([み]3-1)メロディ・フェア (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 691
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591134306

作品紹介・あらすじ

明日、笑顔になれますように――
『スコーレNo.4』の宮下奈都が贈る
やさしい応援歌!

書き下ろし番外編を収録!

大学を卒業した私は、田舎に戻り「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。
けれども、お客は思うように来ず、家では妹との溝がなかなか埋まらない――
いま注目の著者が、迷いながらも、一歩ずつ進んでいく若い女性を描いた、
温かく軽やかな物語。

感想・レビュー・書評

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  • ひとをきれいにする仕事がしたいと、大学卒業後、田舎へ戻り、ビューティーパートナー(美容部員)として働く結乃。
    自分には自信がないと何かと落ち込む。しかし、一年目にしたら当然のことで。むしろ、真面目でひたむきな姿はとても優等生にみえる。もっと羽目を外してよ、と言いたくなった。
    美容部員さんがどういう気持ちでお仕事をされているのか、垣間見るようでした。自分が施すお化粧で、お客さんが目の前できれいになったらやりがいがあるだろうな、と。
    化粧で隠すのでなく、その人らしさが前面に出るように、そっと添える。心が明るく温かくなるように、気持ちまで後押ししてもらうように。
    その人らしさは、人が見つけなくても、本人が意識しなくても勝手ににじみ出る。
    若い女性の成長物語を続けて読みました。個人的に年代的には、遠い目ですが、心情がわかることもあります。自分なりに、紆余曲折あり、思うことは多々あっても結局は自分のことにぶち当たるなぁと感じるこの頃です。

  • 宮下奈都が好きだ。この作者をカッテルつもり

    ただ自分の性格がせっかちだからか?
    こんなゆるゆる流れる作品を
    持て余す。
    あー人間は歳を取るから成長するものではないな「自分のこと」
    逆に純粋さがなくなり、
    わかってるつもりの思い込み。
    いろんなものを分からなくしている
    こんな自分のレビューなんか
    独りよがりで、偏波ですよ。

    ただ久しぶりに(メロディフェア)の曲を聞いた。
    素敵なメロディ〜素敵だ。
    今は便利ね。聞きたい曲がすぐ聞ける、凄くない!

  • あぁ、ストレングスモデルで読むと著者の言いたいこと、表現したいことが理解できる...。メロディ・フェアが脳内で再生されるんだなぁ...。
    正解なんてない。その時の状況下で最適解を導き出すしかないのだ。ビジョンが明確な良いお話でした。頑張れ、みんな!

  • ★読んだきっかけ
    ヨシタケシンスケさんのあるかしら書店(大好き絵本!)のブックカバーがついてて、ポストカードが貰えたから。
    お仕事小説が読みたかったから。

    ★感想
    ゆるゆる〜と進む物語。
    大きな事件は起きないけど、結乃みたいに身近なことに喜びや嬉しさ、やりがいを感じられるといいよなーと思った。
    私が小さい時から大切にしてきたものってなんだろ?
    エネルギーはすぐに使わなくても蓄えておくことができる。
    仕事で少し悩んだり、初心に帰りたくなったら読み直すのもいいのかなー。

  • この作者の小説を読むのは4冊目。
    その中には『羊と鋼の森』も含まれるが、この作品が私の中では一番好きだ。

    化粧品会社に入ったものの、希望通りの会社ではなく、希望通りの職場でもない。
    就職を機に東京から実家に戻ったものの、家族(母と妹)ともどこかぎくしゃくしている。
    そんな主人公結乃が、自分の仕事の仕方をもがきながらみつけていくお話だ。

    周囲にいる人物も、みなどこか不器用だ。
    結乃の幼馴染のミズキは、小学校高学年のころから、男子の評価基準が(顔が)かわいいことに切り替わってしまったことに深く傷ついている。
    その傷から、強くなって世界征服したいと夢見る、妙なひとになってしまっている。
    結乃の妹、珠美も、幼いころ両親が離婚したことが遠因となって、女性らしさを頑なに拒絶するようになる。
    頼りなく、ふわふわした結乃だが、彼女たちと関わる中で、メイクを通し、少しだけ彼女たちをほぐしていく。

    自分が女性であることを呪わなくていいんだ、と、彼女たちが少しだけ肩の荷を下ろしていくのがいい。

  • 手に職図鑑のビューティーアドバイザーのページで紹介されていた

  • メイクが大好きな私は1日で読み切るくらいハマってしまった。メイクはいろんな私に出会わせてくれるし、時には強さをくれるし、落ち込んだ日に少しの光をくれる。だけど一本ちゃんと芯があって、どんな口紅をつけていても私は私と思える自分で居続けたいと思った。メイクで自分を守る、隠すんじゃなくて、何もしないことで逃げるんじゃなくて、そのままでもいいしメイクをした私はもっと素敵、と思えるといいなと思った。

  • モールの化粧品カウンターが舞台のお話。化粧のワクワク感が繊細に表現されていて、楽しく読めました。「メイクで自由になるの。好きな自分になるんや。」という台詞にもあるように、化粧の楽しさや価値を改めて感じる作品でした。特に女性におすすめです。

  • 女性なら誰もが共感するであろう、女同士の距離感というか、行間というか、空気感みたいなものがリアル。
    でも、人の気持ちに鈍感な主人公の目を通しているせいか、よくわからない人物ばかりで入り込めない。父親の浮気相手を象徴する化粧を目の敵にしている妹も、あの程度のきっかけで化粧をするようになるのもいまいちよくわからないし、鉄仮面鉄仮面っていうけど具体的にどう鉄仮面なのかわからないからピンとこない。
    総じて微妙な話だった。

  • 宮下奈都さんは羊と鋼の森以来2作目である。

    劇的な何かはないっちゃない(ミズキの存在は他と少し違うけど)けど、ゆるゆると、でも確実に変わっていく感じは主人公から感じられた気がする。

    登場人物たちを深掘りしていく話はたくさんある。この作品も少し物足りなさは感じだけれど、語られないからこそよいことというか、主人公視点だと、知るわけないしねと思つ。

    こんなふうに仕事へのやりがいを感じられたら素敵だなぁと少し前向きになれる。軽やかで少しというところが大事。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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