の神さまを怒らせてしまったのではと
心配になった。 -
夏休み、イライラ、ムシャクシャしている香菜。
弟は入退院を繰り返しているし、お母さんは弟の世話ばかりしているしで、香菜はずっとがまんばかり。
つい、弟に意地悪なことをいってしまいます。
そんなとき、一人で行ったお母さんの田舎で不思議な女の子に出会い…。
大きな自然に触れることで、自分の心に必要なものを取り戻します。
岬の自然がステキです。 -
いろいろな風景がリアルに浮かんできて良かった。
「神様の子どもになって、はまの人たちをずっと見守ってくれているんだって。……海はときどき、おっかない。……だども、ふじぎなことに、こうして海を見ていると、心がなぐさめられる。ザワザワ波の音をじっと聞いていると、また元気になって、なみだをふいて立ちあがることができるもの」
がんばれ、岩手。