(003)世界の美しさをひとつでも多く見つけたい (ポプラ新書)

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著者 : 石井光太
  • ポプラ社 (2013年9月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136324

(003)世界の美しさをひとつでも多く見つけたい (ポプラ新書)の感想・レビュー・書評

  • 登録番号:10899 分類番号:914.6 イ

  • ルポルタージュ作家の石井光太さんの本。何冊か著者の本を読んでいるがなぜ彼がこの職に就いたのか、何を考え何を伝えたいのかが良く分かる本。
    著者の本は胸に迫るような様々な悲惨な出来事を伝えてくれる。その中での光ー小さな神様や物語をこれからは見つけていこうと思う。私が作者買いをする一人。

  • 人はなぜ生きるのか。
    なぜ貧困のどん底や差別、戦争とそれに起因する犯罪、人権破壊など生きることすら苦痛な絶望の中でも人は生きれるのか。
    それを筆者なりに描いた作品だと思う。

    どんなにこの世の中に絶望していて生きることが辛くても、人は周囲の善意や希望をしっかりと抱きとめて、それを「小さな神様」として絶望の暗闇を照らす一筋の光とすることで、前を向いて生きていくことができる。
    そうしなければならないし、それが何が何でも生きなくてはいけない人間の業。

  • 先日読んだ、3.11の本を読んだ時に何気なく頭に残っていたようで、図書館のある棚を通り過ぎた時に目につきました。
    時々涙ぐむところもありつつ、心に染み入る所、考えさせられる所が沢山でした。他の本も読みたい!石井さんの導入として、この本を読めたのは良かったかなと思いました。

  • 本書を読むまでは、石井光太氏はジャーナリストだと思っていた。そのため、世界の国々の惨状を伝えるべくカメラを向け、言葉を紡いでいるのだと勘違いしていた。しかし、その惨状の中でも希望を見いだし生きていく人たちの力強さと美しさを伝えたい。その気持ちを胸に執筆していたことを本書を通して初めて知った。
    繰り返しでてくる一人一人にとっての「小さな神様」
    想像もできないほどの絶望や状況の中で、人は何を胸に抱いて生きていくのか。そんな著者の真摯な眼差しに心うたれた。

    ー私は他者を見つめるさいに大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているのかを知ることだと思います。(中略)
    小さな神様を見つけるためにはどうしたらよいのでしょうか。(中略)「自分の文脈で勝手な価値観を押し付けるのではなく、相手の文脈で大切にしているものを探す」



    何が不幸で幸福なのか。それはその場所その場所で懸命に生きている人たちの「小さな神様」に集約されている。それを知らずに、正義という大義名分を振りかざし、こちらの価値観で物事を解釈したり論ずる事はただの思い上がりでしかない。黒か白か、正義か悪か。それのみで判断できる程自体は単純でもなければ人間は強くもない。グレーであるかもしれない部分にすら寄りかからなければ生きていく事すら難しい極限状況の中で、人は皆それぞれの「小さな神様」を懸命に抱きながら生きている。それでも人は生きていこうとする。その生命力に、力強さに胸を打たれる。

    ーつまり、絶対悪も絶対的犠牲者もいない混沌が世の中の現実なのだという結論を提示したのです。

    物事をより多面的にごまかしなく捉えようとするその真摯な姿勢を感じる。人はわかりやすい物語を求めがちで。でも現実はあまりに複雑で重い。そうした現実を真っ正面から見つめている著者の真摯な姿勢に深い感銘を受ける。

    ー私が伝える意味は何なのでしょうか。(中略)第三者が認める事で初めて、「小さな神様」や「小さな物語」は、それを必要とする人々の胸の中で生き続けるものである。


    2013年 ポプラ社

  • 人間の心の美しさ。貧困地域や被災地などの困難な状況で生きる人たちの、生命力の源のような心のよりどころ。現場で拾い上げたナマの声が、胸を打ちます。できればあまり目を向けたくないと思ってきたそれらの現場には、想像もできなかったストーリーがありました。著者の他のドキュメンタリーも読んでみたいです。

