アイリーンといっしょに

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制作 : Terrell Harris Dougan  宇野 葉子 
  • ポプラ社 (2012年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591130766

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アイリーンといっしょにの感想・レビュー・書評

  • 私はこれまでに、障がいを持っている方と触れ合うことがあった。
    ある方は普段は寡黙で優雅な老婦人で、たまに誰かに見張られている恐怖のあまり、叫びだす。
    ある方は、五十代のご婦人で、松田聖子が好きで音楽をよく好み、私に上手くできた塗り絵や折り紙を子供のように自慢げにみせにくる。
    そして、そういった方のうち大勢の方がカラオケが好きで、日曜日になると自分たちで看護師さんに機材を借り、カラオケの会を開き、気持ちよさそうに歌を歌ったり、聞いたりしている。


    この本は、知的障がい者の妹・アイリーンと自分の事より妹の幸せを優先する姉・テレルの話である。

    著者であるテレル・ハリス・ドゥーガンはスタンフォード大学で学び、在学中に学生コンテストで『マドモアゼル』誌のゲスト編集者に選ばれる。そして、『デザレット・ニュース』紙のコラムを13年間執筆し、全米女性記者連合会よりベスト・ユーモア・コラム賞を受賞する程の逸材である。
    また、ユタ州の知的障がい者の支援活動を進め、保護作業所やグループホーム設立に尽力する人物である。

    アイリーンとテレルの話は興味深く、またとても読みやすく、重いはずの話なのに映像が目に浮かぶ情緒豊かなシーンやところどころに散りばめられたユーモアにくすっと笑わさせられる。

    特に気に入ったエピソードは、
    友人たちと一緒にいるアイリーンはみるからに愛すべき人物になるが、そうでないときもある。
    ある年、アイリーンは知的障がい者のためのスペシャルオリンピックのボウリングチームに参加する決心をしたが、練習初日にチームメートのひとりが誤ってアイリーンのボールを手にとると、アイリーンは腕を振り上げ彼女を平手打ちし、そのためチームを去らなければならなくなった。
    でも、仲のよい友人たちが電話で「アイリーンに会いたい」といってきたときは、たいていボウリングに出かけた。友人の腕前が悪いほど、アイリーンは喜ぶのだ。

    また、アイリーンは保護作業所に働きに行こうとしない。家にいて一日中スナックを食べてテレビをみていたかったのだ。

    テレルは問う。
    妹にはしょっちゅう手を焼いている。
    しかし、あなたの家族にも手を焼かせる人がいるのではないか?友達に困った人がいるのでは?ときどき苦痛を感じるのでは?

    アイリーンは知的障がいがあるが、愛すべき人だ。

    テレルはさらに問う。
    これが現実なんだ。私が妹の面倒をみるようになっているんだ。だからどうだっていうのだ?

    (ここからとてもいいことが書いてあるので、あえて伏せておきます。興味を持った方がこの本を手にとってくれますように!)

  • 知的障がいの妹、アイリーンをもつ姉テレルが書いた本。裕福な家に生まれ、才能にも恵まれ、妹との生活をユーモアも交えて紹介。アイリーンも本当に恵まれていると思う。それは父親やテレルの奔走あってのこと。

  • 知的障がいのある妹・アイリーンとの関わりを姉の立場から綴る。
    著者・テレル自身は、大学在学中からライターのセンスを認められ、ハイスクールのあこがれの彼と結婚をし、二人の女の子に恵まれ、新聞にコラムの連載をし…幸せな人生といえよう。
    しかし、テレルは年老いていく両親と、支援施設でトラブルを起こすアイリーンを気遣い、両親が亡くなった後のアイリーンはどうなるのか、心配でたまらない。共依存症(依存されることに満足を覚える)とまで言われ、それでもアイリーンのために良かれと、あれこれ走り回る。
    障がいのある人を家族に持つことに大変さを、コラムニストとしてユーモアを交えつつ読ませてくれる。

  • 雷が落ちた日
    私のせいなの?
    さよなら、私の家
    子供時代の終わり
    大学、そして結婚
    風車に突撃するように
    グループホームをつくる
    アイリーンの居場所は?
    振り出しに戻る
    母と旅に出る
    悲しみとかんしゃく
    人生の楽しみ
    アイリーンの家
    地域社会にとけこむ
    私は共依存?
    アイリーンの好きなこと
    喜ばせたかったのに
    友人たちーそして将来
    アイリーンへの手紙
    おしまいのサプライズ

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アイリーンといっしょにの作品紹介

知的障がい者の妹と過ごした愛と勘違いとハプニングの日々-。共に歩み齢を重ねていった姉妹の人生の輝きが、まれにみる美しさで胸にせまる文芸ノンフィクション。

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