なでし子物語

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著者 : 伊吹有喜
  • ポプラ社 (2012年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591131428

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なでし子物語の感想・レビュー・書評

  • 家庭教師の青井先生が耀子にくれた、今を変える魔法の言葉。
    「どうして、って思いそうになったら、どうしたらって言い換えるの」

    入院の合間に幼稚園に行っても、いつもぽつんとひとりぼっちだった小さな私にも
    今、居場所がなくてつらい思いをしている子どもたちにも
    もちろん、子どもを守る世代となっても、
    やっぱり世の中の理不尽と戦わねばならない大人たちにも、
    この言葉をかけてあげられたら、と思いました。
    「どうして」と自分を責めることなく、「どうしたら」なりたい自分になれるのか
    未来を見つめ、必死でもがいて戦う。その凛々しさが胸を打つ物語です。

    母に捨てられたのは、頭のねじが取れていてグズだからだ、と自分を責める9歳の耀子。
    権力者の父と年若い愛人の間に生まれ、その母にも去られた病弱な少年、立海。
    最愛の夫を若くして亡くし、忘れ形見の息子とは心が通い合わず、諦めの中で生きる照子。
    血の繋がった家族とは哀しいほど縁の薄い3人が、峰生の山奥の常夏荘で
    おずおずと手を差し伸べあいながら繋がっていくのが、切なくて、そしてうれしくて。

    感動作でありながら、表紙のイメージから
    「きっと、昭和初期の少女ふたりを描いたノスタルジックな物語なのね」
    と抱いていた予想を、軽やかに裏切られて驚く本でもあります。
    まさかもう、80年代が郷愁を帯びた時代として描かれようとは。。。

    2本とも一気に食べると叱られたパピコとか
    教育上見せたくない番組の筆頭だったドリフとか
    ラジオから流れるオリビア・ニュートン・ジョンの『ザナドゥ』とか、
    確かに懐かしいのだけれど、あの頃がもう、昔の範疇に入ってしまったかと思うと
    急に自分がおばあさんになってしまったようで、なんだかちょっとせつないような。

    でも、大人の事情に振り回されながらも、ノートに
    「自立、かおをあげて生きること。
    自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること」
    と書きつけて生き抜こうとする耀子に、
    いやいや、老け込んではいられないわ! と、勇気をもらって。

    離れたくない!と一生懸命小さな手を伸ばし合う燿子と立海は
    なんだか性格を逆転させたハイジとクララのようで
    未亡人である照子の視点を交えた分、ほろ苦いエッセンスが加わった
    日本版『アルプスの少女ハイジ』とも言うべき名作です。

  • 小泉今日子さんの『書評』で読みたくなった作品。

    耀子と立海──。
    どんな理不尽なことも、受け入れなければならない幼い子供。
    耀子の生い立ちが痛々しくて、読むのがつらかったです。
    また、ひ弱ですぐに倒れてしまい、周囲に迷惑をかけることを恐れる立海の気持ちもすごくわかりました。

    そして青井先生がとてもいい。 
    耀子が自分のことを「グズだから」と卑下したときに、「丁寧だから人よりゆっくりなのかもね」と言ってあげた場面が好きです。
    洗濯物の畳み方を例に出して「丁寧で慎重なのはとても良いことなのよ」と、
    一つ一つ勉強していけば無理なことなんてないのだと。

    「自律」とは自らを律すること。
    美しく生きるということ。新しい自分を作ること。
    「自立」とは、自分の力で立つということ。
    うつむかずに顔を上げて生きること。

    「やらまいか」すごくいいです。
    「どうして」ではなく「どうしたら」と考える。

    「あぁ、もう、どうしてこうなっちゃうんだろう…」
    と、すぐに弱音を吐いてしまう自分への教訓にしたい。

  • とてもよかったです!
    幼い子の孤独には胸が詰まりますが、しだいに機会を得て認められ、育っていく‥
    見守る大人達もまた、動かされていくのです。

    峰生の大地主の遠藤家。
    跡取りの長男は早世し、その嫁で未亡人となったテルコは一人息子に反発され、心もとない寂しさを抱えつつも、その地で暮らしていた。
    遠藤家の林業を支えて働いている祖父のもとへ、幼い孫の耀子が引き取られてくる。
    耀子は父に死なれ、母には育児放棄されて、自分をクズだと思い、学校でいじめられても蹲っているだけの子だった。

