父という病 (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136737

感想・レビュー・書評

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  • もう新書が出ているんだ、びっくり! とっても売れているのかな!? 本屋さんでもたくさん見かけました。
    自分の今の状況と父との関係、無関係かもしれないけど、自分をより深く知るための手がかりになるかもしれない本ではないかなと思いました。偉人や有名人の親子関係について書かれていて(これはこの著者の十八番だけど)、読み物として面白い。というか、この本は、読み物として面白がって読む本なのではないかと思ったり。

  • 母という病を読んだ後に読むのがなおいい!

  • どんな人間にも足りないところがあり、その人たちが親になっていく。子供は親からの愛情を求めるが、未熟な親たちはそれに100%は応えられない。その足りなさを抱えながらそれぞれの人生をいきていく(もちろん私自身もそうだ)。
    その中でどう親子関係、夫婦関係を築いていくか。鶏が先か卵が先かという話しではないが、どこかで気付いた人が、一歩づつでも歩み寄ろうとするところから始まるのかもしれないと思った。

  • 子どもは父親を必要としている。
    母子分離を適切に行うためにも
    父親の存在は必要なのだ。

  • 古本屋で帯に引っかかって買ったクチですけど、だんだん読んでいて気持ち悪くなって読むのをやめました。

    オキシトシンとバソプレシンの話も、著名人の父子関係エピソードも、全然入ってこない。全く響かないというか、そもそも書いてあること自体信頼出来ない。
    主張も最後らへんは「何だかんだ言って子どもは父ちゃんのことが好きなんだよ」という話になっていく。

    ひたすらに気持ち悪い。何なんだろうなぁ?

  • 子どもが正常に育つには父親が重要。その父親は、尊敬できる立派な父でかつ子がある程度大きくなったらフェイドアウトするべし・・
    父との関係が元で精神的に問題のある大人になったという著名人たちの例をもとに話が進んでいくが、駄目な父でも成功事例あり、立派な父でも問題事例あり、でじゃあどうすればいいのかと思う。
    結局父というのは母ほどの影響はないが、母との癒着を起こさせないために必要なファクターであるらしい。

  • 「毒になる親」を読んで以来、私の中の「親」問題とは父親問題であった。ところが、まさに父親の事を扱った本書を読みながら私の中に浮上してきたのは、なぜか母親問題であった。本書には有名人から自験例まで、これでもかと言うほど多数の、父子関係に問題のある症例が紹介されているため、読み進めるにつれて、漠然と感じていた自分にとっての親子問題が徐々にはっきりしてくる感じ。その中で、今まであまり自覚してなかった母との関係に気付かされた。
    そして今解決すべきは、自分と子どもたちとの関係、自分が子どもたちに与えている負の影響をできるだけ早く断ち切ること。まだ間に合えば良いのだが。

  • 父親の役割は、厳しさを伝えること。
    母という病を読んでからの方がいいかも。

  • 母という病の姉妹本。
    どっちかというと私にはこっちの方がしっくりくる内容だった。
    子育てには母親も父親も必要。どっちつかずに育つことが、もっともバランスの良い、健全な成長を遂げやすい。

    今広がる父親の不在(精神的な場合も含む)と母子融合の悲劇。まさに私のことだ~~~。

    読後感。この手の本はもういい。満腹。考えても仕方ないね~と思った。それだけ自分のことを言い当てているようで。なぁんだ~、父もだけど母が精神的に未熟で自己愛的だったことが悩みの根本なんだってわかって、あぁ、もういいわって思えた(笑)

    けど、そうすると近代家族以前の人々はどうだったんだろうと、また新たな疑問が、、、、、(爆)

    もひとつ、社会的には偉大な父親であったガンジーが、1人の父親としてはかなり問題があったってことにびっくりしました。なんだかなぁ~って感じで。

  • 「母という病」のセット本。
    毒母が生じるのは、家庭に父親の存在感がないから、子育てに父親が関与しないからという持論。子どもの世話をするのは母だが、子どもに遊びを教えるのは父親の役目。というのは納得できるが、やや古くさいと思う。父親がおむつを替えたり、家事をしてもいいではないか。

    威厳のある父のもとで育たなかった息子は、ギャンブル依存になったり性依存症になったりというのはうなづける。

    ハンナ・アーレントはハイデッガーに父親の影を見出していた、ピカソは父に溺愛されていた、など、興味深い症例の数々。

    けっきょく理想の父母像をパートナーに求めない、欠点を寛容にみる、というのが夫婦円満、家庭良好のコツで、子どもの育成に影響を与える。

  • 同じ著者の『母という病』を読んで、面白かったのでこちらも読んでみた。
    『母という病』では、子どもと母親との関係ばかりが書かれていて、父親についてはほとんど述べられていなかった。この本ではそれについての説明(釈明?)もあり、『母という病』の続編のような感じで楽しめた。

