十六夜荘ノート

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 388
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591130704

感想・レビュー・書評

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  • 主人公雄哉の大叔母・玉青さんの生き様に感動。
    装丁に一目惚れして買ったけど、中身にも満足!
    読後感がとてもいい。

  • 戦時中の大伯母と現代の姪孫のストーリーが交互に綴られていて、思ったより読みやすかった。

    今も昔もどんな世にも、自由な心を貫いて、好きなことをして生きる人たちがいるんだなぁ。周りに評価されるかより、自分がいいと思ったことを大切にしたい。

    せいちゃんのキャラが好きすぎる。「贅沢は敵」という世の中で、「贅沢は素敵」って堂々と言えるところ素晴らしい。私も、いい時も悪い時も、あんな風に明るく楽しく生きる姿勢でいたいと思えた。


    人生には月のように満ち欠けがあるけれど、それでいい。欠ける時期も大切で、だからこそ次の満月がより美しくなる。そんなこの本のメッセージに、優しく応援された気がした。

  • 一人静かにこの世を去った大伯母から、高級住宅街にある古い洋館を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、なぜか屋敷は「十六夜荘」という共同住宅になっていた・・・社会からドロップアウトした変わり者たち。
    大伯母はなぜ雄哉に託したのか。その屋敷に隠された秘密とは。

  • なんか最近戦時中のアホな男どもと戦う作品に縁があるようで。価値観には幅広いフィールドがあるということをどっかで分かれたら良いね。

  • 現代と戦時中を行き来する物語でした。大伯母の過去が少しずつ分かって来る度に、戦時中の過酷さとそこに生きる人達の逞しさが感じられました。

  • ・昭和と現代でフォントが変わってる
    気付いた時に静かに鳥肌が立った

    ・戦時中前後の男児の色気
    奔放でありながら責任も果たすという心意気がそう感じさせるのか

    ・まさかのシャオディー
    ここでそう来るか
    ここを読むまでは志雄だと思ってた
    でも年齢的に合わないしなあ、とぼんやり思ってた

    ・古内一絵さんはマカンマランでしか知らなかったけど、心温まるストーリーを書く作家さんじゃない。人の心というものを取り出してフォーカスを当てる作家さんだ

    ・読んでいて、ほんとうに周りの音が消えた瞬間が何度かあった。読み手にこう体感させるお話に出会うと嬉しい。
    サァッと音が無くなるのは一瞬だけど、その一瞬のために沢山それまでのことを書く必要があるから。


    本当にノートだった。最後、これで終わりだと思ってやられた。もう一度初めを見てなるほどと思った。
    読み始める時に目次を見て違和感を覚えた。昭和何年、という年号だけが合間に挟まれていて意味が分からなかった。これは読み通してようやく分かるちょっとした謎。
    こんなに綺麗にまとまってるお話も珍しい。
    マカンマランのようなほっこり系を想像していたが、確かにベクトルは合っていたけど手放しで安心できる題材でもなかった。
    戦争が絡むものってどうしてもずーんと来てしまう。だから夜に読むべきではないのに、読めば読むほど面白くって、結果深夜に渡って後半は一気読み。

  • 雄哉の言動にどうしても共感できず、少しイライラした。こういう人と仕事したくないなぁ。
    戦時中~戦後の華族については、ほとんど知識がなかったので、興味深く読めた。
    それにしても、古内さんはオカマキャラが好きなのね。その頃からこんな人いたのかな?

  • 現代と、第二次世界大戦頃が交互に進んでいく。
    あの戦争についてたくさんの日本人が犠牲になったというようなことを繰り返し擦り込まれてきた。
    でも日本人だけではなく当時日本の統治下だった国の人々こそ犠牲者だったと改めて思った。
    そんな世の中で高い教育や教養を身に付けた華族のお嬢様の生き方は尊敬する。
    終戦後に夫を亡くした女性が軍人が弱いから自分はこんな惨めにされた!と訴えていたシーンがあったが、政府がしっかりしていないといつの世も市民が苦しむ。ガースー頼むよ!

  • これは面白かった主人公の思いが強すぎて 会社勤め人はある程度は妥協しないとなかなか務まらない 早く気がついてよかった大財産を受け継ぐ主人公は戦前からいろいろ調べ大変な思いであった

  • 2020/11/18
    現代と戦争中を行ったり来たりする。
    戦時中の互いを監視し合う魔女狩りみたいな空気がホントに嫌い。
    今のネットで炎上しまくるのも近いものがあって怖い。
    不謹慎狩りとかやめようや。
    正義を振りかざすの怖いねん。
    とまあ過去パートがつらかったけど玉青さんは潔くかっこよかった。
    現代パートの雄哉も極端に完璧主義で独善的やったけど、おばはんは思う。
    そんな生き方はしんどいやろ?だいたいでいいねん。
    楽しく生きよう。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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