    遠藤家の御曹司の立海(リュウカ)が峰生にやってくる。
    立海は当主が愛人に生ませた次男で、病弱だった。
    一見恵まれた立場のようでも、若い母から引き離され、祖父のように年の差がある父親の意のままに動かされる立海。
    孤独な二人の子供が出会い、無邪気な友情をひたむきに育んでいきます。
    お館の当主の跡取りと、雇い人の孫娘という立場の違いにも、しだいに気づかされるのですが‥

    立海の家庭教師の青井先生が、最初のうちはどれぐらい関わってくるのかわからないのですが、彼女が素晴らしい先生なのです。
    自立と自律ということを教え、「どうして」と思ったら「どうしたらいいか」考えるように、と教える。
    子供たちの前途がただ幸福なだけではないとわかっても、ここでの思い出と学んだことは、この先をまったく違う光で照らし続けることでしょう。
    ひとかけらの胸の痛みと共に、ひとかけらの勇気を分けてくれる物語でした。

  • 自然がのどかで豊かな常夏荘での、夏から秋の物語。
    山を管理する祖父に引き取られ使用人長屋で暮らす耀子と
    本家の嫡男で療養に訪れた立海の、小さな恋未満の物語。
    二人とも母親の愛情に恵まれずに育って、吐き出せない思いを小さな体にため込んで痛々しい。
    普通なら、他の誰にも邪魔されない二人だけの世界に逃げ込んでしまいそうだけど、そうならなかったのは峰生の土地のせいなのか。
    常夏荘の人たちが、みんなあたたかくて素朴で、ノスタルジックな味わいがありました。

    旧時代的な名家は、神秘的な別世界の様相ですが
    体を丈夫にするために女の子して育てるだとか
    一生分の肌着を用意しておくだとか。
    でも凛としたおあんさんはとても素敵。
    彼女の母として女としての目線が、愛おしくて切ない。
    青井先生も、最初やな感じの女?と思ったけど、かっこいい。
    ゆっくりじっくり、噛みしめて読みたい本です。

    劣等感に脅えていたヨウヨが、自分を認めて顔をあげて生きていこうとする。
    この世の理不尽を乗り越えて、やらまいか、というラストが好き。

  • とても良い話だった。先が気になり一気読み。子供が元気な姿を見るのは気持ちがいい。ネグレクト・いじめを受けている小4の耀子と病弱な地方の名家の年下の坊ちゃん・立海。そんな彼らを取り巻く大人たちも互いに影響しあって『新しい自分』になって行く。耀子と立海が子供の約束を忘れることなく繋がっていってくれたらと願う。彼らはどんな青春期を迎えるのだろう。読み終えても余韻が残ってる。

  • 一気に読んでしまった。世界に引き込まれた。
    大人の都合で切ない想いをいっぱい抱えた子ども二人の出会いと、その二人を受け入れた大人たちの想い。
    すごく丁寧に描かれていた。
    「自立」と「自律」「やらまいか」がとてもいい。

  • 『四十九日のレシピ』の作家さんの本。

    最初の頃の、いじめの描写が残酷すぎて、読み進めるのが困難だったので
    一旦、ブクログのレビューをみたところ、高い評価だったので
    読み続けました。

    燿子と立海、それぞれの境遇のなかでも、お互いを必要として健気。
    周囲の大人たちが温かく見守っているのもすてきでした。

  • ★4.5

    間宮耀子は、父を早くに亡くし、母から捨てられ…父の故郷で祖父の住む峰生の常夏荘にやって来た。
    祖父は代々林業で栄えてきた遠藤家の山の管理人…常夏荘の長屋に住む。
    耀子は、学校でからかわれたり、嫌な事を言われたりされたら目を閉じて俯く事にしている。無かった事になるから…。
    常夏荘は遠藤家の跡継ぎだった夫を若くして亡くした『おあんさん』こと照子が管理している。
    常夏荘に、病弱で学校を休み療養にお坊ちゃま立海と家庭教師青井が預けられる。
    照子は、義父とも息子ともそりが合わずただ古びてゆく家の様に「しょうがないのやわ…」と、夫の思い出とともに静かに暮らしていた。