    人間には誰であっても父親・母親がいて、小さい頃の両親との関係が良好であったかは、生涯に渡って影響を及ぼし続ける。「関係が良好」というのがどういうことなのかは難しいが。この本には多くの主張があるが、その後に必ず事例を挙げて説明があるのでわかりやすかった。事例というのは、精神科医である著者の臨床経験から来るものと、有名人(ピカソ、ユング、三島由紀夫、ガンジー、etc…)を挙げたものがある。

    色んな事例の中から、「これは自分にも当てはまるんじゃないか?」、「これは自分とは違うな」と考え、比較しながら読む。自分の両親のこと、そこから進めて自分自身のことを考えるのがやりやすくなる。あまりに身近な自分の両親のことは、他と比較すると考えやすい。

    「両親との関係が良好でない」というのは、「父親の不在」と「母親の不在」に置き換えられるのだと思った。ただ、不在というものには現実の不在(死別、離婚など)と機能的な不在とがあるようだ。子どもには、父親・母親機能を果たす何かが必要で、それは必ずしも生物学的な血のつながった両親でなくてもいい。血のつながった両親がその機能を果たせず、それを補う誰かがいないときに問題となるようだ。

    ただ、そうだとすると父親機能・母親機能とは何なんだろう?まだ自分の頭の中では整理できていない。

    気になった点として、生物学的に父性を生み出すホルモンである「バソプレシン」、および同様に母性を生み出す「オキシトシン」の話がある。細かくその仕組みなんかの説明がないせいか、どうにも胡散臭く感じてしまった。たぶん、これについて知りたければ他の本を読むべき。

  • 櫻井よしこ の父 戦前戦中 アジアでの貿易商
    終戦で築いた財産を失う
    父がハワイで日本食レストランを開く 誘われる
    2年で戻る 帰国を拒否して勘当 そこから這い上がる

    アテーナーコンプレックス
     娘が父親に同一化 男勝りの活躍 サッチャー ヒラリー

    アンティゴネコンプレックス
     過剰なまでに父親や男たちにつくしてしまう女性の無意識の力動

  • 長年、親子関係を見つめてきた精神科医が贈る、話題騒然のベストセラー「母という病」に続くもう一つの真実。
    父親は必要だろうか?父親の役割とは何だろうか?”父親”というテーマを事例やエピソードを踏まえ、精神分析的、心理学的、社会学的、生物学的側面から明らかにする。

  • 母と子には、完全なる肉体のつながりがあるのだけど、父親にはそれがない。
    その事実が、父親という立場を規定しているのでしょう。

    この本にでているような事柄って、誰もが大なり小なり抱いているのだろうなあ(「母という病」を読んだときも感じましたが)。

  • 【子育て・教育】父という病/岡田 尊司/20140723(59/233)
    ◆きっかけ
    ・以前、「母という病」を読んで

    ◆感想
    ・著者が繰り返し一貫して主張しているのは、健全な子の成長には2人の親が不可欠であること。そして、幼少の時期は母親にべったりが仕方なくとも、除々にその関係を弱め、社会へと誘うという重要な役割を果たすのが父親であるということ。
    ・父親は尊大過ぎても、貧弱すぎても子供に悪影響、これは難しい。
    ・母親との良好な関係は健全な子供の成長に不可欠。

