([し]4-4)花咲小路四丁目の聖人 (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136232

作品紹介・あらすじ

ご隠居は、元「伝説の大泥棒」!?
得意ワザ(?)を活かし、商店街の事件を解決!

舞台は、さびれつつある、地方都市によくある小さな商店街「花咲小路商店街」。
主人公の亜弥は、両親が始めた小ぢんまりした英語塾を継いで講師をしている。
既に隠居している父は、日本に帰化したイギリス人なのだが、
その実、若い頃は美術品を中心とする泥棒として名を馳せていた人物。
商店街で起こる事件をその手腕で解決していくのだが、亜弥は気が気ではなくて――。
トラブルを描いてもどこかやさしい、著者ならではの持ち味が存分に味わえる、じんわり心温まるエンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 現実的には無理なんじゃないか?みたいな設定も含めて楽しく読めました。世界的に活躍していた大泥棒が商店街に住んでいるというのもなんだかワクワク。
    シリーズなので、続きを読み進めていくのも楽しみ。

  • 物語の舞台となる〈花咲小路商店街〉は、伝統と歴史と人情味のある、さびれかけた商店街。
    英語塾を営む亜弥は、父と二人きりで暮らしている。
    70歳になる父は、日本に帰化したイギリス人で、若い頃は美術品を中心とする伝説の大泥棒だった。

    商店街に巻き起こる謎を解き明かし、大企業による買収話も独特の手法でものの見事に解決する英国紳士の父と、亜弥の幼なじみの克己と北斗の名コンビの活躍ぶりが、爽快で楽しい。
    極悪人は一人も出てこないし、商店街の人たちを巻き込んでの大掛かりな仕掛けに圧倒されつつも、最後はハッピーエンドで幕が閉じられていて、ほのぼのと温かい気持ちになれます。

  • 小路幸也さんのシリーズもの。
    シリーズ第一弾。

    “小路幸也好き”になって数年経つが・・・バンドワゴンには及ばずとも小路ファンからは人気の高いシリーズなのだろうということは、小路作品のレビューを読み漁っていれば自ずと浮かんで来るので、シリーズの存在はだいぶ前から知っていた。

    が、書店でも古本屋でもなかなかお目にかかれない。
    たまたま見かけてもシリーズの2作目や3作目ばかりだったところ、今般ようやく手に取ることができた♫

    え?
    怪盗モノ???

    最初のページからいきなり面食らってしまった。だって、カバーイラストやタイトルからは、バンドワゴン的な下町人情ものを想像していたから。

    登場人物の多さに苦笑しながら(小路作品を10冊以上も読めば、まあ慣れっこだけど)読み進めると、ぐいぐいぐいっと物語世界に引き込まれてゆく。

    たしかにこれは、シリーズ化して人気を博したのも頷けるハートフルエンタテイメント♫

    そして、第一作からしての細やかな設定や登場人物のバラエティ、小出しに明かされる“セイさん”の過去、終盤に明かされた“ゲイルさん”の正体・・・

    ・・・これはもはや、一作目にしてシリーズ化を念頭に置いて描かれたのだなと♪

    セイさんの過去やらゲイルさんとの友情、克己と“セイント”とも初仕事・・などなど、番外編を作れそうなネタもわんさか。

    続巻が楽しみで仕方がなくなった。

    ★5つ、9ポイント半。
    2023.08.28.古

  • ルパン三世やコナンみたいな感じの、痛快フィクションという印象。「そんなん、あり?」と思わず笑ってしまうくらいリアリティはあまりないが、エンターテイメントとして楽しめて、小路幸也さん特有の人情・ノスタルジーもしっかり感じられる。続編もあるようなので、続けて読んでいきたい。

  • 東京バンドワゴン以外の小路さんの作品を読んでみようと古本の文庫を買った。
    かつて英国で活躍?していた怪盗が日本に帰化し、さびれた商店街を守るお話し。
    もう一つの物語の柱が、主人公でもある娘の亜弥と幼なじみの後輩の恋愛。
    こちらは、大した出来事はないけれど進展してゆく流れ。

    結構設定に無理があり、素直に物語に没入できないところはあった。

    ★★★

  • さすがです。現実離れしたストーリーですが一気に読ませてくれます。東京バンドワゴンと同じくらい人の情を大切にしているシリーズ。第一作目なのでこれから末長く愛読していきます。

  • 「商店街を守るため愉快な住人たちが大活躍する」
    帯より、正に、あったかミステリ!でした。

  • 東京バンドワゴンを彷彿とさせる日常生活ミステリーって感じかな。
    大盗賊が正義にために大活躍ってところはバンドワゴンと違って現実味が薄れますが。
    それでも大企業に押されてさびれゆく商店街に活気を戻すには、という現代社会の悩みの種を扱っているところは日常生活ストーリーだな。

  • 内容がだんだん大掛かり過ぎて、途中から冷めた感じがしてしまいました。

  • 花咲小路商店街に起こった問題を解くため立ち上がった伝説の大泥棒=亜弥の父だが、その手段が…スケール大きすぎないか?
    何となく煙に巻かれた感じ。
    今回出てきた商店街の人たちが次巻以降どう繋がっていくのか楽しみ。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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