ねこじゃら商店 世界一のプレゼント (ポプラ物語館)

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著者 : 富安陽子
制作 : 平澤 朋子 
  • ポプラ社 (2013年9月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591135709

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富安 陽子
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ねこじゃら商店 世界一のプレゼント (ポプラ物語館)の感想・レビュー・書評

  • ねこじゃらし商店の商品にわくわくします。

  • 「ねこ」じゃら商店なのに、ねこが店には入ってこない。しかも「のらねこの後ろについていけば、行けるかもしれない」というところの文章がおもしろくて、わくわくしました。「なんでも」という言葉にドキッとして次のページを開くと「はいはい、雨ですか。うちはなんでも屋です。おまかせください」とお店の主人、白ぎく丸がいって、雲をとってことにビックリしたので、他のシリーズも読んでみたいです。

  • やっぱり富安陽子さんはいいなあ。

    「ねこじゃら商店/世界一のプレゼント」。偶然その前に読んでいた広嶋玲子「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」も酷似した設定の童話で、ちょっとしたシンクロニシティとなった。

    双方とも、特別に招ばれない限り、普通の人間では辿り着けないあやかしの店が舞台だ。野良猫や妖怪のための裏通りにある、古式ゆかしい昭和駄菓子屋の風情。たっぷりと怪しい化け猫的な店主が鎮座し、揃っているのは、夢のような魔法の商品。

    廣嶋さんの方の魔法駄菓子屋で扱っているのは、食べるとすいすい泳げるようになる「型ぬき人魚グミ」、猛獣を操れるようになる「猛獣ビスケット」、真夏でも涼しくなっちゃう「ホーンテッドアイス」、室内で鯛焼きが釣れるバケツと釣竿セット「釣り鯛焼き」。そして、無能でもカリスマ性が備わってしまう「カリスマボンボン」、ハンバーグでもコロッケでも、とびきり美味しいいろいろなごはんの実が毎日実る「クッキングツリー」。

    ドラえもんの道具みたいに夢ゆめしい楽しい魔法のお菓子だけど、それらアイテムには必ず落とし穴となる注意書きがある。ストーリーとしては、その落とし穴が人間ドラマとオチを生むアイデア話だ。

    この人のこの作品も悪くはないんだけど、いかんせん人生ドラマ辛口すぎる。大体、飴よりも鞭である。

    ファンタジックな楽しい魔法の商品を扱ってはいても、因果応報な道徳や倫理臭が「罪と罰」的で、ちょっとだけ鼻につくのだ。

    妹をいじめた少年は猛獣の扱いに失敗して妹に復讐され、傲慢で利己的な怠け者の美容師は、カリスマボンボンの悪用で、不相応な天国から自業自得の破滅の底へと突き落とされる。そこには救いや赦し、あたたかな眼差しがない。ストーリーの切れ味の知的な鋭さが目立つ。

    そしてアイテムはあくまでも人間中心の論理を持った夢、魔法である。つまり、魔法の性質は、あくまでも人間ドラマを描くための「小道具」に過ぎない。大人向けの小洒落たエスプリ短編的。

    …同じファンタジーでも、どうせなら、主人公たちが冒険と試練を重ねて成長してゆくような、深みのある重い長編の方がこの人のでは好きだな、なんて思った。

    *** ***

    今回、酷似したこの二つを比べてしみじみと納得した。

    やっぱり富安陽子さんの持ち味は類まれなものだ。

    自然のほのかな恐怖、深さや不条理をまっすぐについていながら、味わいのある妙に人間臭い妖怪たちのキャラクター、優しいユーモアや明るさ、日常性の安心にふっくりと包まれる読後感の温もりの独自性は、他には類を見ないものなのだ。

    そして大切なのは、魔法の質が全く違う、ということ。

    ここに存在しているものは、いわば世界という存在の奇跡。無限の不思議や思いがけない広さ、深さ、ひとつひとつが新鮮な驚きにみちた語源そのままの「ファンタジー」を驚き喜ぶ感覚、その心のありかただ。

    生きることそのもののワクワク、驚くこと喜ぶことの新鮮さを思い出させてくれるそのエネルギイそのもののことだ。

    「ねこじゃら商店」シリーズはこの作者の中では必ずしも好きなものではないけど、そうして、読み始めは「アララ、楽しい魔法アイテムアイデアの勝った無難路線だな。」なんて気持ちだったけど、最後のクリスマスの話で人間の心のファンタジーを捕らえた店主の心憎い優しさにグっときた。

    どの魔法アイテムも、うんとファンタジックで楽しいのはもちろんだが、その力には根源、根拠がある。例えばハリーポッターや前述の駄菓子屋グッズのような、社会生活の中での都合の良い便利グッズ、というのとは性質が違う。

    ドラえもんが四次元ポケットから取り出す、人間が人間の都合だけのために、倫理の無い科学の力でつくりだす欲望実現への夢とは違うのだ... 続きを読む

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