([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫 お 13-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591140987

感想・レビュー・書評

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  • 老舗出版社で文芸部の若手編集者の男性の物語。
    作家が老舗出版社から小説を出す大変さ、そして、その本が売れるようにと仕掛ける営業の大変さ。
    本を1冊夜に生み出し売るまでの大変さが伝わってくる小説でした。
    一方で、登場する作家、編集者たちが抱えている個人、特に家族の問題や背景があって、お仕事小説でもあり、家族の物語。
    二人の恋愛事情も気になるところ。

  • 心の中に、ふわっと残る話だった。

    小中学校の、学校では仲良くしていたのに、
    だんだんと疎遠になり
    今では連絡もなんとなく取りづらい人がいる。
    異性ならば、友達として再会したいけれど、
    結婚してるだろうし、と思ってさらに連絡できない。
    それが悔しいなとよく思う。
    けど、そんな、時々思い出す、会いたくなる存在がいるだけで、幸せなのかも。
    自分の中に降り注ぐ雨はそうやって降ってるから。

  • 恋愛要素もちょっとあるが、お仕事系の小説。
    本を一冊出す裏にこんなにもドラマがあるとは。
    とても面白かった。

  • あー、なんて清々しい読了感。
    主人公の情熱、それを後押しする周りの人達の温かさ。
    それぞれ仕事に向かう姿勢が格好いい!
    いい小説に出会えて幸せ

  • 大手出版社に勤める彰彦の目を通して、作家として売れることの大変さ、売れ続けることの難しさ、孤独感を改めて感じた。彰彦と家永の娘冬実のその後を他の作品で少しでもいいので読みたいな。

    私は文庫派なので単行本がしっかり売れないと文庫が出てくれないのは分かってる。。。でも今ですら文庫で大量に本があるのに嵩張る&高い単行本で買うのは厳しい…。

  • 努力の末のオールハッピーエンド。
    よかった…って思う終わりかた。
    本ができるまでの努力も感じられ、知らない世界を教えてもらえました。

  • 本が作られている背景が面白かった。

    本は作れば終わりではなく、
    作った後はどのように売っていくかを
    考えなければいけない。
    売上を上げたいという商売気な感じではなく、
    良い作品を世に出すために!
    という編集者の熱意が読者としても
    なんだか嬉しい。

    作者は人気作家なのか、
    実力はあるが中々売れる機会に恵まれていないのか、
    作家によって売り方も考えていく。

    また主人公は大手出版社勤務。
    純粋に本が好きで良い本を作りたいと思うが、
    自身が務める大手ならではの殿様感覚の対応をする
    先輩や上司に違和感を感じる場面。
    一方気づかない内に自身も殿様対応をしていたことに
    気づかされることもあり、それを改めていく。

    本が作られる流れや、作者と出版社の関係性、
    良い本を世に出したいという編集者等、
    本が作られるところが知れる。
    ストーリー性も含めて、
    本が好きな人は面白いと感じる作品。

  • 編集者が本にしたいと切に願う原稿に出会えても、簡単には本にはならない現実。出版後売れるまでの苦労。さらにそれが文庫になるためには…。私たちが平積みでなんとなく手にする一冊の本にはたくさんの人の思いが詰まっているのを教えられます。優等生の主人公が悔しさをバネに自分を省みながら成長していくところも良かったしのめり込んで一気に読みました。ずっと気になっていた伏線がラスト数行で回収されたときは思わず泣きそうになりました。大崎さんの人と人との繋がりを大事にされる、本にまつわるお話はどれも後味が良く好みです。

  • とてもとても良かった

  • 大学を卒業して大手出版社に編集者として就職した彰彦。先輩から引き継いだ人気作家を担当してきた彼が、ある落ち目作家の原稿をたまたま読む。その素晴らしさに感動し、どうしても自分の手でこれを出版したいと願う。

    知りませんでした、出版社のこんな内情。考えてみれば当たり前のことで、出版社は売れる本を出したい。駄作であっても人気作家の本であればそこそこ以上は売れると見込める。いくら良作であっても落ち目作家の本を売るのは大変。どうしても他社に渡したくないならば、しばらく預かっておいて、その作家が何か賞でもとってからにすればいいじゃあないか。作家もそんなことは承知しているから、目の前で「出版しましょう」と顔を輝かせる彰彦に、「お宅で出せるわけがない」と呆れ顔。編集長を説得するのがまず大変。クリアしてもさらにその上を説き伏せるのが大変。

    大崎梢の作品はこれまでにも多く読んできましたが、これがNo.1です。何度も涙が溢れそうになる。解説で宮下奈都が書いているように、泣ける小説が良いわけじゃない。でもこれはまちがいなく良い小説。

    今は売れなくても、一冊がいつかきっと百冊に、千冊になる。数年後の誰かを感動させるために、彼らは本をつくる。人気作家とはいえない人の作品の中に、自分にピタッとくるものを見つけたときの幸せ。だから私たちは本を読む。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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