    苛めを受けていた耀子と、人の感情を敏感に感じ取り過ぎて吐いてしまう立海
    立海もまた、友達も出来ず苛められていた。
    そんな同じ様な苦しみを抱えた二人は、次第に仲良くなりお互いが無くてはならない
    存在になっていった。
    青井先生の導きもあり、二人は少しずつ成長していきます。
    子供達が大人の理不尽さに振り回され、苦しむ様子は本当に切なくなります。
    大人達にも色々なしがらみがあって…。
    照子も、そんな二人に触れるうち、変わってゆく。
    それは、遠藤家に仕える人々の心もゆっくりと温かみを帯びて変化していく。

    青井先生の言葉が本当に素敵
    自立--かおを上げて生きること
    自律--うつくしく生きること。あたらしいじぶんをつくること。

    立海も耀子も青井先生に巡り会えて本当に良かった。

    ハム兄弟も可愛い…『やらまいか』…良いね。

    照子の亡くなった夫・龍一郎もとても素敵な人だった。
    素敵な言葉を沢山照子に送ってる…。

    耀子の祖父の言葉も武骨だけど、優しさに溢れてる。
    不器用だけど、とても深い愛

    人と人との心が繋がって行く事で愛は深く伝わっていくんだな…。
    強く生きる事の勇気の大切さを感じました。
    とっても、温かい気持ちになれた物語でした。

    耀子と立海の大きくなった未来を知りたいな(❁´ω`❁)


    【撫子】
    花屋にはないちっぽけで、風が吹けばすぐ揺れる
    だけど折れない。いつも懸命に天に仰いでいる。
    天女のご加護

  • 四十九日のレシピ以来の伊吹作品。
    あちらも良かったが、これ、良いわぁ、買うリストに追記

    子供側の主人公、耀子と立海が実に良い。貧しいが故に虐げられたものと、立場が高い故に疎外されるもの、2人の心が通じ合う過程のけなげさと不器用さの美しいこと。読んでいて2人をぎゅっと抱きしめてやりたくなる衝動に何度かられたことか。

    大人側の主人公、照子にはあまり共感が沸かなかった(このキャラは女性でないと分からないだろうなぁ)が、家庭教師の青井と、耀子を引き取った祖父間宮がいい味出してるんだよなぁ。生き方も考え方もかなり違う青井と間宮、物語上ではちょくちょくぶつかりよるんだけど、それぞれが2人の子供に対峙する時の姿、言葉が凄くいい。

    耀子がハイジで立海がクララ、間宮がオンジで青井がロッテンマイヤー。他にもセバスチャンやペーターみたいなんもおるので、日本の昭和版ハイジとあらっぽく括れるが、かの名作と比較しても負けないだけの読み応えは十分ある。

    自立と自律、「やらまいか」という掛け声、「どうして」じゃなく「どうしたら」と考える。その言葉だけとればどれもこれも押し付けがましいが、ラストで青井が耀子に教え諭すシーンにたどりついたとき、得心いってしっかり胸に刻まれた。

  • p.107
    自立、かおをあ上げて生きること。
    自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること。

    p.389
    やらまいか。
    あたらしいじぶんを、つくるんだ。

    つらくなると目を閉じてやり過ごす間宮燿子が最後、この言葉を自分に言えて良かった。

  • おもしろかった!
    自分も輝子、立海と冒険して成長した気がする。
    ほろっと感動して、
    照子やおじいちゃん、常夏荘のみんなも二人の子に
    出会って、これから新しい生き方ができると思う。
     
    ****共感した言葉****
     自立 かおをあげていきること
     自律 うつくしくいきること

  • 伊吹有喜さん2冊目。母に捨てられた耀子と、病弱で田舎に療養に来ており女の子の恰好をさせられている立海。いじめられっこのふたりが出会い、心を通わせていく。じんわりと温かくなる物語。伊吹さんは人物の造形、描写が絶妙だなぁ。2013/004

  • 読売新聞の小泉今日子さんの書評のとおり、
    読んでいて何度も鼻の奥がつーんとなり、
    目もうるうるとしていまいました。

    豊かな自然に囲まれた日々の暮らしの中で、
    子どもたちは、人のぬくもりによって、
    大人は子どもの天真爛漫さに救われていく。

    最後は離ればなれになってしまうけど、
    それまで育んできた人と人の絆が、
    これからの人生を前向きに過ごしていく
    推進力になるのでしょう。

    優しい気持ちになり、本を閉じました。

    さあ、やらまいか!

