(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591140840

感想・レビュー・書評

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  • 日本全国の賃貸空き室率18.9% 
    地方都市の話ではなく、アパートに限れば千代田区36% 中央区28% 目黒句27%....... という書き出しで始まる。
    多いとは聞くが衝撃的な多さ。

    なぜこうなるかというと、日本政府が新築着工を景気対策として使い続けているから。
    それもえらい高くみつもった経済波及効果を採用したまんま。

    その他、住宅物件の査定がものすごくいい加減なこと、減価償却が早すぎるので、資産がどんどん減る仕組みになっちゃていること、不動産情報の不透明さなどと続いて行って、なーぜーかー 最後は、にほんの不動産市場は八方ふさがりだから、海外に投資しましょう、フィリピンはいかが?って話で締める。

    いやいやいや、そんなお金があるなら、再開発にまわらんのかね?と思う。
    都内一等地の、オフィス街じゃないところってものすごく中途半端でどうしようもないところが結構多いと思う。
    狭い、高い、生活不便で、中古物件は空き家になっていくのでしょう。ひとけがなくて、治安も悪そう。
    折角地の利が良いのにほっとくと外資に買いたたかれhかいますよ。
    海外からの資金を呼び込めればいい、と言うけれど?
    ああいう場所に 家族+一部屋の余裕があるアパートが買えるようにならないものですかね?

    とにかく、都市部の家、狭いです。老親を引き取ることも、ままならない。
    女性も外にでてカネを稼げと言うならば、こういうことから整えていかないと。

    ご本から離れていろいろと考えてしまいました......

  •  「空き家問題」に関心があるので、最近立てつづけに出ている概説書の一つを読んでみた。

     近年、日本の空き家率が急速に高まっており、「空き家問題」が深刻な社会問題になりつつある……という話は、少し前に読んだ坂口恭平の『独立国家のつくりかた』で知った。

     ニュース番組などで空き家問題が取り上げられる機会も増えてきた。
     少子高齢化が急速に進み、住宅需要は下がる一方なのに、新築マンション・一戸建ては馬鹿みたいに増えつづけている。このままでいけば家は余る一方だろうと、素人目にもわかる。

     ではなぜ、空き家率が高まっているのに新築着工は減らないのか? また、持ち主がいるのに空き家のまま放置される家が増えつづけているのはなぜか? そうした素朴な疑問に、本書は明快に答えてくれる。

     たとえば、空き家のままにしておいたほうが、更地にするよりも固定資産税が安いのだそうだ。住宅が足りなかった高度成長期に、新築住宅建設促進のために作られた制度が、そのままになっているためだという。
     
     また、日本の住宅の「寿命」は実際よりも短く見積もられているとか、中古住宅の資産価値が不当に低すぎるとか、先進諸外国に比べて特異な住宅事情が、空き家率の高さの要因として説明されていく。

     ただ、空き家問題がストレートに論じられるのは全7章のうち第2章のみで、「看板に偽りあり」の観が否めない。
     ほかの章は、「ここがおかしい! 日本の住宅行政」とか、「不動産業界の闇」くらいのタイトルがふさわしい内容なのだ。

     それでも前半の各章は、空き家問題の背景を論じたものとして読むことができる。しかし、後半になると、タイトルと内容がどんどん乖離していく。

     きわめつけは、最後の第7章「海外シフトする不動産投資」。
     この章は、「これから海外不動産投資をするならフィリピンがいいっスよ!」みたいな内容になっている。空き家問題とは1ミリも関係がない。

     不動産コンサルタントの著者は「セブ島でコンドミニアムの分譲事業にも携わっている」そうで、なんのことはない、この章は自分の商売の宣伝なのである。
     読者をバカにしているというか、担当編集者が「この章は必要ないからカットしましょう」くらい言えよ、という感じだ。

     前半だけなら読む価値がある本。

  • ふむ



  • 少子化が進み、地方だけにとどまらず都内でも空き家率は非常に高い。
    の割には、新興住宅はどんどん建てられ続ける。
    で、空き家を取り壊すために税金が使われ続ける、と。
    殆どの問題が法整備すれば、かなり改善されるように思うのだが。戦後間もない頃の弱者救済の法を現在も変わらずってのは、歪みが生じるのは必然だな。

    タイトルと内容があまり一致しない気もしたが、まあいいか。

  • 不動産の売買について学ぶことができた本。現在の日本の課題も見えてくる。

  • 日本の不動産事象が赤裸々に書かれている。長嶋氏の本は、業界への提言が辛辣かつ的確に書かれているいるものが多い。
    住宅に関する政策、不動産の囲い込み、衣食住の住がある意味生活を脅かす。一生、住宅ローンの為に仕事を続けるという構図が成り立っている現状。今後は中古住宅へシフトしインスペショクなどが重要視される。
    供給過多の日本不動産から考えると、中古住宅へのフューチャーとは自然な流れに思う。
    建物に対する知識。ユーザーも不動産業者も今後はより必要になってくるような気がする。

  • 題名とは違い、空家問題よりも現状の不動産業界の問題点について多く書かれている。
    また、後半は不動産によって経済を動かすにはどうしたらよいか、著者の勧めが紹介されている。

  • 「空き家」がどのように日本を蝕んでいるかについての期待していた記述はあまりなかったですが、不動産を取り巻く事情がよくわかり、面白かったです。

    ただ後半はやや蛇足感があるかな。

  • 不動産(住宅)の査定は営業が適当に行う。
    金融機関は現地確認せず身分でお金を貸す。
    更地だけより家があるほうが固定資産税がやすい。もともと新築促進のための制度。しかし空き家の原因に。

  • 空き家率が高まっているのは知っていたので、気になって読んでみたものの、浅くて解決策はあまり書かれていない印象。そもそも一般消費者向けではない??
    終盤はページ稼ぎのような「空き家」と関係ない内容。う〜ん、よくわからない。

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著者プロフィール

さくら事務所代表取締役会長。不動産コンサルタント。
1967年生まれ。広告代理店を経て不動産デベロッパーの支店長・不動産売買業務を経験後、業界初の個人向け不動産コンサルティングを行う消費者エージェント企業、さくら事務所を設立。

「2020年 『災害に強い住宅選び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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