([は]7-1)わたしのノーマジーン (ポプラ文庫 日本文学)

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著者 : 初野晴
  • ポプラ社 (2013年6月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591134962

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([は]7-1)わたしのノーマジーン (ポプラ文庫 日本文学)の感想・レビュー・書評

  • 救いのない荒廃した世界。

    施設で育ち、とある事故から足の自由を奪われた女性、シズカ。
    彼女は、桐島ブランドの鞄を修復することの出来る人間であり、そのことでようやくの生計を立てている。

    そんな彼女を介護するために訪れた、人の言葉を話せる赤毛のサル、ノーマジーン。

    シズカの言葉は辛辣で、対するノーマジーンの役立たずさと言えば酷いものだ。
    だが、二人の掛け合いから感じるものは多く、痛みを見せないでおこうとし合う関係は、決して浅さからくるものではない。

    廃れた世界から見放された存在が、慎ましく毎日を生きてゆく。
    暗闇のなかで、ひたすらに「見よう」とする小説。

    幼い頃、役立たずの猫のお手伝いさんがやってくる物語を読んだことを思い出した。

    鮭の身を焼き過ぎて小さくしてしまい、邪魔者扱いされる猫のお手伝いさんが、おばさんと仲良く食事をとる最後は、今思い出しても涙が出そうになる。

    何かが出来ることだけが、存在価値なのではないんだな。
    自分にも、そう声をかけてもらった気がした。

  • 終末論が囁かれる荒廃した世界―孤独に生きるシズカの前に現れたのは言葉を話す不思議なサルだった。シズカを支えるためにやって来たという彼の名は、ノーマジーン。しかしその愛くるしい姿には、ある秘密が隠されていた。壊れかけた日常で見える本当に大切なものとは。

  • 行き詰まった近未来、将来に対する希望などなく、終末思想を信じる新興宗教及び一部の金持ちが、世の動向を操作する世界…まぁある意味今でもそうなんだけど…に生きる下半身の不自由な革職人と、なぜかそこに送り込まれた言葉を理解する赤毛ザルの奇妙な共同生活。

    貧しくて不便でその日暮らしの革職人がサルの気ままさに途方に暮れる日常風景、これがなんともエエねんなぁ。暗く重たい世の中にぽつんと置いてあるシェルター内のあったかさというか、世の中なんてどうなってもいいから、2人(1人と1匹?)はこのままの奇妙にあったかい生活を続けてくれればいいなぁと思ったのに。

    短い第2部と、さらに短いエピローグ。駆け足ながらも、思わぬ方向から仕掛けを突き付けてきて、さっと収束させる。小説としてお見事!風呂敷の広げ方、畳み方。こういうのもあるんやなぁ。

    冗長に言葉を重ねるところ、さっと流しておくところ。メリハリが効いてる小説は読んでオモシロいものだけど、この作品は重ねどころと流しどころの配置が個性的。いやー、上手いわ!

  • ≪二人(一人と一匹?)なら大丈夫≫

    ノーマジーンかわいい….
    何度も何度も大事に大事にリンゴの実に水を塗っちゃうのが愛くるすぃ.
    落ち込むことがあって,鼻水でぐずぐずになってるのに,涙がでないノーマジーン.

    シズカは強い,かっこいい,たくましい.
    でも悲しい.

    以下,少しネタバレ??




    第1部の前のプロローグみたいな文章の,一文.
    「ふたりの友情のはじまりと終わりの物語を,どう伝えようか」
    え…「終わ」っちゃうの…
    「友情」から「家族」になったということ?
    んわー.この2人から,この本から離れるのがいやだー.

