(021)ブラック企業VSモンスター消費者 (ポプラ新書)

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  • ポプラ社 (2014年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591139400

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(021)ブラック企業VSモンスター消費者 (ポプラ新書)の感想・レビュー・書評

  • 非正規職員が労働者の4割をしめる昨今、ブラック企業は正社員という言葉を餌に若者を雇用する。育成も教育も施すことなく短期間に使い捨て利益を出す。若者のがんばろうとする気持ちを逆手にとって過剰に働かせる。誰が考えても無理であろうギリギリの人数での運営を強いる。日本型雇用の悪い部分だけを肥大化させ、入社した以上なんでもやれと言わんばかりに酷使する。悪辣極まりない。
    他方、フランス、ドイツでは日曜日に開いている店はほとんどない。買い物は平日だけ、日本でいえば毎週末が元旦のようなイメージ。キリスト教の安息日の文化が浸透しており、日曜日は営業してはならないと法律で明記されている。日曜日が過量な労働の歯止めとして機能しているのだ。日本では長時間労働はしないという文化が極めて希薄。休めないため、そういう文化も育たない。労働基準法はあるにはあるが、労使協定を結んでしまえば残業時間については青天井。月200時間でさえ合法となってしまう。過労死ラインの80時間は、あくまでも過労死の後、初めて適用されるライン。日本の多くのコンビニが夫婦二人で12時間の交替勤務をしている。不眠不休の労働に加え会話も断絶し、ついには家庭崩壊。追い討ちをかけているのが、消費者の過剰なクレーム。ブラック企業を排除するどころかブラック化を助長している。消費者としていかがあるべきか。同じ労働者として厳しく問いかけられている。

  • 「おもてなし」の気持ち悪さは感じていたが、「おもてなし」≒「ブラック」という事には気がつかなかったな。
    モノが溢れてるから、サービス競争になる、人件費はタダなので、いくらでも長時間労働、過剰サービスの提供が可能になる。結果労働者を蝕み、最終的には消費者が被害を受ける。この悪循環を断ち切るには「欲望消費」を抑えるしかないのでは?流通・サービス業で働いてはイカンという事を再認識させられた。
    政策としてはデフレ脱却とか賃金増ではなく、時短で時給を上げていくという方向性にチェンジしていく必要はあるだろう。

  •  ブラック企業と消費者の関係に迫る。

     モンスター消費者とまで行かなくても、値段不相応なサービスを求める姿勢は労働者を苦しめる。正確にはそれは顧客重視ではなくて、命令に逆らえないだけなので、結局は安全姓やサービスの低下を招き、消費者へと返っていく。
     ヨーロッパでは日曜は休みと法律で決まっていて、ほとんどのお店が閉まってるというのは知らなかった。労働運動が改善の第一手とこの本では書いてあるが、市民の仕事やサービスへの意識の変化も重要なことは間違いないだろう。
     

  • 非正規雇用は貧困と同義。そこから正社員神話誕生。低賃金、長時間労働で正社員を使い捨てるブラック企業の登場。数年で退職すること前提の大量雇用。管理職や店長に格付けして残業代を払わない。

    そして職務の範囲が曖昧。入社後は言われたことは全部やる。会社の命令に対する責任感が高く、時にそれは消費者の利益に優先する。

    それがブラック企業。

    おもてなしも危険。企業から命令される対価のない過剰なサービス提供の温床。

  • 自分用キーワード
    しまむら土下座事件 架空のクレームを基に解雇 どんな条件であっても正社員なら良い風潮(年越し派遣村・生涯年収のグラフ) 時間外労働が80時間続くと過労死ライン 残った社員への牽制のための裁判 ブラック保育所(若く経験の浅い人を使い捨てる前提、人件費が安いという煽り) 規制緩和後の保育施設での事故 乳幼児突然死症候群 「社会人」という言葉の曖昧さ(明確な改善の理由を知らされぬ叱責) 企業別労働組合 「自律的に仕事をする事」と「命令に対する主体性」は全く違う

     三波春夫の遺族「「お客様は神さまです」の意味を取り違えないで下さい」 生協と労組の関係(以前は労組に加入している人だけが利用できた。その安さに潰れる店も出ていた) ダイエー創業者:中内功「消費者と量販店は革命を起こすプロレタリアート」 ダイエー松下戦争 カラーテレビ不買運動 二重価格問題 消費者優先の思想はモンスター消費者を生む一因ではなかったか 「おもてなし・神さま論」はサービス残業につながっていないか 

    感情労働 ドイツの閉店法 フランスでは罰金を払ってでも日曜夜間営業をする企業がある 日本人のボランティア活動時間(H23社会生活基本調査) コンビニの名ばかり店長 幻の「個人生活優先社会」 

    日本の「サービス」は「無料・割引」であり「対価をもらっての奉仕」ではない 一流ホテルの接客を日常にまで持ち込むのか ワールドエコノミックフォーラムの国際比較ランキング 顧客事業主論 マーケティング3.0 エシカル消費 日本のエシカル消費の評価は「加点法」 意識高い系の「フード左翼思想」はファストフードを食べる人の上に成り立っている 高所得者の「福祉政策はいらない論」はおかしい、絶対に必要なものである 


     

  • 消費者として、サラリーマンとして、両方の意味で非常に考えさせられました。一食1,000円のファミレスと、10,000円の銀座のレストランで求めるものって違うよね、それって当たり前なんだけど、、、
    自分も気づかないところでモンスターになってないか木をつけようと思いました。

  • 「労働」と「消費」の問題について。
    極悪クレーマーが会社をブラック企業にし、ブラック企業が消費者を食いつぶす。


    物を買う時に、「安すぎだろ!」って思うことが多くて、
    その安いものを買うってことは、
    そこで削減されているコストをだれかがかぶっているということで、
    そして、その削減コストをかぶらなきゃいけないのは自分自身だったりして…
    そんなことを考えると、いつも、一番安いものよりも2倍の物を買うようにしてて、でもそうしていると、結構お財布が痛いので、消費減少…つまり、景気回復になってない?とかいろいろと考え込んでしまったり。

    24時間年中無休なんて、やめてしまえ!

