([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)

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著者 : 中脇初枝
  • ポプラ社 (2014年4月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591139752

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([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

  • 虐待がテーマなので読んでいて胸が苦しくなった。虐待されている子供やモンスターペアレンツ、虐待されて育ち、また自分の子供も虐待してしまう母親、自分を虐待した母が許せない女性…どれも小説の中の出来事だけれど、身近に潜んでいそうな問題だ。
    祝福されて生まれてきた子供なはずなのに、世の中には悲惨な事件が絶えない。この物語には虐待されている子供の周りに温かい人々がたくさん出てきた。それが救い。もし私の近くにそういう子がいた場合、私は温かい人になれるだろうか。

  • 前々から気になっていたけれど、内容的に、読書する体力があるときに読もうと思っていた小説。
    児童虐待やネグレクトをテーマにした五篇の短編集。
    いろんな視点からそれが描かれている。
    学級崩壊に悩む小学校の教師、昔自分も虐待を受けていた母親、PTA会長でもある父親、小学校の近くに住むおばあさん、自分を虐待していた母親がアルツハイマーになってしまったアラフォー女性。

    思ったよりも静かな雰囲気の小説だった。
    著者の中脇さんは絵本も書かれるそうなので、その影響もあるのかもしれない。
    事実、心情、が淡々と描かれている。

    幼い子どものころ、親は絶対の存在で、無条件に自分を守ってくれるべき存在だった。
    だけどその親に傷つけられるという事実も存在する。
    世の中でそういうことは思っているよりもたくさん起こっているのかもしれない。
    外面が優しく穏やかに見える人だって、家の中のことまではわからない。
    私も苦しんだ経験が多少なりともあるから、わかる部分があった。
    本当に単純なことで、子どもって「がんばったね」「よくできたね」って親に言って欲しいだけなのだ。イコール愛情だと感じる、と言っても過言ではないと思う。

    四つ目と五つ目のお話がとくに心に残った。
    人の薦められるかというと微妙だけど、私は読んでよかった。

  • よせあつめの街、よせあつめのこども。もがきながら苦しみながら、自分を責めて他人を恨みながら傷を抱えていきている。他人との関わりが希薄で、また関わらないようと望んでいるのに
    通りすがりのだれかにすこしだけ救われる。
    すべてのひとに語りかけるような優しい本でした。

  • 家族という存在は、他人よりも近いはずなのに、時に、他人よりも遠くにいるような気がする。

    名前を読んで欲しい。頭を撫でて欲しい。抱きしめて欲しい。「好き」だと言って欲しい。

    良い所も、悪い所もあって、自分。
    世界にたった一人しかいない、自分。

    当たり前だけれど、誰も教えてくれない、普段忘れてしまうこと。

    自分で自分を嫌いになってしまうのは、悲しいし、寂しい。自分が嫌いだから誰かを大切に想うという事だって分からなくなってしまう。

    ありのままの自分を受け入れて、大切にすることの大事さを教えてもらった小説でした。

  • 「わたしは悪い子」という言葉が呪いなら、「きみはいい子」という言葉は呪いを解く呪文かもしれない。やりきれない現実の中にいる子どもたちの物語ですが、手をさしのべてくれる人の存在が救いになっています。

  • (「BOOK」データベースより)
    17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短篇集。家族が抱える傷とそこに射すたしかな光を描き出す心を揺さぶる物語。

    どれもこれも身につまされるし、皆何らかの悲しみを抱えて生きている事を上手く書いていると思います。社会問題に熱く切り込むとかでは無くて、個々の中に死ぬまで抱え込む事になる問題を優しくぽとりと心の中に落とされたような気持になります。子供も大人もそして老人も皆心のよりどころを求めてさまよって行くのが生きて行くという事なんでしょう。

  • 2016.09.18読了。
    今年7冊目。

    岩田書店、一万円選書の一冊。

    虐待をテーマにした短編集。
    辛く、目を背けたくなるような子どもたちの日常にさすあたたかい光。
    私も完全に助け出してあげることはできなくても、誰かの救いになれたらいいなと思った。

    隣近所や人との関わりが昔より減ってしまった今。
    だからこそ虐待も増えてるんだろうけど、そんな辛い中でも、誰かに声をかけたりかけられたりって気持ちがほっこりするし、少しでもいろんな人と関わっていけたらいいなと思う。

  • 借りたもの。
    フィクションとして読めない生々しさ。
    現代のどこかの街のどこかの家庭で起こっている児童虐待、トラウマ、そして介護の問題……
    5つの物語は違う物語であるが、相互に関連性、別の視点から見た物語のように見受けられる。