    ◆引用
    ・子供は母親の欲望を映しだす鏡。しかし、母親の欲望に飲み込まれたままでは、健全な成長が遂げられない。そこに、父親の役割が必要になってくる。母親のぬるま湯の中に飲み込まれてしまわずに、一人前の大人に成長していくために、欲望に枠組みが与えられ、現実化するプロセスが必要。父親は子供に対して、乗り越えがたい限界として立ちはだかるとともに、母親に飲み込まれるのを防ぐべく、子供を母親の関係から外の世界へ引きづり出す役割を果たす。こうした父親の役割が、子供をバランスよく育つために必要。
    ・母という病(=母親の過剰支配や逆に見捨て)は父親の不在が生みやすくなった。
    ・自立とは手とり足とり指導できるものではなく、自分で模索してつかみ取るもの。今日の優しすぎる父親は、子供を自立させるうえでは、あまりうまく機能しない。父親が子供を家から追い出せなくなる。
    ・遅くとも4,5歳までに父親の厳しい面を味わっておかないと、後から歯止めをかけるのは難しい。
    ・母親の父親に対する態度から、父親が尊敬に値しない存在と思ってしまうのは其の子の心の発達をゆがめることになる。
    ・父親のブレーキ機能:子供にストップをかける抑止機能として、作用し、やがてそれが、子供自身の中に、自己コントロールする力を取り込むのを助ける。やりたい放題許すのではなく、子供の行動に一定の制限をかけてコントロールする方が、子供の成長には望ましい影響を与える。そうしたブレーキをかける役割として父親が重要。と同時に、受容することで自己肯定感が高くなるので、ブレーキと受容とのバランスが大切。
    ・父親はいわば社会へのファシリテーター役。子供を母親のひざ元から外界へと導く。=母親からの解放者。
    ・子供、こと息子は、父親を通して、社会で生きていく技を学ぶ。=特に息子にとっての行動のモデルであり、社会への適応の仕方を知らず知らずに教えてくれる導き手。
    ・息子にしがみつき、手放したがらない母親が、その思いを断ち、息子を自由の身にするためには、父親が防波堤となる必要があるが、父親が防波堤として機能するためにいは、父親と母親との関係が恒常性をもったものとして維持されるとともに、わが子の巣立ちの寂しさを共有し、その自立を共に喜ぶ方向に、気持ちを切り替える必要がある。
    ・子供は父親を愛し、父親に愛されたいと願うが故に、父親を理想像として仰ぎ、その価値観や行動を、手本として取り込み、父親に応えようとする。しかし、父親の存在が大きすぎるとき、子供はそれに応えることができず、父親という手本は重荷になる。逆に父親が理想像として貧弱すぎ、失望の対象でしかないとき、その子は他者に対する尊敬や自分に対する尊敬を育みにくく、冷笑的で、ニヒリスティックな人格となる。
    ・父親が不在でも、母親が心の中にしっかりとした父親像を持ち、子供の父親に対して、肯定的な気持ちを持っていれば、子供は父親の不在を乗り越え、良い父親像を手に入れ、それを自分の中に取り込むことができる。それが、社会の掟や秩序に対する敬意を持ち、その中でうまくやっていくことにつながる。
    ・父親不在がもたらすもの:母親への依存と母子融合。
    3歳頃、子供は外界を模索したいという欲求と母親の庇護に頼りたいという不安の間で葛藤している。この葛藤を乗り越えられないと、母親との共生関係に逆戻りする。この時期をうまく乗り越えられるか否かが、安定した自立を獲得できるかどうか左右するが、介添え役として父親の役割が重要。子供が大きくなるにつれて、父親の役割は増大していく。
    ・子供は本来、父と母両方を必要としている。両方とも愛したい。1人の親に独占されるよりも、両方に共有されて、どっちつかずに育つほうが、こっともバランスの良い、健全な成長を遂げ易い。1人の親に強い支配を受けると、その子は鋳型でおしたような窮屈さを抱え、世の中でうまく通用しないことになりかねない。
    ・父親に対する母親や周囲の思いが、憎しみや嫌悪といったネガティブな感情で採られている場合、父親に対する子供の気持ちを歪めるだけでなく、子供の自己肯定感まで損なわれやすい。子供の前で父親を否定するような言い方をすることは避けた方が良い。

  • 面白かったです。フロイト、ピカソ、ユング、サリンジャー、ガンジー、中原中也、バタイユ、デグジュベリ、ヘミングウェイ、レノン、モジリアニ、櫻井よしこ、サッチャー、ヒラリーなどの父との関係、子供との関係などを実例に出しながら父親が子供に及ぼす影響について書かれています。子育てに父親が関わる種は哺乳類全体の3%で、母親より影響が希薄なようですが思春期、青年期の父親の存在はかなり重要なようです。必ずしも現実の存在だけでなく、心の中のち 父親像が子供の社会生活や家庭生活を壊す原因になる。ママはパパの悪口を言っちゃダメですね。

  • 自分が父親ということもあってか、『母という病』より読みやすかったです。

    大雑把にいえば、「母は、乳児期や幼児期に大切な存在」、「父は、思春期に大切な存在」といえそうです。

    いろいろ書かれてはいますが、子育てを難しく考える必要はないように思いました。
    子どものことをちゃんと考え、接していれば、特別なことは必要ないと思います。

    これからも、「あまり気負わず、子どもに接していきたい」と、改めて思いました。

  • 493.7

  • 愛着ホルモン オキシトシン。外交ホルモン バソプレシン。父親、母親、子供たちの関係はどうあるべきか。歴史上の人物などの実例を挙げる部分も。興味深い。オススメ。

  • 母という病を読んで。子供の成育に齎す母の影響だけではなく、父親の影響を知りたいと思った。父親と離れて暮らす事の子供への弊害を知りたいと思った。その答えは、この本の中に、あっただろうか。結論付けるのが難しい。私には、その弊害がエディプスコンプレックスに集約され語られ、人間関係や犯罪を助長するばかりではなく、自らの子育てにも影響を及ぼす。しかし、母程のものではない、と読み取れた。モヤっとしている。それは、父親の影響自体が、モヤっとしているせいなのかも知れない。

    完璧な子育て。理想的な両親。そんなことを考えてみる。著者の事例紹介を見ているうちに、世で大成する子供たちは、必ずしも、理想的な両親に育てられていない事に気付く。逆境を乗り越えようとする年齢や個性もあるのだ。さすれば、一般論はあっても、セオリーは無いと言えるのではないか。

    モヤっとしている父の影響。多数の抑揚のない事例紹介が、本著全体を間延びさせた印象にしている。従い、この本を読むなら、母という病を読んだ方が良い。厳しい事を無責任に言うなら、この二冊は、一冊に出来ただろう。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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