ルリユール (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 789
感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136218

感想・レビュー・書評

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  • やっとブクログはいれた~。
    なぜかログインできない日が続き、数日もんもんと・・・。
    どーやらセキュリティ設定のせいだったみたい。
    うーん。ずっとこれで入れてたのになあ。
    私のPCの設定がいつのまにか変わっていたのか、ブクログの設定が変わっていたのか・・・謎だ。
    とりあえずよーやくログインできたのでいそいそと感想を。

    またひとつ風早の街のあたたかい物語が。
    いやー本好きにはたまらないお仕事ですね、ルリユール。
    一冊の本にこめられる人の思い出や重なる想いを
    丁寧に大切に包み込む。
    その手の優しさ。
    しかもその工房(?)たどりつけるかどうかわからない
    町の七不思議のような場所。しゃべる猫、真っ赤な髪の
    美しい館の住人。
    あーもうっ、今回も大っすきです!!
    そして、そこへ今回たどりつくのは1人の少女。
    つーか、この子の家事力の強さにたじたじと。おもわず
    一番簡単そうなレモンパスタつくってしまったぜ。
    なかなかおいしかった。がこれは塩味の利かせ方が大切です。
    にしても、なんだか、この間からちょっと感じてるんですが、
    村山さんのお話は結構死人率(言い方変かな?)高いなあ。
    竜宮ホテルもそうでしたが。
    取り返しのつかない喪失。死ってそーゆーものなんじゃないかなあっと、イマイチ現実的な体験がまだない私はどこか他人事のように思ってしまうんだが、
    作品内の登場人物たちが、その喪失と向き合うさまに
    切なくなったり温かい気持ちにさせられたり。
    しかし、本当にその喪失が突然自分の目の前に現れたら、と
    最近増えている災害やら事故やらをみると思う。

    扉の向こうにあった図書館的空間にわくわく。
    おおっと竜やら魔神やら登場で、
    なるほど、花咲家シリーズでも異世界の王様とか突然登場してましたが、村山さんのこのなんか突然っぽいファンタジー世界の登場ってかなり好きです。
    いや、突然つっても既にしゃべる猫とか、明らかにファンタジーなんだけどさ。

    戻らない命。
    ぬぐえない後悔。
    消えない哀しみをかかえた登場人物たち。
    それでも、それでも、笑っていた時間、幸せだった家。
    だから、これからも、幸せに生きよう、笑って生きよう。
    くしゃくしゃの残ったたった一枚の写真にちょっと泣きそうになりました。

  • 続きが気になって、どんどん読んだかんじ。

    風早の町が聞き覚えがあるなぁと思ったら、
    カフェかもめとコンビニたそがれ堂と同じ名前だったのねぇ。

    中学生の瑠璃が主人公。
    ルリユールの工房にいたクラウディア。赤い髪の魔女か天使か。

    丁寧に手作業で、本を修理したり特別な一冊を作ったり。
    「宝島」に隠された手紙のところが好きだな。

    4枚の白羽、水の王冠がある白猫。グリーンアイ。
    なんだか美しい。

  • 初盆を迎えるため、祖母の家がある風早にやってきた瑠璃。彼女は本当の母を失ったことで心にぽっかりと暗い穴があいたような心地で過ごしていた。家族がやってくるまで、怪我をして病院にいる祖母のためにひとりで過ごすうちに不思議な館を見つける。そこで出会った女性、クラウディアは本を修復するルリユールという仕事をしていた。黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします。魔法のような手わざ、痛んだ過去の思い出も、静かに包み込んで―――本を愛するひとの美しく不思議な物語。