    連綿と受け継がれた親子の負の遺産だろうか……
    子供は「認めてもらいたい」「愛されたい」と叫んでいる。
    親はその余裕が無い。子供の頃にそんな経験が無かったから――

    この本に円満な解決は描かれない。ただ、ほんの少しの希望の光が差す。
    それが傷ついた子供も大人も救う力になり得る。

    ほんの少し抱きしめたり、認められればそれで人は仕合わせになれる。
    それは同情ではない。良い面を素直に受け止める/受け止められることでもたらされる。

  • 児童虐待の連作オムニバス。

    読みやすかったので、すぐ読み終えることが出来た。

    悲惨なだけでは無く、救いがあるのはホッとする、それぞれ良く出来ているが、過干渉や性的虐待の話は無く、かなり甘いかなと思った。

  • 図書館で借りた。

    短編集。

    辛く重い内容だったけれど
    どれも最後はちょっとだけ
    光が射したよう感じだったかな?

  • 2013年本屋大賞4位。

    同じ町で行われていた子ども虐待5つの話。

    虐待している人、されている(た)人の思考ロジックってホントにこんな感じなの?
    かなりブルーになりますが「虐待」を知るいい作品です。

    2児(小学生)の父親としては、涙なくして読めません。

  • 心に傷を負う家族とその周囲の人々を描いた短編連作集。人によっては読むと辛くなるかもしれないけど、それでも生きて行かねばならないということを再確認するにはちょうど良いと思う。

  • とある街で、少しずつ登場物がリンクしている短編集。
    読み始めは苦しくて辛いけれど、最後は少しだけ光が射してホッとさせてくれる。
    ほんの少しの違いで起きる哀しい事、でも何処かで誰かが気づいてくれて、たった一言でどれだけ救われるんだろう・・・そんな思いが巡る物語。
    「きみはいい子」・・・みんな、いい子なんだよ。
    否定される事が怖い者にとって、どれだけ救われる言葉なんだろう・・・

  • 同じ町を舞台にした5作の短編集。
    被虐待児が登場するとの事で前々から気になっていたところ、ちょうど文庫化されていたので購読しました。

    『サンタさんの来ない家』
    学級崩壊させてしまった新任教師。保護者が給食費を払わない神田さん(この学校は男子でも「さん」呼び)。
    「誰でもいいからおうちの人に抱きしめられてくる」という宿題がクラスの児童と先生に変化をもたらした。でも神田さんは……。
    『べっぴんさん』
    虐待を連鎖させたママ。
    「やぼったい」と主人公が見下していたママ友はすべてをお見通しだったという点に何か象徴的なものを感じました。
    『うそつき』
    小学生の我が子を見ながら自身が子供だった頃の友達を思い出すお父さん。
    被虐待児は嘘をついてでも虐待されている事を家の外には言えないんですよね。
    『こんにちは、さようなら』
    独り暮らしのおばあさんと家の前を「こんにちは、さようなら」とあいさつしながら通る男子児童。
    彼におばあさんが癒されたように、彼の母親もおばあさんに救われた。
    『うばすて山』
    老いた母親はかつて自分を虐待していた。そんな母を3日間世話する事に……。
    痴呆の始まった母親は虐待の事など綺麗に忘れている。
    「ずるいよ、お母さん」と涙する主人公が切ない。

    レビューを見た限りではもっと強烈な虐待が描かれているのかと思っていましたが、案外綺麗にまとめられていました。
    『べっぴんさん』での叩く・蹴るの描写は経験者には確かに辛いかもしれませんが。
    被虐待児は「自分が悪い子だから」と自分のせいにしてしまいますが、タイトルのとおり「きみはいい子なんだよ」という言葉を欲しているのだなと心から実感しました。

    身体的虐待と育児放棄が主に描かれていますが、精神的な虐待の物語も読んでみたいです。
    表面化しにくくて分かりづらいぶん物語にもしにくいでしょうが、「やさしい虐待」を受けて大人になっても苦しんでいる人は多くいるので……。

  • 虐待をテーマにした短編集です。

    一番最初の、新米教師が学級崩壊させちゃうお話は胸が痛くなった。先生は決して悪い人じゃないのに、上手くいかないもどかしさ。先生が温かい家庭に育った人で良かったな。

    公園に集まるママ達のお話も痛い・・・
    外ではニコニコしているママ達も、家では怒鳴ってるに違いない、って私も思ってました。
    虐待までいくかどうかは紙一重なんじゃないかなぁって思えて怖くなりました。

