あん (一般書)

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  • ポプラ社 (2013年2月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591132371

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あん (一般書)の感想・レビュー・書評

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  • 今年最初の本。年末から読み続けていたけど。
    映画になると知って読んでみた。「餡子」にも興味があるし。
    なかなか深かったな~
    どら焼き屋さんに突然老人が働かせてくれと来て、餡子を手抜きしてたからあまり売れてなかった店が、
    おばあちゃんの手作り餡子のおかげで人気に。
    だけどおばあちゃんはハンセン病を昔患っていた・・・
    それに気付いた客のおかげでまた売れ行きが落ち込み・・・

    おばあちゃん吉井さんの人生、どら焼き屋の店主千太郎の人生。
    生きてる意味ってなんだろうって誰もが考える事だけど、
    それを教えてくれる一冊だった。
    新年早々良い本に出会えた。

  • ワケアリの千太郎は、どら焼き屋の雇われ店主。
    中国産の出来合い餡子を挟んだぱっとしないどら焼きだ。
    ある時、徳江というおばあちゃんがあらわれ、どうしても店を手伝いたいと言い出して、無茶苦茶安い給金で餡子を炊き始める。。

    社会的弱者というか、社会からはじき出された者たちの生きるよすがを書きたかったのでしょう。
    決して上手い小説じゃない、ぱっと読めちゃう、たぶん、その一言のために書いたのかな。

    なんというか巷に溢れるケーザイ競争に夢中になって吐き出される文言が どれほど白々しく嘘くさいか。
    本書のヒットは、そういうことを感じている人はたくさんいるんだろう、と認識させてくれる。かな。

    普通の中学生におすすめ

  • 本書の存在は全く知らなかった。たまたま何かで本書を原作とした映画が公開されること、ハンセン病を患った老婆との交流の物語であることを知って読んでみようと思い立った。

    あまり長い話でもなかったせいもあるだろうが、1時間半足らずで一気に読み、そして泣けた。
    差別にその一生を苦しめ続けられた老婆から、生きる意味を考えさせられる人生に躓いた主人公。難しいテーマが重くなりすぎずに物語に織り込まれ、社会の問題に触れつつも、若者を勇気づけ、読む者に自分自身を見つめなおさせる、切なくも希望の見える美しい物語となっている。
    中高生の読書感想文の課題図書になったというのも頷ける。

    久々に良い読書をしました。
    著者は、製菓学校で学んだ経験もあるんですね、納得。

  • 『あん』 ドリアン助川  ポプラ社

    どら焼き屋「どら春」の雇われ店長千太郎は、店の前の桜が満開の季節に76歳になる吉井徳江に懇願され、彼女をアルバイトに雇う。

    何回断っても、時給が低くても、働きたいと言う彼女を雇う気になったのは、徳江が作って来た「あん」が、あまりに美味しかったから。

    徳江が作るあんのおかげで「どら春」は繁盛し始めるが、ある日を境に急激に客足が減って行く。その理由とは…。

    小豆の声に耳を傾ける、と言う徳江のあん作りは、惰性でどら焼きを作って来た千太郎が驚くような気持ちのこもった物だった。そして、若い頃の病気で曲ったと言う彼女の指からたどる人生を知った時、生きる事の根本を揺り動かされる千太郎。

    徳江の人生と、彼女の気持ちに、堪え切れずに泣けて来て、でも最後、桜の花に包まれたような優しい気持ちになれる小説だった。

    私の愛読書『生きがいについて』、昨年読んだ『夜と霧』。どちらも深い所でこの話の底に流れる物に繋がっていた。

    6月に河瀬直美監督、樹木希林主演で映画が公開される。

  • 以前から知人に勧められていたので、手に取ってみましたが
    全体的に説明臭さが目立ち、いまいち物語に入り込めませんでした。

    綿密に取材を行った著者にありがちですが、知ったこと聞いたこと見たことを
    読者へ伝えようとするあまり、ルポと小説の狭間に立ち往生している印象がありました。

    もう少しストーリー性がほしかったです。

  • じわじわと心に染み入る。
    ハンセン病について考えるきっかけにもなり、生まれてきたことの意味だったり存在意義を考えるきっかけにもなり…。
    読んで良かった。

  • 大好きな先輩から、採れたて野菜と共に渡された本。
    今の私が読むべき本なのだなと、仕事以外の本を久しぶりに読んだ。
    あんを作るときに、耳を澄ませて小豆の声を「聞く」。
    あらゆるところに耳を澄ませて、普通の人には聞こえない言葉を聞いて、聞いて、聞く。それをどう感じとって、どんな風に自分のどら焼きを作るか。自分の世界を作っていくか。
    「聞く」って、受動的なようでいて、実はとても能動的でワクワクすることなのだと思った。
    そして、ハンセン病に対する今なお続く容赦ない偏見、差別。
    感染しないと分かっていながら、自分の子どもは遠ざけたくなる親の気持ちも、腹立たしさと共にわからなくもないと思ってしまう自分が嫌だった。
    今度久しぶりに、いのちの初夜を読み返そう。


    世の中には、生まれてたった二年ぐらいでその生命を終えてしまう子供もいます。そうするとみんな哀しみのなかで、その子が生まれた意味はなんだったのだろうと考えます。今の私にはわかります。それはきっと、その子なりの感じ方で空や風や言葉をとらえるためです。その子が感じた世界は、そこに生まれる。だから、その子にもちゃんと生まれてきた意味があったのです。

  • 嫌々やっていると、それなりの成果しか出てこない。
    でも、一生懸命心を込めてやればそれを認めてくれる人もいるし、何より自分がそれを好きになる。
    努力は報われるなんて絶対のことじゃないけど、努力しないと報われないのは絶対なこと。

    映画化されると知って、先に原作を読みたいと思って手に取った。
    映画は樹木希林さんが出演されると知っていたので、読んでてイメージする主人公も樹木希林さんだった。
    ハマり役だ。
    昔の差別が今も残っている。
    その差別の中で苦しんだ人、それでも懸命に生きようとした人の物語。

  • こういうお話だったとは…。ほっこりした「いい話」なんだと勝手に思っていた。考えてみたらドリアン助川さんなんだから、そんなはずはないのに。河瀬直美監督で映画化されるというので、どれどれと手に取り、読み出したらもう、胸に迫るものがあって閉じることができなくなってしまった。

    ハンセン病について、そのおよそ信じられないむごい歴史について、知ってはいた。でも、その「知識」はなんて薄っぺらなものだったんだろう。これを読んで初めて、ちゃんと想像することの入り口に立ったような気がする。言葉が静かに心に届いてくる。小説という形の力だなあと思う。

    母が徹夜で縫ったメリヤス生地(とても手に入れにくい時代だった)の白いブラウスを着て、十四歳の娘は隔離施設に送られた。それは「規則だから」と取り上げられてしまう(おそらく焼却処分されたのだろう)。粗末な袷を与えられてうずくまる少女の姿が胸から離れない。簡単に「泣きました」とか言ってはいけないと思うが、あまりにも悲しい。

  • 司書さんに勧められた一冊。
    ハンセン病に青春時代を台無しにされたといっても過言ではない徳江さんのしなやかな強さに胸が熱くなる。

    人は何のために生まれてきたのか。
    その人なりのやり方で、世界の声を聞くためだ。

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あん (一般書)の作品紹介

線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが…。偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎。ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩きはじめる-。生命の不思議な美しさに息をのむラストシーン、いつまでも胸を去らない魂の物語。

あん (一般書)のKindle版

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