([も]4-1)わが盲想 (ポプラ文庫 も 4-1)

著者 : モハメド・オマルアブディン

• ポプラ社 (2015年2月5日発売)

感想・レビュー・書評

[sagami246さんの感想 · 2020年9月7日]

面白くて、かつ、すごい話。

全盲の19歳のスーダン人大学生が、偶然、日本への留学の機会を得る。福井県立盲学校、筑波技術短期大学、東京外国語大学の学部・修士・博士課程を終え、現在は東京外大の特任助教、また、ネットで調べたら学習院大学の特任教授を勤められている。専門は、中東およびアフリカの現代政治。
まだ学生であった頃にスーダンの女性と結婚し、今では3人の子供の父親でもある。

19歳の時点で日本語に接したことのない全盲の方が、日本で大学教授までになるのは、信じられない。才能と努力の賜物だと思うが、この本の面白いところは、それに対してほとんど悲壮感を感じないこと。途中で随分と落ち込む様子は書かれているが、それでも前を向いて活動を続けるところ。驚くようなエピソードもたくさん。

笑いながら読みつつ、元気をもらえる。

[mii555さんの感想 · 2023年3月30日]

紛争が続くアフリカ・スーダンに住む盲目の青年が、たまたま耳にした「日本留学」に申し込んで派遣が決まり、文化も言葉も全く分からない上に見えない世界で、日本へ来て奮闘する様を書いた自伝書。
ストーリー全般にわたって明るく軽快な語り口なんだけど、エピソードのひとつひとつがとにかく凄すぎて笑える。
この本も自身で書いており、日本語の語彙力・筆力ともに圧巻過ぎて、とにかくすごい。←語彙力

[soiroさんの感想 · 2016年5月29日]

おもしろかった！ただの視覚障害の外国人じゃない。相当頭がいい努力家。奥さんのアワティフさんをはじめ、すごく魅力的なひとたちに恵まれている。
苦労したことも描かれているけど、全然ネガティブな感じがしない。特に靴ひものくだりはとてもよかった。

筆者の見たことのない情景が、読者の眼に浮かぶってすごいことだな。

[umeさんの感想 · 2015年2月24日]

小さな生き物が大きな怪物を倒すような爽快感