    母親が子供に与える影響の大きさをまざまざと見せつけられ怖いし、反省しました。
    「お母さん」と呼びかけられて「は~い」なんて優しく答えた事が最近あるだろうか?「なに!!」って眉間にしわ寄せて言っちゃってる気が・・・

    どのお話も辛くて痛いですが、最後にはかすかな光が射す、その微妙な救いがなんとも言えず絶妙でした。
    一人でも誰かが温かく見守ってくれたら、「きみはいい子だ」って言ってくれたら、人は強く生きて行ける。そういうメッセージを感じました。

  • 答えなんかない。最善の方法はみえてる。けど、それができるかは自分次第。

  • 五個くらいからなる短編集
    その内、二個ぐらいが幼児虐待の話
    舞台は全て同じ町

    なんだか、胸が暗くなった

  • 題材上仕方ないけど、重く深刻な話で、読むのに疲れてしまった。
    せっかくのいい所もマイナス面にやられて、負の部分ばかり印象に残った。
    これが親の立場だったり子供の立場だと、読後感も違ってくるのだろうか。
    少なくとも今の自分には苦さが多く残った。
    映画は良かったんだけどな。

  • 映画化されたのを機に初めて知ってまずは小説を読んでみようと思い読了。
    希望を感じる場面もあるが何よりテーマが児童虐待なので重い。
    私は虐待を受けたこともなく周囲にも(恐らく)いなかったのでなんか実感が沸かない気持ちになってしまい終始暗いまま読んだ。子どもを持つ親などには響く小説だと思う。

  • 前から気になってた本だったので読めてよかったです。気付いたら映画化とかしててびっくり。
    いや、よかったです。わたしは虐待されてないと思うけど、他の出来る子と比較される、とか、よくわかるので。いつかわたしは子どもが出来たら虐待しちゃうだろうなってずっと思っているのもあって。いろんな視点でいろんな人を描いているのが、とても響きました。

  • 本屋大賞2013年4位。5編からなる連作短編週。各短編は同じ土地で起こる「児童虐待」をテーマにした話。若干ニアミスがあるけどストーリー的な絡みはない。客観的で淡々とした視点がすごく読んでる側の思考を深めてくれる。文章も簡潔でお話も面白い。すぐれもの。世代間での児童虐待の継承確率ってどのぐらいあるんだろ。虐待とまで行かないけど、本人のイライラに起因して日常的に子供に体罰を加える親の比率ってどれぐらいあるんだろ。5割ぐらいあるのかな。継承確率が高いと仮定すると日常的に体罰を受けた経験のある大人の存在確率を調べると体罰家庭の存在確率が5割かがわかりますね。
    表題にもなってるとおり、虐待児童は自分が「悪い子」と思い込んでいから「そうじゃないよ」と言ってあげることが「必要」って観点で書かれてるような気がするけどやっぱそうなんですかね。体罰経験の有無と幸福な人生との相関とは本当はどんな感じなのかいろいろ考えてします。まあ相関あるんでしょうね。

  • 前回は感想を書かなかったので再読。
    サンタさんの来ない家…5時迄は家に帰れないし、その家に帰っても安らぎの場所はない。
    べっぴんさん…虐待する理由をいつも見つけている。虐待が連鎖するように愛も連鎖する事を知る。
    うそつき…傍観者のような煮え切らない大人により、子供たちは人知れず痛めつけられる。
    こんにちは、さようなら…この章もとても良かった。失いかけていた綺麗な心に触れた。おばあちゃんと少年の二人だけの時間がもっと続いて欲しい。
    うばすて山…評価はこの章。痴呆になった母をどれだけ憎んでも虚しさしか残らない。さりげなく手を貸してくれた思い出に再開できたのが良かった。心温まる出来事を忘れてしまっても、その出来事のお陰で今の自分があることだけは忘れてはならない。

  • 様々な子供たち、それを取り巻く昔子どもだった大人の話など、傷ついた心の話。どんな話かな、と思いながら読んでいった。すこし泣いた。

  • 虐待がテーマの、こわい、ほのぼのとした話。障がいのある男の子とおばあちゃんの話が泣ける。

  • 2017/02/26読了
    家族が抱える傷とそこに射す光。同じ町、同じ雨の日の午後を描いた連作短編集。
    学級崩壊、虐待、悲劇の連鎖、アダルトチルドレン。辛い話だけど どの話も先に少し救いがあるので ホッとする。
    「わたしをみつけて」の菊地さんが出てきた!

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