([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)

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著者 : 大野更紗
  • ポプラ社 (2012年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591130216

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([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ユーモアをめちゃくちゃコーティングしてくれてるおかげで、深刻すぎずに読めるけど、ものすごい難病だよこのひと!
    読後は、難病患者といえども自分の足で立つ必要がある(精神的に)こと、気持ちを強く持つって大切だけど大変なこと、に気づく。
    友情や医者との信頼関係が壊れていく章が切ないけど、真実はこの1000倍つらかったんだろうな。ほんとに、よくこんなにユーモア溢れる文章で綴れるな、著者の精神力に脱帽です。

  • 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    大野/更紗
    1984年、福島県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒。上智大学大学院グローバルスタディーズ研究科地域研究専攻博士前期課程休学中。学部在学中にビルマ(ミャンマー)難民に出会い、民主化運動や人権問題に関心を抱き研究、NGOでの活動に没頭。大学院に進学した2008年、自己免疫疾患系の難病を発病する。1年間の検査期間、9か月間の入院治療を経て退院するまでを綴った『困ってるひと』で作家デビュー。2012年、第5回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞

    とてつもなく困っている自分自身を綴った手記のようなもので、コミカルな文調で書かれているが、読んでいて時折涙が出てくる位悲惨で、良く生きていたと抱きしめてあげたい本です。自己免疫系の病気は自分ではどうしようもないものなので、完治は無く一生付き合っていかなければならない。それなのに世の中の福祉からは見捨てられたような存在で、難病を抱えて生きるのはまさにコンクリートジャングルをサバイバルするような物だと知りました。ほんのりとした恋の部分では本当に泣けました。また著書を読みたいと思います。

  • 難病に犯され、とにかく辛い、何度も諦めそうだけど、それでも絶望はしない。作者は明るく前向きに困難に立ち向かって行く。作者の感じた困ったこと、例えば書類の手続き、病の為に簡単な生活行動も困難なこと、などなどが正直に赤裸々にときおりギャグなんかも入って語られている。彼女の言うことは決して一時的な苦しさや困難から出たものではなく、他の人も頷くであろう共通の困ってること、不便さだ。根本的な解決は簡単には出来ない。絶対に。分かっているだけにこの理不尽さが悔しい。大学時代福祉を勉強してきたので、彼女の言うことはひとつひとつが全くその通りで正直で、それでも彼女のニーズがそう簡単に満たされるはずもないのがわかり、とにかくそういうことが胸に突き刺さりました。

  • 壮絶の一言。
    痛い、苦しい、辛いの嵐なのに中断出来ず、一気に読み切ってしまった。

    大学院生だった著者が自分の居場所を見つけて、夢中で追いかけるものも見つけて、多忙な日々を過ごしていたそんな時、いきなり動けなくなる。
    高熱と全身の痛みに耐えながら病院に行くも、診断は曖昧で治療の効果もない。
    そんな状態なのにタイに行ってしまう著者のパワーに驚きながらも「ダメだ、やめろ!」と内心で叫んでしまう。

    大野さんはパワフルな方だ、と思う。
    そしてすごくまっすぐな方だ。
    発病前はそのパワーはビルマ一直線だった。彼女の生きる道だった。
    発病後、体が動かなくなって、生き続けることにとんでもないパワーが必要になったけど、それは彼女を生かす力にはならなかった。
    恋をして、生きたいと思えるまでは。

    難病との闘い、社会制度との闘い、彼女を苦しめるものの数は多い。
    では、彼女を支えているものはなんだろう?と考えると、それは人だと気付く。
    「ここを最後にしよう」と決意して単独で乗り込んだ病院で受け入れてくれた医師、普段は離れて暮らす両親、日々の煩雑な手続きや雑用を手伝ってくれる友人、そして彼女に1番力をくれるDIY難病男子。

    この本を読んでいると、「人」の重要性を思い知らされる。
    ギリギリ崖っぷちにいる彼女の目を通すと医者も役所の職員も、誠実かどうか一瞬で見破られてしまう。
    彼女が誠実な人達に出会って、生きていることをとても嬉しく思う。
    そしてそういう「人」がもっと増えることを心から願う。

  • 大野さんの頭の回転の速さ、センスの良さ、キレが好き。
    難病にならなければ見えなかっただろう、手助けがなければ死に至るかもしれない当事者の気持ち。
    そして当事者ではなく、何かしてあげたいと感じる、助ける側の気持ち。
    ビルマ難民の研究をしていたからこそ、
    双方の視点を持つことになった。

    病気そのものだけではなく、それらに向き合った人の心理状況を、描き出している。

  • うら若き女性の難病闘病記です。毎日生きること自体が大変なんだけど、彼女の持つ洞察力、面白おかしい表現力で、読み手に苦しさを与えないどころか、おかしく楽しく読めます。ただ、ここに書かれていることは、結構シビアで、いかに日本が弱者に優しくなく、生きにくい国であるかということが書かれています。

    特に印象的だったのが、その国の素性は弱者の姿でわかるということ。お金持ちというのは、たいていどの国でも似たような生活を送っている(例:優しく聡明な妻、海外旅行等)。日本は豊かな国と言われているが、弱者に対してはどうか?補助が出るとは言え、重なる出費。そしてその補助を受けのに必要な膨大な書類の処理。