  • 「ブラック企業」について、その言葉を産んだPOSSEの代表今野氏と理事坂倉氏による「ブラック企業」の背景にある「消費者」をテーマにした本。
    消費者から生まれる負のループについて、様々なケースも取り上げつつ、その背景として日本における「職務のあいまいさ」を指摘する。つまり、「どこまでやるか」がはっきりしないままの仕事であるがゆえに、「おもてなしの心」などと言い繕われながら働かされ、それが経営者と労働者の関係だけではなく、消費者と労働者にも持ち込まれている(一方で欧米では契約や法律が盾になっている)。そして、まとめとして消費者=労働者、としての想像力を持つべきだとし、しかしその限界を認識しつつ、合わせて体が壊れない労働時間で暮らせるだけの賃金が得られるベースでの産業設計の必要性を指摘する。

    至極もっともな内容で、異論はないのですが、じゃあこれをどうやって実現していこう、というのが難しい話。でも「働く」ということについて、知る・考える人を増やしていくしかないんだなぁと思ったり。

  • ○NPO法人POSSEを運営する、今野氏と坂倉氏の著作。
    ○今野氏の前著「ブラック企業」を受け、実際のブラック企業と、それの遠因ともなっているモンスター消費者について、NPO法人の活動(労働者からの相談案件など)の経験をもとに、現状をまとめたもの。
    ○ブラック企業が悪であることはもちろんだが、モンスターと呼ばれるクレーマーが、その一翼を担っているという点は新鮮かつもっともだと思った。
    ○安易に「おもてなし」と言うが、それらの“サービス”がどのようにして提供されているのかについては、一消費者としても注意深く観察する必要がある。

  • 「働く」とは何か?労働には自己犠牲が必要か?「お客様」である消費者は「神様」か?個人の生活、未来、命にまでかかわる切実な課題であるにもかかわらず、ずっと置き去りにされてきた「労働」と「消費」の問題についてーー。若者の格差・労働問題に取り組む話題のNPO法人POSSEの運営者が深刻な「日本劣化」を防ぎたい一心で社会に一石を投じる、共感必至にて衝撃の書!(裏表紙より)

    ついこの前、心の病で某証券会社を辞めた友人が同じようなことを話していて、妙に印象的でした。友人の主張は「消費者が24時間営業の店や格安の居酒屋を使い続ける限り、労働者の使い捨ては終わらない」とのことでしたが、この本はそこから更に一歩踏み込み、「一方で消費者が便利なものを選ぶのは必然なのだから、法律などで労働時間や労働条件を制限する議論を進めなければならない」としています。個々人の意識で社会は変えられないということです。
    結局のところ消費者は同時に労働者であり、消費者としての自分の過剰な要求が、回り回って労働者としての自分の首を締めることに繋がるのかも。身近な社会問題について、とても考えさせられる一冊でした。

  • 東京五輪招致活動の、あの女性キャスターの演説から、一躍流行語になった「おもてなし」。

    一流旅館や、一流料亭などでは、昔から実践されていたサービス。
    一般家庭でも、友人や親族が訪れた時に、ごく普通に実践されていた「心づかい」。

    私も、自分の仕事の中で、少なからず「おもてなし」を意識していた。
    それが、いつのまにか「おもてなし」第一主義になっていた!
    私の仕事でも、世の中的にも。

    「おもてなし」されることになれてしまった消費者。
    「これでもか!」と、「おもてなし」をし続けることになった販売者。

    これでよかったんだっけ?
    おもてなしって、金額に関係ないものなんだっけ?

    「おもてなし」
    「過剰サービス」

    について、考えさせられる一冊。

  • 期待しすぎた? ちょっと物足りない テーマは面白い

  • 思い当たる節も無きにしも非ずと、少し働くことを考えさせられました。

  • 欧州に日本のような24時間年中無休の営業を見かけることはまずない。

    実際に欧州へ行けば分かるが、それは欧州が働くことを契約と捉え、「閉店法」という法律で小売業の営業時間を規制している国もあるほど、「休む文化」を根づかせているからだ。

    日本でも1987年に政府の政策文書にて「個人生活優先型社会」として労働時間の上限1,800時間を具体的な政策目標として掲げ、翌年に竹下内閣が閣議決定していた事実がある。
    「過剰なサービスに対する国民の意識の変革も必要である」と「過剰なサービス競争を展開すること」を当時の政府が問題視しており、この時期に労働時間の時短を掲げる政策文書が相次いでいた事実は今の常識を否定する有力な材料になる。

    職務範囲が不明瞭な日本の雇用制度は様々な負の一面が社会問題として現れているが、日本人の美徳や「おもてなし」というサービス精神を日本文化として捏造し、刷り込むことで破綻している雇用制度のカイゼンではなく、従業員の犠牲の上で維持されていることに改めて気付かされる一冊。

    日本でProfessionalな人材を増やすためにも職務範囲の明確化が喫緊の課題であることを改めて自覚する。

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