([ほ]3-2)かなりや (ポプラ文庫 日本文学)

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著者 : 穂高明
  • ポプラ社 (2013年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591132401

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([ほ]3-2)かなりや (ポプラ文庫 日本文学)の感想・レビュー・書評

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  • 苦しい思いをして、つらい思いをして、それでも人は生きていく。苦しさの中に見える、人と人との関わりの優しさ、温かさに心をじんわりと暖められるお話でした。

  • 「これからの誕生日」の読了感がすごく印象的だったので、
    さらに評判のよかったこちらを読んでみた。

    思いのほか中盤まで読み進めるまで失速したものの、後半から
    ぐんぐん物語りに引き寄せられたのは、ここのストーリーに決して人事ではないエピソードを感じたからかもしれない。

    当初は「ツナグ」(辻村深月)に似ていると思ったが、あちらは死者とのつなぎ。

    こちらは自分で命を断とうとしている人間を引き戻す。

    そういう意味ではこちらのほうが建設的なのか。

    昨年、映画「北のカナリアたち」に感動したこともあるが、タイトルでもある「かなりや」という曲が、ここでも後半の物語に色を添えており、印象的。

    それにしてもこの穂高明という人も、登場人物をシンクロさせるのが巧いなと思う。

  • 誰もが秘密を抱えている。やるせなさを感じている。
    でも、それでも格好悪くてもいいから生きていこうと思える、そんな作品。
    (かといって完全な前向きな話ではないところもしっくりくる)
    一つ一つが全くの単独の話ではないのもまた面白い。

  • 舞台や登場人物は共通で4人の主人公の生活、生きることが描かれた物語。ファンタジー小説だけどあまりそうと感じないもっと日常に近い4つの話だった。
    人の優しさを感じてじんわり出来て前向きになれる本。

  • 人生につまずいてしまった人たち、か。 
    人は一人で生きているんじゃないと思わせてくれる。

  • 現代の病…虐待・パワハラ・ストレス症候群・職業病。自ら一線を越えた者たちを連れ戻すお寺の住職と孫たち。大和尚さんはさりげなく、広海と実生ちゃんはストレートに、、。込められる対比は数えきれない…表と裏・科学と仏門・海と川・生と死など、、連れ戻された人たちは境目に気づき、やがて新たに歩みだす。時間差の連鎖を絡めた各短編は、物静かに見守る奥深さと少々のファンタジー色♪。

  • 各話、ちょっと意外な登場人物が順番に主人公になっていて、主観と客観の読み比べ面白かった。
    短編の中の登場人物は繋がっていて、そのために物語も繋がってはいるのだけど、物語の核となっている主人公の影が薄いと感じた。
    短編を跨ぐ、1冊を通しての軸が半分より手前でポキッと折れていた感じ。最初の2つが連続した話だと思っていたらいきなり他人の話が始まって、「え、なになに?」って感じで、その後特に触れるわけでもなかったので、最初のあれは何だったの?という思いが残った。
    あと、各話にいちいち裏の世界の説明が入るのが面倒くさかった。

  • 東北のとある町が舞台。といっても震災に関係した話ではない。
    お寺の子である高校生の広海を中心に、連鎖して登場人物が主人公となる連作短編集。どの話の主人公も、心に大小なりとも傷を負っている。児童虐待であったり、意に染まぬ就職であったり、志をもった仕事に心疲れていたり、事情はさまざまながら生死を境をさまようときに、広海と出会う。
    ファンタジー要素はほんの一握りで、人々の悩みや関係性や、優しさを丁寧に描いていて、多くの読み手の共感を得られると思った。最初に重めの「アポトーシス」を持ってきて、読み進めるごとに前向きになれる構成もよい。
    最後に、スカイエマの挿絵はやっぱり最高!この人の表紙の本は外すことがないと思っている。

  • 人間が、いつの間にか、意図せずに抱えてしまっている不安や負担や重荷。
    どうすればいいのかわからなくなって、一人でそれらを抱え込んで。
    そうすることでまた重くなって。

    そういうとき誰にでも、
    救いの手を差しのべてくれたり
    喝をいれてくれる人がいるということ。

    忘れちゃうけど忘れたくないなあ

  • 西條八十の童謡『かなりや』をタイトルにした四編からなる連作。四編全てが人間が生きて行く上で背負う重圧や悩み、そういう悩める人を救おうとする人々の連鎖が温かく描かれた大傑作である。最初は四編が独立した物語かと思うのだが、全てを読むと一つの物語として成立していることが解る。

    実は単行本で読んでいるのだが、文庫化されたので再び手に取った。分かっているのに読みながら、じわじわと涙がにじんだ。

    主人公はお寺の長男・広海。彼はどの話でも脇役のような立ち位置なのだが、非常に重要な役割を果たしている。小さな船に乗って現れる広海…

    途中に童謡『かなりや』の…象牙の船に 銀の櫂…という歌詞が紹介されているが、なるほどと思った。そういえば、単行本の装丁は全体がエメラルドグリーンで、表紙には淡く浮かんだ白い船が描かれていた。文庫本の表紙には広海とサチが青空の下に佇む姿がステキなタッチで描かれている。

    四編のタイトルが『アポトーシス』『インピーダンス』『マグデブルグの半球』『シュレーディンガーの猫』と物理科学の用語になっており、物語の中の面白い仕掛けになっている。

    心が疲れてる人に是非お勧めしたい作品です。

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([ほ]3-2)かなりや (ポプラ文庫 日本文学)の作品紹介

高校生の広海は、祖父である大和尚の仕事を手伝っている。ある日、同級生のサチがお寺にやってきた。ふたりは次第に親しくなるが、彼女は母親との関係に苦しんでいて-東北の町を舞台に、人生につまずいてしまった人たちが再び歩き始める姿を描く、凛としたやさしい物語。

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