  • 耀子と立海、2人が幼いながらに抱え込んだ重たく深い傷。特に耀子の境遇には冒頭からとても切なくなって辛いが立海や常夏荘の人達と共に過ごす内に少しずつ成長して行く耀子の様子にほっこりできる。常夏荘の大人達の目線の何と温かなことか!子どもの世界を大事にしてあげる忍耐力…私まだまだだなぁf(^_^;中盤からちょっと中弛みっぽくて疲れた面はあるけどラスト20ページ位でグッと心を掴まれた。青井先生が耀子や立海を諭す言葉が素晴らしい。読み手もすごく励まされる。耀子と立海にエールを送りたくなる素敵なエンディングだった。

  • いつも不安でいつも下ばかり向いていたヨウヨ。
    すこしずつ顔を上げて、すこしずつ前を見て、
    知りたいことができる。守りたいものを見つけられる。

    小さな二葉がゆっくり成長していくような、静かな息吹を感じながら読みました。

    友達がいる。いっしょにいるだけで強くなれる友達がいる。それだけで泣きたいくらいに幸せなことだ。
    ヨウヨのきもちが、リュウカのきもちが、どんどん入り込んできて、わたしまで幸せになる。
    友達ってふしぎで、勝ち負けじゃないのに友達に負けない自分でいたいと思う。恥ずかしくなく肩を並べられる自分でありたいと願う。

    遠く離れても、会えなくなってもその願いはつながっている。父母とも。祖父母とも。
    つながっている誰にも胸を張れる自分であるように。
    「これから」の鼓動を感じられる素敵なお話。

  • 【なでしこ物語】 伊吹有喜さん

    林業で栄えた遠藤家。その跡取りとなる男子は体が丈夫ではない子が多い。
    長男の龍一郎は早世し、龍一郎の亡き後、親父様と呼ばれていた当主の龍巳が
    愛人に生ませた次男の立海もまた病気がちであった。

    長男を亡くした龍巳は次男である立海の体を心配し、彼を療養させるため
    遠藤家のふるさとであり、自然にも囲まれた奥峰生へとやった。

    遠藤家の林を管理する間宮勇吉の息子・裕一は龍一郎の片腕となり
    働いていたが、彼も龍一郎と同じく早世した。裕一には一人の娘・燿子が居たが
    裕一も早世し、嫁は娘の面倒を見ず、燿子は祖父勇吉の元で過ごす事になった。

    そんな大人の都合に振り回され続けた二人の子供、立海と燿子が奥峰生で出会った。
    彼らはお互いを思いやり、求め合い、心の悩みに立ち向かい少年少女へと脱皮していく。。



    この本もマイミクさんのレビューを参考に借りてきました。
    不思議な読後感。。子供には子供の世界がある。
    身勝手な親の都合で苦難を強いられる二人の小学生。
    彼らは奥峰生で働いている大人や家庭教師によって絶望を希望にかえて行く。
    そして、遠藤家の家紋ナデシコの如く強く生きていこうと決意する。
    これも、いい本でした〜。。

  • 「四十九日のレシピ」の人だってのと、
    装丁のかわいさに惹かれて読んだのですが、

    泣ける。
    泣ける。
    泣ける。


    ずるずると鼻水を出しながら読みました。

    たまに、情景がうまく想像できず、あまり文章うまくないのかな、、、って思うこともありつつ(わたしの読み方のせいかも)、あったかい。

    あったかいです。

  • 代々林業で栄えた、遠藤家のお坊ちゃん・立海と、その山守として仕える間宮家の孫娘・耀子。
    そして、立海の義理の姉になってしまう長男の嫁・照子。

    小学生の立海と耀子は、複雑な境遇故、学校では馴染めずいじめにあっています。辛い日々の中、二人が心を通いあわせていきます。
    そんな二人を支え、見守ることで、長男である夫を亡くした照子自身が柔らかさを取り戻していきます。

    大人たちの理不尽さに振り回される子ども達…。
    それでも顔を上げる、前を向く、その強さを身につけていきます。
    誰かがいてくれること、ぬくもりを感じられるからこそ強くなれるのでしょうね。

