- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591137710
感想・レビュー・書評
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クラシックコンサートへ行く道中読むために購入しました。
スイスイ読めてファンタジーの世界に行ける本だと思います。夜寝る前の読書にピッタリでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どのシーンを切り取っても1枚の絵画になるような慈しみ深い物語。ヴィヴァルディ先生やピエタの娘たちを中心に緩やかにのびてゆく水流を、ヴァイオリンの音色を聴きながら、ときおり唄をくちずさみながら、私たちを乗せたゴンドラは進む。いとしい友人たちとのかけがえのない出会いと別れを繰り返しながら、いっしょに祈りながら、ゆっくり進む。
いま世界中そこここで先生の音楽は生きている、と中庭で弦を楽しむ彼女らに思いを馳せる。胸に残る1冊。 -
ヴィヴァルディ先生の周りの人々の物語。話が進むにつれて、面識のなかった登場人物が繋がっていって、ヴィヴァルディ先生を囲む輪のようになるのが感じられて面白かった。エミーリア、ヴェロニカ、クラウディアの3人の夜のシーンがとてもよかった。私も3人と一緒に思い出を共有したような気持ちになり、その後のストーリーにぐっと引き込まれた。最後のシーンは絵のように美しかった。
途中でしばらく読むのを中断してたので、ところどころ前のページで場面を復習しなければならなかった。一気に読むべきだった、残念…。 -
よろこびはここにある。
思わず涙腺が緩み、ラストへと進む。緩やかに。緩やかに。
人生において、人は誰もが主人公と言われる。
でもそれは、人と人を繋ぐ役割の人の存在が、それぞれのストーリーをドラマティックに、深みのあるものに導いて行くのだと気づかせてくれる。
エミーリア、クラウディア、ヴェロニカ、ジーナ、アンナ マリーア。
昨日より、今日より、明日より、
よりよく生きよと、皆が語りかけてくれる。
大切にしたい素敵な一冊。
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ヴィヴァルディ先生(実在してた)との関わりのある(架空の)女性たちの交流が描かれていました。
フィクションだけど、本当にあった話かのように思えた。ラストのシーンが一番感動を覚えた。
偶然のつながりも大切だなと感じた。
2015.1.3(1回目) -
18世紀の作曲家ヴィヴァルディと、彼を慕う何人かの女性たちを巡る物語。
ヴィヴァルディの死から物語が始まるのだけれど、感傷や感慨に浸るのではなくて、
むしろそれをきっかけにして、主人公の世界が広がっていく感覚が心地よかった。
失われた幻の楽譜を探すうちに彼女がどんどん積極的になって、行動的になって、
気付けば彼女は晴れた空の下、ヴェネチアの河に浮かぶゴンドラに乗り、穏やかな波に揺られ、
昔話を語り合える友と一緒に歌を口遊んでいた。
まるで死んでしまった作曲家が彼女を連れ出して導いたみたいに。
物語の傍らにはいつもヴィヴァルディの音楽が流れていて、ゴンドラを運ぶ水の音が聞こえていた。そして「ピエタの娘たち」の話し声も。
「音」が「空気の振動」であるのならば、彼が作った音楽も、彼女たちが息をしたその空気も、きっと今でも、私たちのすぐ近くにあるはずだ。
とても暖かい小説だった。 -
今まで読んだ大島真寿美の中でベストでした