  • 今よりも治安が悪くて危険で不便な世界のはずなのに、二人の暮らしぶりは慎ましいながらに微笑ましくて、ただただ愛しい。
    なんで突然そんな展開に?と思うこともあったので星四つ。

  • 孤独な車椅子の革職人と、知能を持ち言葉を話す赤毛のサルの物語。
    2人とも訳ありの雰囲気がプンプンするものの、シズカがノーマジーンをいじめながら可愛がる描写、だんだんと深まる信頼関係、秘密をしってしまった後の気持ちの変化など、心に響く要素がたっぷりの不思議で温かいファンタジー作品でした。

  • 女鞄職人とヒトの言葉を喋る猿のお話。

    終末感漂う世界観。SFっぽくもありミステリっぽくもあり。
    他の方のレビュー見ると
    「結局シズカのノーマジーンに対する気持ちがよくわからない」
    というレビューが多かった。

    私の中でははっきりと感じ取ることができたので読後感もよく好評価になったのかもしれません。

    ノーマジーンがとても愛らしいです。

  • 孤独なシズカと赤毛の猿ノーマジーン。共同生活を続けていくうちに、お互いの存在はかけがえのない物になっていく。終末論がささやかれ、食料も燃料も満足にない閉鎖的な世界は暗く重たいが、二人の楽しい生活ぶりに救われる。しかし、二人の間には隠された悲劇の出来事があった。それが何とも切ない。

  • 崩壊しつつある世界,新興宗教や死刑制度など,今から数百年後の世界を舞台としているとはいえ,身につまされる重い状況に考えさせられる。シズカとノーマジーンのふれあいと変化にほっこりさせられる。

  • 切ない。
    ところどころに、ちりばめられた優しい言葉。
    「いとおしい」と「せつなさ」は同居するものなのだなあ。

  • 初野さんの本を読むと、心の奥を掻き毟られるような焦燥とうつらうつらしているときにそっと抱きしめられているような心地よさをいったりきたりして、気が付くと最後まで読んでいる。

  • ノーマジーン!
    泣きそうになる。
    タイトル以外単行本と大きな差はなかったと思う

  • 読み始めた冒頭から寂しさと孤独と、こわれもののような幸福な日々に漂う儚さに胸がつまる。
    これこそ、おとぎ話。

  • ハルチカシリーズとは全く違った作品で、切ないお話でした(T_T)

  • 表紙が市川春子さんだったので手に取った一冊。

    そんな軽い気持ちで読み出したけど
    読みおわった瞬間涙とまらなかった。

  • 資源不足、治安悪化、カルト教団が蔓延る退廃した近未来の世界。心に傷をもち、両足が不自由で車椅子の生活を余儀なくされるシズカは、鞄職人として細々と暮らしていた。そんななか、1匹の言葉を話すサル、ノーマジーンがシズカの元にやってくる。暗澹たる世界で、不器用なシズカとトラブルメーカーのノーマジーンとのコミカルな関係が救いとなっている。しかし、そんな関係も長くは続かず、お互いの重大な秘密が暴かれるのだった...。本作は寓話的であり、作者の危惧が描かれていますが、ただ落ちるだけでなく希望の光もあるようです。

  • 謎の小猿と引きこもり革職人の
    切なさたっぷりの暮らし。

    帯ほど残酷では無いけど、
    切ない寓話でした。

  • ノーマジーンの可愛らしさが切ない。良いわ。

  • この作者の関心、物語自体の優しさが見える一作。この作者はそうなんだけれども、つかみの数ページが本当にうまい。安心して読める作家。

  • ノーマジーンが可愛すぎる。

    可愛くてあまりにも無邪気だから哀しい。

  • 二人だけの閉ざされた世界で、お互いにお互いを支えとして生きる二人の交流を書いた物語。
    可愛らしい感じでいいと思うのですが、内容の割に物語が長い気がするので、短編くらいの長さで纏めて欲しかったかな。

  • ノーマジーンのかわいさったら!

  • 買おうかどうか迷ったけど、終末話好きなので買いました。
    結構評価の分かれる作品かもしれません。作品全体を覆う閉塞感の具体多的なところは描かれず、その中で主人公と猿のノーマジーンの閉じた生活が描かれます。ややおとぎ話的でもあります。
    暗く悲しいお話ではありますが、そんな中でかすかな光と幸せを求める、そんなお話でした。

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