    最後の方は、担当医師への恨みつらみや文句が増えてきて、読者によっては、ちょっと違和感というかいやな感覚を持つかもしれません。最初、私もそう感じました、が、どちらかというと彼女の心情に近い気持ちを持ちました。医師は患者のことを永遠に理解できないとか言うのではないです。大前提、ゆるぎない事実として、医師は患者ではない。だから彼女が自分で引っ越しを決めたように、自分で自分の道を決める。お医者さんの言いなりではなくて、ということなんだと思います。

    彼女が恋をするところについては、こちらも読んでいて胸が切なくなりました。彼女は今も素敵な恋をしているかしら?一読者として、一女性として応援しています。

  •  とっても軽いノリなのに迫力があるエッセイ。
     この迫力は、全てが「べき論」ではなく、「リアルにどうすれば切り抜けられるか!」という切羽詰まった気持ちで書かれているからこそのものだと思う。
     筆者は、自分が生きることに余念が無いのだ。
     生きることに余念が無いなんて生き物として当たり前なのに、僕を含め多くの人は余念だらけで生きてるんだろうなぁ。
     人生には、余念だらけで全く問題無いほど楽な時期もある。 もしかして、一生、楽に生きられる人もいるかもしれない。 その一方で、一生、日々を生き抜くだけで精一杯の人もいるだろう。
     不平等なのだ。 でも、自分がどんなに「困ってる人」になっても、とにかく生きてゆくしかないのだ。 僕にそれができるだろうか? わからない。 その時にこの本が僕を勇気づけるだろうか? それもわからない。 結局、困っていない人が困ってる人のことを想像するのには限界があるのだ。

     筆者の始終アタフタとしている感じや、いつも自分のことを最優先に考えて行動したり愚痴をこぼしたりするところに違和感を感じる読者もいるかもしれない。 でもそれは、本を書くような「困ってる人」が、しばしば立派すぎるからだと思う。 常に周りへの感謝を忘れず、自分自信を深く知り、穏やかにふるまう強さを持つ・・・そんな立派な「困ってる人」なんて、ほんのひと握りのはず。
     この本は、立派になれない多くの「困ってる人」に「大変だよね。やってらんないよね。でも、がんばるしかないんだよね。」と、同じ「立派になれない困ってる人」ならではの優しい目線で語りかけている。

  • なんか大変なことになってる!ということはわかったけど、どんだけ重病なのかが読んでいるときの想像と、実際にズレがある気がした。
    恋人(?)の出現もなんか唐突だし。
    最後が知りきれトンボで(話し終わってないけど)、なんとなく不満。

  • 単行本のときに立ち読みして、ちょっとなあと思っておいた本だったけれど、友人がおもしろかったというので、文庫になって読んでみた。

    明るくユーモアを交えて書いてあるので、だまされそうになるのだが、彼女はそうとうにしんどい状態だ。自分だったらここまで自分のことを客観視したりできないかもしれないと思うし、もっとワガママなふるまいに出てしまうと思う。

    また、難病とはなにかや、日本の傷病者に対する支援制度の行き届かなさについても、考えさせられた。介護保険制度の問題などで、老人やしょうがい者がますます生きづらくなっている印象は受けていたけれど、それだけれではなくて、もっと全体的に相変わらず健常者というか、健康な男性中心に社会制度はできているのかーやっぱそうっぽい。っと思った。

    またまた、医療の現場で発揮される恩恵モデルというか、パターナリズムに対しても考えさせられた。医者は本当に患者より患者のことをわかっているのか?という問題。「こうした方がいい」という医師のアドバイスは確かに病気の治療に関しては、素人である患者にとって有効なアドバイスだろうが、生活や嗜好に関してまで、アドバイスするのはどうなのかと思った。患者の人権の問題について考えさせられた。

    病人だからといって、やれそうなことまで制限されるのはおかしい。でも、病気のときはこころも弱るものだから、果たして自分だったらばどこまで怒りを行動のエネルギーに変更できるかと考えたら。。。。

  • 文庫版なのでこちらに。

    年齢が近く環境も似ていた著者の書くとても軽妙でユーモア溢れる文章に、
    本当に毎日死にそうになってる人の日常なのかわからないほど
    笑ったり泣いたりしました。ムーミンとかおしりとか…!

    それでも必死に(きっと文字以上に必死に)日々を迎えて
    生きること(デート)を選択するそのタフネスには脱帽。


    人がひとり生活する、生活していくということ。
    それは社会と共存するということ。ときには書類になって。

    人を絶望の底に追いやるのは人だということ。
    人を絶望の底から救ってくれるのもやっぱり人だということ。
    感情があるから人はまだ生きられるということ。


    私も一時期「難」のつく病気になったときのことを思い出しました。
    まあ難聴だったんですけど。
    この本に書かれるようなことは全くなく、それでも結構困った。
    そして完治はしてないけどまあ「治った」範囲なんだろうけど。
    プレドニンも飲んでたけどこんなに覚悟しなかったけど、とか思いながら。

    著者はすごく頭のいい人だと思うし、いつか症状が緩和して
    ビルマに関わるお仕事をしてほしいと応援せざるを得ない。
    けど平和な普通の毎日も過ごして欲しい。
    もうなんでもいい。幸せになって欲しい。
    幸せってなんだろう。って打ったら幸せって難だろうって変換された。
    やっぱり難だらけかもしれない。けど、彼女なら乗り越えてくれるはず。

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15万部突破のベストセラー、より多くの「困ってるひと」に届けるため、異例の緊急文庫化!
難民を研究していた大学院生女子がある日突然原因不明の難病を発症。想像を絶する過酷な状況を、澄んだ視点と命がけのユーモアをもって描いた類い稀なエッセイ!

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