石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する (一般書)

  • ポプラ社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137062

感想・レビュー・書評

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  • 多少の書き方の偏りはあるけれど、読んでいてやはりこの検証委員会の行ったことは「お役所仕事的」だと感じる。

    「なぜ他の学校では助かった人がたくさんいるのに、大川小のみこのような被害になったのか」
    それを明らかにしたいと考えている人に対してこの検証結果はひどいと思う。そしてこつこつと情報を集めてきた遺族に対する対応。もう少し話し合いながら遺族も納得する形で進められなかったのか。読みながらため息が出てしまった。

  • まあ、役所はわるくないもん、というための検証でしょうね。

  • 遺族サイドで書かれているので、多少のバイアスはあるが、whatが知りたい遺族とwhyを解明したい委員会とのズレがある。具体化と一般論化の方向性のズレというか。大人の生存者はA教諭1名しかいないし、極限状態における記憶が曖昧になってつじつまが合わなくなるのは仕方のない事だろう。この1人の記憶・証言によって真相究明しようとする所にそもそも無理がある。
    災害の結果はタラレバになってしまう。津波が想定内で所定の避難場所で助かっていたら、逆に山に逃げて木が倒れて多数の死者が出ていたら、結局学校サイドは責められる。要するに結果責任なので、死なせた事そのものが問題であり、その原因究明により何かが変わるわけでもない。が、ひとつの事例として検証する意味はあるのだろう。
    本書のキモはp168の柳田邦男の指摘につきると思う。

  • 大川小津波災害最終報告 真相どこに、遺族苦渋 / 河北新報
    http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140224t13014.htm

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    「これは「記録する」戦いだ。
    3・11の大津波で、全校生徒108名のうち74名が死亡・行方不明となる大惨事が起きた宮城県石巻市立大川小学校。
    遺族の親たちは真相の究明と正確な記録を求めた。
    だが、スタートした「検証委員会」は遺族を無視し果てしない迷走を始める――。
    子どもたちの命を守れなかった教育現場でいったい何が起きていたのか。
    異様な「検証」の姿を浮き彫りにする迫真のドキュメント!

    出版社からのコメント
    いったい、
    何のため、
    誰のための
    「検証」なのか?
    石巻市教育委員会は被災当事者からの聞き取りメモを破棄、やっと開かれた説明会も短時間で打ち切り、遺族の怒りをかった。
    その後、「公正中立」を掲げた「事故検証委員会」がスタートしたが、「なぜ逃げ遅れたのか」という核心の問いを置き去りにしたまま、意図不明の周辺調査に予算と人員をつぎ込んでいく――。
    「検証」とはいったい何のため、誰のためのものなか。
    震災直後から現地に入り細密な取材を続けてきたジャーナリストが問う、「第三者による検証」の内実。」

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著者プロフィール

1962年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。ひきこもり問題、東日本大震災、築地市場移転などのテーマを追う。NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会理事。

「2019年 『ルポ「8050問題」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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