    ルリユールという不思議な単語は職業名だったのですね。本好きにとっては最高に素敵なお仕事ですし不思議なクラウディアの魅力もあって、すっかりこの黒猫工房のファンになってしまいました(^^)ちょっとファンタジーが入ってますが、人と人との絆や大切な思い出がひとつひとつ丁寧に書かれていてじんときます。どこか居場所のなさを感じている瑠璃の心もとなさ、悲しみ、喜びが胸に迫り、大人でも楽しめる児童書です。特に智史とみよ子さんの話が好きですね。私たちが幸せだったから、あなたも幸せになっていいんだよというあたたかいメッセージが素敵です。瑠璃のお母さんの死だけがあっさりすぎてちょっと物足りないけど。

  • 物語や歌が心に栄養を与えてくれる
    そのことを思い出させてくれる話だった

    魔神猫すてきw

  • 図書館司書学を学んだけど、題名の『ルリユール』と言う製本の修復士の事とは、知りませんでした。

    初めは、どのように、修復して行くのだろうか?と、読み進んで行くうちに、ファンタジー物語なんだと、気づきました。
    気づくのが、遅い(笑)!

    題名『ルリユール』で、主人公は、ご丁寧に『瑠璃』、、、
    おばあちゃんが、入院しているのに、お見舞いより、黒猫工房に、通えるのも、また、時間の流れも、やはり、魔法の世界!
    クラウディアさんの魔女ぽっさも、昔の「奥様は、魔女」のサマンサの如く、ささっと、本を、修復して行ってしまう。
    本当の修復とは、どんなものかも、さわりも無く、火蜥蜴の皮の膠の糊を使うとか、、、修復の料金は、プライスレス、、、不死鳥書店、、、、という言葉で、夢の世界へ、誘ってしまう。

    ファンタジーだけで、終わってしまうだけと思っていたけど、最後の数ページ前の所で、クラウディアさんが、自分が、生きた時代でなく、もっと平和の時代に生まれたかった。
    本を好きなだけ読み、慈しみ、本を大切にする人たちと語り合い、笑い合い、宝石のように美しい本を作りされを皆に見せてあげたかった、、、、と、書かれている。

    今、私は、平和の世界に居り、思う存分好きなだけ本を読める幸せを、感じている。
    いつ読むの?『今でしょ!』  (笑)
    たまには、ファンタジーも良いかなと思った1冊でした。
    明日から、消費税8%、、、
    本を買うのも、『今でしょ!』(笑)

  • 本を大切に、想いを大切に、残すこと。
    やさしい気持ちになります。

    あとがきの図書館の話も素敵でした。

  • ルリユール職人に弟子入りする少女の物語という、少し硬質なものを予想して読んだら、ハートウォーミングなファンタジーでした。
    感動的で涙を流した部分もありますし、素敵な作品だと思いますが、私の好みや普段読んでいるものからすると少し「きれいめ」でした。
    だからと言って、物足りないからもっと重く深くしたらいいのに!とは思いません。この作品はこれで良いんだと思います。軽さにも価値があるというか。
    ただ、もう少しルリユールに関する実際的な内容があったらな、とは思いました。

  • 家族のみんなより一足早く風早の街におばあちゃんを訪ねた瑠璃。瑠璃の心の傷が、ルリユールの工房と出会うことで癒やされていく物語。語り口、出会う人や者たちの優しさに心が洗われるようでした。レモンバターのスパゲッティーや卵焼きやフレンチトーストなど、簡単なお料理だけどとっても美味しそうで、思わずチキンラーメンも買いにいきたくなりました。

  • 司書なので、本の補修をすることも多く、身近な話題の中にファンタジー要素もあって癒されました。

  • 第三章「たそがれのアルバム」に号泣でした。
    みよ子さんが話すセリフのひとつ、ひとつが、心に響いて。

    わたしは、どうだったのだろう。
    家に来てくれた、あの子なら、なんて言うのだろう。
    ごめんね。
    やさしくなかったよね。
    ごめんね。
    わたしは、きみが家に来てくれて、よかったと思ってるよ。
    ありがとね。

    ルリユールのお仕事、いちどでいいから、そばで見てみたいです。
    あぁ、いせひでこさんの『ルリユールおじさん』読み返そうっと。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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