  • 素直に読めた。

    人には、それぞれ小さな神様、小さな物語があり、それを拠り所にそれぞれ自分にとっての真実の人生を歩んでいる。

    人生はその人のメガネを通して存在している。他の誰の世界とも同一ではない、ということ。
    真実はその人の中にだけ存在する。

  • スラム貧困街や被災地など、文明も社会保障もない本能むき出しの人間が生きる場所を取材し、住人たちの声を書き続けるライターの自伝。

    著者の作品を読んだことがある人なら、おそらく持つであろう疑問。なぜ、そんな危険を犯してまで書くのかという点に答えている。

    その答えはズバリ、タイトルにある。貧しく悲惨な場所でも人は生きようとする。未来には絶望しかなく、死んだ方がマシという状況でも、人は妄想で都合の良い「小さな神」を生み出し、それにすがる。そこから生み出される生命力を著者は何よりも美しいと感じる。そして、自分の心を突き動かされたことを人に伝えたいと思う。それが、著者の揺るがない作家精神だ。

  • 著者の言いたい事もわかるし、読みやすいと思う。
    でも、この本はあくまで今までの取材を通して感じてきたものを幾つかの例を出して書いている為、その現場に行った時の真に迫る感じはあまりない。
    著者の他の本を読んでないので、題材を絞ったものを読んでみたい。タイトルから期待した内容とは少し違った。

  • 静かで温かく、しかし熱い。発信者。

  • 石井光太氏が如何にしてドキュメンタリー作家になったのか、なぜドキュメンタリーを書くのかを綴った本。
    好きな作家さんなのでバックグラウンドを知れたのは良かったのだけど、過去の書籍のプレイバックもあり、興味深く読めた。
    根底にあるのは、人間が極限で見出す「小さな神様」を発見し、それを社会に伝えたい、という願望。救いの根源。小さな物語。宗教的ではなく、神は心の中に存在する。人は優しさを求める。
    バングラデシュのストリートチルドレンのレミジーの話を読んだ時、全身の毛がざわっとなるのを感じました。

  • 小さい神様、がとても印象に残りました。

  • 初めてこの方の作品を読みましたがとても面白いですね!
    引き込まれるようにして一気によんでしまいました。
    伝えたい!という熱い気持ちが伝わってくるようです。
    容赦の無いリアルな描写に、思わず読むのを中断したり、顔をしかめたりもしました。
    ウソみたいな驚きのエピソードがたくさん描かれているのです。
    精神が壊れそうになりながらも、数々の作品を描き続けたというのは本当にすごい。
    過去の作品も遡って読んでみたいと思います。

  • 「本当に必死になってやったことは、人の心に響く。人の心に響けば、たとえどんな困難にぶつかったとしても、それはいつか形になる」(140ページ)

  • 人間がそれでも生きなければならない生き物だから。命を受けた以上、人間はどんな境遇にあっても生存本能で生きていこうとします。しかし絶望だけでは前にすすんではいけない。そのために小さな神様を作り上げる。
     私は人間が時には妄想によって生み出した小さな神様に頼って生きようとする姿に美しさを覚えます

    極限状態で、人間が生きるために生み出すものの象徴としてしいさな神様というキーワードを挙げました

    私は他者を見つめる際に大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているかを知ることだと思います。その人にとって希望だとか幸せだとか言ったものは、「小さな神様」に集約されます。それを発見することが、その人の価値観に寄り添って物ごとを考えることにつながらう

    小さな神様をみつけるには、
     自分の文脈で勝手な価値観を押し付けるのではなく、相手の文脈で大切にしている物を探す

    ドキュメンタリーの雑誌 月刊現代のあと、g2

  • これまでの作品とは異なり、著者の生い立ちや、現在の活動に至る経緯を語っています。
    石井氏の作品を読んだことのある人は、既読の理解に深みがでると思います。
    初めて読む人は...、きっと惹かれますよ(^^)

  • 読みやすくて、めちゃくちゃおもしろい本でした。
    石井光太さんが好きな方は、絶対に読んだほうがいい一冊。
    著者にとってのルポを書く意味、その使命感が伝わってくる。
    光太さんの現場を見に行くことに懸けた思い、とても共感する。社会の見えにくいところにこそ、ひとの美しさはあると思う。
    自分はまだまだこのひとのように強くはないけれど、いつか、このひとみたいになりたいと思った。少しずつでも、ひとのことを救えたら。

  • 「現場に行くという事は、当事者になるということ。」フィールドワークを得意とする著者の言葉を重く噛みしめました。

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