- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591134580
作品紹介・あらすじ
人気作家5名が、東京の新しい原風景を描く、珠玉の作品集!
川が青く光る夜、やさしい「奇跡」が起こる――。
学生時代の恋人と再会した夜に、
音信不通だった母と出会った日に――
それぞれの想いが響き合う、5つの感動ストーリー。
イベント「東京ホタル」とのコラボレーションから生まれた
注目の作家たちによる極上のアンソロジー!
東京ホタルとは……
自然と共生できる都市にという願いを込め、
隅田川に10万個のホタルに見立てた「いのり星」を流すイベントです。
2012年から始まり、毎年開催されます。
感想・レビュー・書評
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隅田川にLEDでつくった蛍を流して、一夜限りの蛍の乱舞を眺める。。。
こんなロマンティックなイベントがあったとは。
都心まで電車で1時間もあれば行けるところに住んでいながら
ちっとも知りませんでした。
小路幸也、原田マハ、中村航、小松エメル、穂高明という豪華執筆陣が
ロマンスとはすっかり縁遠くなってしまった身としては羨ましくてしょうがない
この『東京ホタル』のイベントをモチーフに綴った物語を集めたアンソロジー。
あら?編集さんは何も口出ししなかったのかしら? と思うくらい
似通った設定や雰囲気の作品が重なってしまったのは
今はもうほんものの蛍が棲むことのできない都会の川に
チケットを買って流される人工ホタルの光が、美しいけれどどこかさみしく映るから?
ロマンティックな一夜を堪能する恋人たちを僻んで、というわけではないのですが
否応なく人間を巻きこむ戦争の罪深さを、祖父と孫との柔らかい会話で描いた
小路さんの『蛍の光り』
もう会うはずもなかった母への思いを、ラストにほんのわずか登場させた
東京ホタルの青白い光で鮮やかに切り取った
原田マハさんの『ながれぼし』。
恋人たち以外を描いたこの2作が心に残ります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「月のうた」の穂高明でつながった本。
「東京ホタル」は数年前に始まった、隅田川に願いを込めた青いLEDライトの「ホタル」を流すイベント。10万個の青い光が黒い川面を流れていく光景は、地上の天の川のようできれいだろうなあ。
さて、作品は中村航、小路幸也、穂高明、小松エメル、原田マハが描く「東京ホタル」に絡んだ短編のアンソロジー。イベントのPRにもなっているようです。
どの作品もやわらかくゆらめく蛍の光のように、ほのかで淡く心に染み入る。私としては、原田マハの「ながれぼし」がよいかな。
そういえば、東京の目黒川周辺も青色LEDのイルミネーションで飾られているとか。今年は中止の「東京ホタル」イベント運営に課題があったようです。来年の夏には機会があれば見に行こう。 -
隅田川に『いのり星』というLEDで青く発光する
半透明の球体を流すイベント、東京ホタル。
このイベントに触れた人々のお話を
5名の作家さんが贅沢に綴ったアンソロジーです。
『いのり星』が放つ柔らかい青がちりばめられた隅田川。
そこに込めた祈りや願いをを空高くまで届けてくれそうな青いスカイツリー。
そしてそんな私たちを包むように出てくる月。
こんな幻想的な場面では、恋愛小説がテッパン!
と作家さんたちを侮っていたように思います。
ホタルというネーミング。川に流すということ。
『いのり星』に込める気持ちが無数にあるように
物語もいろんな角度からやってきます。
今年こそ行ってみようかなと思っていたら
今年はこのイベントやらないとか…。
私にはまだ必要ないということなのでしょう…残念。
思った以上に心にグッときた物語が読めただけ、
ヨシとしましょう。 -
スカイツリー近くの隅田川で実際に行われたイベント「東京ホタル」に絡めた 5人の作家さんによる5つの短編集。 同じイベントを眺める5つのストーリーの主人公たち、 それぞれの立場や環境、心情は違うけれど 皆同じ時を過ごしているというのが面白くて、 うまく言えないけど、何だか励まされる小説だった。
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短編集の中ではかなり好きなやつ!
統一感と、一つ一つのストーリーのそれなりの深さ
納得のよさでした! -
夏に読むのにピッタリな素敵なお話。5名の作家さんによるアンソロジー。一番好きだったのは小路幸也先生の『蛍の光り』。戦後の様を祖父が孫に語る、まさに夏にちょっと読むには良い作品。いくら核家族化が進んでも、年に一度位は戦争のことを後進に伝える日・戦争について考える日があってもいいと思う。「人間は愚かだから綺麗なものがわかるんだ」は、この一冊の中で最も響く言葉になった。5話全てに出る東京ホタルのイベントは終了してしまったみたいだけど、私も見たかったな。スカイツリーも出て、まさに今の話だなー。
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スカイツリーのイベントになぞらえたストーリーが5編
ちょと似た感じになるのは仕方がないのか…
家族、あるいは恋人テーマでなくてはならなかったのか
もっと違うテーマも読んでみたかった。
小路幸也と原田マハが読みたかったのだけれど、
予想通り、好きなのはこの二編だった。
まぁ、そういう感じで
原田マハがいいのはかわりない。
子どもを置いて家をでるなんて到底考えられないけれど。
娘が15歳というのが微妙な年齢で、
小さい子じゃないところがポイント。
多分、母も娘に捨てられた感があるんじゃないか・・・と思う。
原田さんはこういうの、うまいなぁと思う。とても思う。 -
小路さん、小松さんのが好き。