([か]10-1)四月一日亭ものがたり (ポプラ文庫 か 10-1)
- ポプラ社 (2014年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591140970
感想・レビュー・書評
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だいぶ前に読んだのに、その後文庫本が出なくて、いつのまにかノーマークで、ふと読みたい加藤元さんだなと思ってうなぎ女子購入しました。部屋に四月一日あったのが驚きました、これの事かと、これは好きだと。でも四月一日をわたぬきと読めず、情け無いです。出だしの西岡さんが起こした事件は一年前なんだ、もっと年上かと思いました、桐子じゃなくてすみれさんとの話で、めちゃくちゃ柄が悪い西岡さんなんだよね、ラストの平太のおじいさんが実の父親だって繋がるんだね、そして平太も助けた。セリが主役と思いきやしみじみと流れた物語。
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近所の洋食屋で初めて皿に盛られたライスを食べたのは小学生の頃。親の真似をして塩をかけたライスは抜群に美味かった。何故か家でやると怒られた。それでも隠れて食べた。もちろんソースもかけて食べた。そんなことを思い出した。家族団欒の風景が本の先に見えた。ホワイトライスにウスターソースは「おふくろの味」ではないが、間違いなく「家族の味」なのである。
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四月一日亭を軸として、語られる短編集。
2話目の脇役が3話目の主役に、と思ったら
1話目の脇役の人でした。
では4話目は? といえば、意外な所でぐるっと。
きれいに全部が丸まりました。
面白くないわけではないですし、料理美味しそうですし
読みやすかったのですが、面白いかと言われると…。 -
大正時代のとある洋食料理店「四月一日亭」を軸に進む話。華やかでドラマティックな物語ではないけれど、登場人物達は確かにそこで生きていて、登場人物達のちょっと因果な関係が見えてくる。チキンカットレット、アイスクリーム、ホワイトライスとウスターソース、プレンオムレット。彼らにとってはどれもきっと天上の味。
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期待してたよりずっと良かった。
関東大震災の頃の、下町の情緒がすごく出てる。
そして、苦界にいた人や、最下層に身をやつして暮らしていくしかなかった人、みずから転落して行った人、いろんな人の人間ドラマがあった。どれもとても登場人物の造形が深かった。
私が知らないだけで、まだこんな生き方をしている人なんて、日本の中にいるんだろうなぁ。こうはなりたくない。でも、いざという時、くず哲みたいに、ちゃんと言うべき時は言える人間でいたい。後悔だけはしたくない。そう思った。 -
『嫁の遺言』ファンにはど直球の一冊。
激動の時代の、日本のあちこちにいたであろう、たくさんの彼らの物語。
四月一日亭に縁のある一人ひとりのバラバラピースがあるべきところにはまっていく、この気持ちよさたるや!
どん底の人生の中で、どん底に人間に成り果てるか、そこにいたとしても真っ当な人間として生きていけるか、分かれ目ってなんなんだろうな、とふと思う。
ほんの小さな優しい思い出、何気ない温かい一言、そんなヒトとのつながりが、あるかないか、いや、それを受け止められるかどうか、それが分かれ目なんだろうな。きっと。
西岡さんには、いつかふらりと戻ってきて欲しい。そして、とにかくカットレットとオムレツ、食べたい。 -
大正時代末期、日本が自由で穏やかだった時代。
銀座の裏通りにひっそりと佇む西洋料理店
「四月一日亭」があった。美味しい料理とともに、
今日も客人たちの悲喜こもごもが繰り広げられる…。 -
時は大正時代の末期。
一軒の洋食屋を舞台に、お店にまつわる人々の悲喜こもごもを描いた連作短編集。
店主の娘が語る身上、隣に住む女の子が憧れるもの、お客としてやって来た彼等の心中…。
美味しそうな料理とその思い出、不思議なご縁。際立つのは大きな悲しみと小さな幸せ。
レトロな雰囲気やゆったりした時間の流れ、そんなものも感じさせる作品でした。 -
大正時代末期の銀座の裏通りにある西洋料理店「四月一日亭」を舞台に、関わる人々の悲喜こもごもを描く連作短編集。
戦争や震災は興ったけど、何となく落ち着いた印象がある大正時代。当作品もモダンな雰囲気を感じるが、物語が淡々と進行するようで心に響かなかった。 -
2017.3.6読了 23冊目