    『やらまいか』…。この地の方言で、「やろうじゃないか」という意味です。
    ぐっと丹田に力が入るおまじないのような言葉です。

  • 四十九日のレシピが大好きで、同じ作者さんの本だから手に取った。小さい時からあまり他人と上手くやれなかった自分と、耀子のつらいひとりぼっちな気持ちが何度もリンクして、辛くなった。それだけに最後の青井先生の言葉は、私にも力をくれたように思う。『どうして』と自分を責めない。『どうしたら』と前に進もうとすること。どうして、どうしてって嘆き続ける人生より、どうしたら、どうしたらって、必死でもがいて戦う人生を私も選びたい。

  • 母親に捨てられ、祖父に引き取られたいじめられっ子の燿子と、御曹司 遠藤立海の友情と成長の物語。

    立海は最初、屋根に登るようなとんだ悪戯っ子で、大人を呼び捨てにする太々しい子だと思ったけど、燿子を思い遣るとてもいい子でしたね。
    すぐに好感を持つようになりました。

    ハム兄弟のクリスマス会にお呼ばれしてソーセージを食べるシーンが好きです。
    ポキッという音が聞こえてくるようで、ソーセージを食べたくなりました。

    それに続く、事務所で布団1つ挟んで話すシーンも印象に残りました。
    ジーンと来ます。

    2人は離れてしまったけど、それはそれで良かったのかなとも思います。
    同性同士ではなく異性間の友情は思春期になると難しくなると思うので。
    異性として意識することなく仲良かった頃のお互いを心に留めて辛いことを乗り越えていく、そんな関係を築くことはきっと大人でもそうはないと思うので羨ましいです。

    2人共一回り大きくなって成長してくれて微笑ましかったです。

  • 王様のブランチで作者のお話を聞いて、読み始めたものの、最初はちょっと、古い独特の世界にあまりなじめなかった。

    ところが、だんだんと人間関係がわかってきて、青井という家庭教師が主人公の耀子にかかわるようになってきてから、少しずつ希望がもて、読み進めるのが楽しくなってきた。

    最後はとてもすっきりとした読後感!

    以下の文は、ぜひメモをしておきたいと思った。

     自立、かおをあげていきること。
     自律、うつくしくいきること。

     『どうして』と自分を責めない。『どうしたら』と前に進もうとする。

  • 『四十九日レシピ』がとても良かったので作者繋がりで

    凛とした青井先生が伝える言葉はとても印象的で染み渡るのですが、作品全体としては。。。
    と、まさかの★3つ。

  • 390ページ余りのボリューム感がすごい。

    しかしながら全体として散漫な印象が残るのは、複雑な人間関係を書き込もうとする気持ちがはやりすぎて、対象を拡げ過ぎたせいではないだろうか?

    読み手として知りたいのは、謎のままになっている主人公・耀子の父親の生前の様子や早世した次世代当主の龍一郎との関係だろうし、他にも耀子の母の家出の理由などいろいろある。

    ストーリー展開でも、人間関係で不可解な点あり。(当初いじめっ子として登場した耀子の同級生ハム君やその弟スケ君とのその後の友情のやり取りなど、、、)

    ちょっと欲張りすぎて収拾がつかなくなった感じで残念だなあ。

  • 「四十九日のレシピ」伊吹有喜の新刊。どんな話かな?

    ポプラ社のPR
    「ずっと、透明になってしまいたかった。
    でも本当は、「ここにいるよ」って言いたかったんだ。
    居場所のない少女と少年、そして早くに夫を亡くし過去に生きる女。
    三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―――
    『四十九日のレシピ』の著者が放つ、
    あたたかな感動に満ちた物語。
    「もう、泣かないで」
    父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、
    学校ではいじめに遭っている耀子
    夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、
    過去の思い出の中にだけ生きている照子。
    そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。
    彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。
    時は1980年、撫子の咲く地で三人は出会うこととなった。」

  • 思ったより良かった。
    途中からずっと泣きそうになりながら、購読。

    初めて伊吹さんの本を読んだが、自然と心に入ってくる文書だった。
    大人の身勝手さにイラっとくるも、子供は子供なりの守っている世界観があるんだなと。

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なでし子物語の作品紹介

父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる-『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。

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