([お]7-7)てのひらの父 (ポプラ文庫 お 7-7)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591139721

感想・レビュー・書評

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  • 司法浪人の涼子、服飾デザイナーの撫子、そして不条理なリストラにあい職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、ある日臨時管理人として現れたトモミさんの存在がはからずも三人が抱える問題を浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。

    登場人物がみんな憎めないキャラクターで、ほのぼのする。
    三人が立ち向かっている現実は厳しいものだけど、トモミさんがどっしりと構え、家族のように心配して助けてくれる(トモミさんにとっては「仕事ですから」だそうだけど)。
    だから安心して、立ち向かっていける。
    家族ってそういう心の拠り所だと思う。
    果たして自分は、家族のそういう拠り所になれているのかな。
    特に子どもにとっては、そうでありたいと思う。

  • 今は亡き父の思い出は、どこまで必要だったのだろうか。上堂薗の直情ぶりには苦笑が絶えない。

  • いい年の女性三人が住む下宿の大家さんが突然アメリカへ旅立ってしまい、変わりに人相が悪い年配の男性がやってくる。大家として、三人の女性の色々な問題へ取り組んでいく中、三人のそれぞれの変化と成長を描いている。変わったホームドラマみたいでした。

  • 主人公を筆頭に下宿に住む皆がそれぞれに問題を抱えていて、決して安泰な生活を送っているわけでは無いのですが、トモミさんが言うように何故か大丈夫な気がする。
    根底がなんだかあったかくてしっかりしているので、今も、先も、苦しい事があっても乗り越えていける力があると思えてくる。
    どこか暖かく読後感の良い物語です。

  • 【あらすじ】
    世田谷区、松陰神社前駅から徒歩15分。女性専用の下宿「タマヨハウス」には、年ごろの三人の女が暮らしていた。弁護士を目指す涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラに遭い、人生にも道にも迷い続ける柊子。幸せでも不幸せでもない日常を過ごしていた彼女たちだが、春の訪れとともに現れた真面目だけが取り柄の臨時管理人の過干渉によって、少しずつそれぞれの「足りない何か」が浮き彫りになっていく。

    【感想】

  • 女性専用の下宿に臨時の管理人としてやって来た初老の強面男性が、住人である3人の女性をまるで父親のような温かさで包み込むという話。
    あくまでも管理人の業務というスタンスを徹底するものの、それぞれに曰く付きの父娘関係を持つ3人にとっては特別な経験になっていく、という過程の描き方が上手です。

  • 読みはじめは集中して読めなかったのに、事件が起き出してからは一息に読めた。
    いい人間関係を構築できたら、それは本当に宝物になるんだなあ。
    面倒くさい気もするけど、良いなあとも思う。

  • 真夜中のパン屋さん書いてる人ですね~
    この人の本って表紙とは裏腹にちょっと暗い感じがするでも嫌いじゃない
    他の本もそういう感じだった。
    トモミさんが去ってタマヨハウスに残されたボイスレコーダーに残された
    下宿人たちへの言葉、出会いと別れが切ない。
    最後は良い話でやっぱり大沼さんの本好きだ♪

  • 下宿先の管理人が、恋人を追ってアメリカへ。その代理としてきたニシオトモミさん。強面の男性。下宿先には、現在無職の柊子、司法留年生の涼子、ちょっとのんびりしてる会社員のでこの3人が住んでいる。
    でこの妊娠や結婚、会社のことや涼子の試験や大病を患った父親のこと、そしてなかなか就職が決まらない柊子。さまざまな事案が起こる。


    愛犬のハチの組み合わせや、でこちゃんの前では頼れる理想の上司なのに、柊子の前では気の小さい係長みたいな態度なトモミさんが良かった。
    そして、君たちの未来が見たいのはトモミさんだけじゃなくて、私もだなと思ってしまった。


    読み終わったあとに、なんかほんわかした作品だった。

    2015.5.31 読了

  • 涼子ちゃんのお父さんへの気持ち泣いた……
    柊子ちゃんとおねえちゃんも!!重い!!

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著者プロフィール

1975年、岐阜県生まれ。2005年に「ゆくとし くるとし」で第9回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、小説家としてデビュー。『真夜中のパン屋さん』で注目を集める。

「2019年 『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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