(P[み]4-1)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591135303

作品紹介・あらすじ

茅野しおりの日課は、憧れのいとこ、美弥子さんが司書をしている雲峰市立図書館へ通うこと。
そこでは、日々、本にまつわるちょっと変わった事件が起きている。
六十年前に貸し出された本を返しにきた少年、次々と行方不明になる本に隠された秘密……
本と図書館を愛するすべての人に贈る、とっておきの“日常の謎”。
知る人ぞ知るミステリーの名作が、書き下ろしを加えて待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    茅野しおりは本を読むのが一番好きで、図書館へ行くのが大好きな小学校5年生の女の子です。
    しおりのお母さんと離婚したお父さんは、小説家だったらしく、お母さんは地元のミニコミ誌にエッセイを連載しています。
    しおりのいきつけの雲峰市立図書館には、しおりのいとこのお姉さんの美弥子さん。顔見知りの司書の玉木さんもいます。
    雲峰市立図書館を舞台に、クラスメイトの安川くん、竹沢くん、麻紀ちゃん、茜ちゃんなどと繰り広げる、小学生高学年向けくらいの、とても可愛い、日常の謎のビブリオミステリー、6編の連作短編集です。

    第一話『わたしの本』は、迷子の三歳くらいの女の子カナちゃんが、『魔女たちの静かな夜』という本を、「わたしの本」と言っていたのはなぜかというお話。

    第二話『長い旅』は60年くらい前の本の話。

    第三話『ぬれた本の謎』は安川くんが謎を解きます。

    第四話『消えた本の謎』

    第五話『エピローグはプロローグ』

    番外編『雨の日も図書館へ行こう』(は美弥子さんが主人公)と続きます。

    しおりは、小学5年生なのにツルゲーネフの『初恋』を読んでみたり、本好きなのに読書感想文を書くのが苦手だったりするのは面白いと思いましたが、典型的な優等生的キャラクターだと思います。
    あと、出てくる作家さんがおそらく『初恋』以外架空の作家さんと作品なのが残念に思いました。
    この作者の方の作風だとその方があっているのかもしれませんが、本当にある作品の謎解きを読むのはビブリオミステリーの醍醐味だと思います。

  • 読書好きの皆さん、それぞれ行きつけの図書館をお持ちなのですよね。私も3か所を拠点に、本代を浮かせています。

    晴れた日は図書館に行こう。こりゃ晴耕雨読ならぬ、晴読雨読ですね。読書好きの小学生 しおりちゃんの行きつけは、雲峰市立図書館。いとこの美弥子さんはあこがれの司書さん。

    なんとか古書堂の栞子さんと少し重なりますが、こちらは微笑ましい、爽やかなミステリー?図書館を中心に本にまつわる、ちょっとした出来事が展開していきます。

    最後のお話しは、「雨の日も図書館に行こう」。やはり晴読雨読です。


    図書館といえば「耳をすませば」の雫が図書館の明るい食堂で静かに本を読むシーン、あの雰囲気が好きです。そういえば耳すまに出てくる少年の名は天沢聖司、作者の名前とかぶってる!

  • タイトルに惹かれて手に取りました。
    本にまつわる日常の謎ミステリになっています。
    児童書が文庫化されたもので、優しく温かい謎が隠されています。
    私にとって図書館は、歳を重ねる毎に懐かしさが増していく、心落ち着ける場所です。

    あとがきより。
    「作品(本書のこと)を北村薫さんがアンソロジーやエッセイで取り上げてくださったり、戸川安宣さんがブログで褒めてくださった」とあります。
    私の大好きな北村薫さんのお勧めでもあるのです。笑

  • 個人的に凄く好きなストーリーでした。ショートストーリがいくつか入っている感じだけど、ちゃんと繋がっていて話も分かりやすかったです。
    主人公の女の子の性格とかクラスメイト達の学校事情、さらに図書館に来る様々な謎と利用者。すべてが楽しかったです。ミステリーってなんか、探偵みたいに解いていくのがミステリーと私は勝手に思っていた部分もあって、今回の「日常のミステリー」は本当に現実でもありうる事ばかりで、身近に感じました。図書館通ってる人や幼い頃によく図書館を利用していた人も共感できるところもあると思います。
    著者はあとがきで、「単行本デビュー」と書いてあります。児童文学者協会の新人賞応募からこの児童ミステリーにチャレンジし、佳作を受賞されたとのことでした。私はほっこりした温かい気持ちもなったし、子どもの懐かしい頃の気持ちも思い出せた気がします。児童向けっぽいけど文庫本は、大人でも飽きることなく読めると思います。

  • 町の図書館で小さな事件もあり司書の女の人がさりげなく解いてしまう。
    こんな人のいる図書館はいいなと思う。

  • 大好きな日常ミステリ、しかも大好きな図書館!
    ハードカバーで読みましたが文庫書下ろしつきと聞いてゲットしました。
    図書館が好きな女の子、いとこの司書さんや働く人たち、いつの間にか図書館に来るようになった男の子。
    図書館を訪れる人たちひとりひとりの事情と思い。
    みんなちがってみんないい。

    図書館の日々や司書の仕事も丁寧に描いてくださって、内側を知る者としては泣き笑いの描写も。
    イベント楽しそう~トラブルが人ごとじゃない~。
    図書館を愛してくださっている作者さんだと思いました。うれしい。

  • 本好きで、図書館へ通っている人にはたまらないタイトル・・
    &・・児童書好きにも!

    いとこさんが、図書館で働いているなんて羨ましいなぁ・・
    我が家にも、司書資格ありがいますが・・
    そして、家族全員が本好きです^^

  • 児童文学の日常の謎ミステリ。
    学生時代こういうのだったら読みやすくてもっと早く本好きになってたかもしれないなと思いました。
    小学校5年生の本大好きしおりちゃんといとこの図書館司書の美弥子さんが主軸で謎に迫ります。

  • ジャンルはミステリといえど、ライトで微笑ましいミステリ、児童書としては王道で読みやすいものだった。図書館を舞台に、不思議な謎を追いかけていく主人公たちと司書の美弥子さん。事件解決後も温かい気持ちにさせてくれる本だ。サラッと読めるのもいいし、舞台が私の好きな図書館なのもいい。
    この本の中で、あっいいなと思った言葉があったのでメモ。
    『いつかあなたが新しい世界に旅立つなら、言葉の川を言葉の橋で渡り、言葉で作られた扉を、言葉の鍵で開けるだろう。』

  • ヨシタケシンスケさんのカバーが印象的な「在るかしら文庫」。
    読書好きの性で、ウズウズと興味が沸きだし手に取ったが子供向け?なからイマイチだったな。

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著者プロフィール

緑川聖司(みどりかわ・せいじ)
大阪府出身。2003年『晴れた日は図書館へいこう』(小峰書店)で第1回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞の佳作となりデビュー。主な作品に「本の怪談」シリーズ、「怪談収集家 山岸良介」シリーズ(ともにポプラ社)、「七不思議神社」シリーズ(あかね書房)などがある。『世にも奇妙な物語』(集英社みらい文庫)、『炎炎ノ消防隊』(講談社青い鳥文庫)など、ドラマや漫画のノベライズも手がけている。

「2023年 『意味がわかるとゾッとする  怖い博物館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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